Google, Ben Gomes氏は1日(米国時間)、Google検索の取り組みを紹介するブログの一環としてユーザエクスペリエンスを向上させるためにUIをどのように改善しているかを発表した。同氏が友人にGoogle検索のUIに関して働いていることを説明すると、だいたいの場合猜疑の眼差しとともに「なにをしてるって? なにも変わっちゃいないじゃないか」と言われるそうだが、ちゃんと仕事はしている。

一般的なWebサイトではユーザの滞在時間の長さがそのままユーザ満足度の向上につながると考えられることが多い。しかし検索エンジンはそれとは逆だ。ユーザが検索エンジンを訪れてキーワードの入力をはじめてから、いかに短い時間で検索ページを去っていったかという滞在時間の短さが評価につながる。短ければ短いほどすぐに目的とするページへ素早くたどり着けたことを意味する。こうした前提を踏まえつつ、次の4つの原則があると説明している。。

  • 小さいページ: 小さいページほどダウンロードも表示も高速になる。結果的に最小のデザインを採用することになる。装飾されたページはもたつきを増加させるのに比べて利益が少ない
  • 簡素なUIと複雑なアルゴリズム: 単語補正提案、スニペット表示、サイトリンク、クエリリファインなど簡素で便利なUIを実現しつつ、背後ではそれを実現するための大量のデータを分析し複雑なアルゴリズムを経由して最適な結果をもたらす
  • どこでも機能する: 機能はどこの国や地域のどの言語であっても適用できなければならない
  • 実験による決定: とにかく実際の稼働を通じて検証を実施し正しい改善ができたかを調べる

これまで改善されたもののなかでわかりやすいものといえば単語補正提案機能だろう。この機能は現在でも改善が継続されている。Google検索では入力されたクエリからユーザが本来意図するであろうクエリが推測され、必要があれば提案されるようになっている。たとえばBritney Spearsという表記は600種類近いミス入力がされており、Google検索はこうしたデータからBritney Spearsを意図した本来検索だと推測してクエリを考えるというわけだ。

Britney Spearsを意図して入力された単語たち - こうした分析が単語補正提案機能に活用されている

それ以外でもタイトル表示、内容の一部表示、リンク表示などUIは常に改善されている。最近追加された変更では、title要素を含んでいないページでもコンテンツからタイトルにふさわしいものを選択して表示するようになった機能がある。内容の一部表示もただページのトップから数行表示するのではなく、クエリの内容からもっともふさわしいと推測される部分が表示されるように改善されている。クエリも強調表示される仕組みになっている。なお、もし検索結果のトップページに目的とするサイトが見つからなかった場合、検索ワードを再検討した方がいいようだ。

入力したキーワードが意味している単語が強調表示されていることがわかる

HPの検索結果(google.comの場合) - 60リンクの中から有益と思われるリンクが選択してリストアップされている