先日リリースされたFirefox 3.0は順調にダウンロード数を伸ばしているようだ。執筆現在で2,600万ダウンロードに達しようとしており、Net Applicationsの報告によれば24日の時点ですでに世界で3%をこえるシェアを獲得している。Firefoxの採用率が高いヨーロッパでは5%をこえている。今後も順次シェアを伸ばし、主要ブラウザとしての位置を獲得することになりそうだ。

Firefox 3.0ではCSS 2.0および2.1がサポートされているほか、現在策定が進められているCSS3の機能も一部対応している。Firefox 3で導入されたCSSの新機能や改善点はCSS improvements in Firefox 3にまとまっているが、David Baron氏がまとめたSome new CSS features in Firefox 3がサンプルも含めてよくまとまっているので紹介しておきたい。

David Baron氏はMozillaでFirefoxの開発に関与しているデベロッパ。W3CのCSSワーキンググループで作業するなど、FirefoxとCSSに関して知識が深い。同氏がSome new CSS features in Firefox 3で特に紹介しているCSSの新機能は次のとおり。

  • inline-blockおよびinline-table
  • font-size-adjust
  • rgba()およびhsla()カラー
  • width、min-width、max-widthで指定できる新しい値 -moz-max-content、-moz-min-content、-moz-fit-content、-moz-available
  • white-space: pre-wrap

inline-blockおよびinline-tableは将来的にクロスブラウザ向けのWebサイトを作成する際に多様されることになる便利な機能として使われることになりそうだ。font-size-adjustは日本語にはほとんど関係がない。英語のように大文字と小文字が混在する言語でフォントサイズの調整をするために活用できる。

Firefox 3.0 rgba()の使用例その1 - Some new CSS features in Firefox 3より抜粋

Firefox 3.0 rgba()の使用例その2 - Some new CSS features in Firefox 3より抜粋

rgba()およびhsla()はCSS3で導入される機能。従来はopacity: 0.5のように指定していたものをrgba(0, 255, 0, 0.5)のようにRed-Green-Blue-AlphaやHue-Saturation-Lightness-Alphaで指定できる。これまでよりも豊かなカラー表現がまとめて指定できるようになる。Some new CSS features in Firefox 3はサンプルと説明の双方が簡潔にまとまっている。Firefox 3.0で新しく対応されたCSS機能の概要を知る上で有益なドキュメントだ。WebデザイナやWebデベロッパは一読しておきたい。