「Virtual World Conference & Expo 2008」が5月28日から30日の3日間、東京ビッグサイトで開催されました。ちょっとお固い講演会と展示会、そして、眞鍋かをりさんトークショーやらユーザーパーティーなどの催しがありました。セカンドライフ内のバーチャルイベント会場も用意され、そこでは一部の講演のライブ映像を放映するなどリアル会場と連動。つい先日まで設置されていたバーチャルイベント会場の様子をご紹介しましょう。

リアルの講演会では、リンデンラボの元CEOフィリップ・ローズデール氏の基調講演を皮切りに、8講演とパネルディスカッションが行われました。教育分野での利用やバーチャルショップの可能性などについて、講演があった模様です。

リアルの展示会にはちょっと足を運んでみました。セカンドライフのオープンソースをベースにした3Dシステムが目立っていたように思います。これを使うと、例えば、会社オリジナル版のセカンドライフにマンションのモデルルームを作って、24時間オープンのバーチャルモデルルームが低コストで一丁あがり、といったことができるのだそうです。こういった3D構築の技術と、セカンドライフへの出店支援やマーケティングなどのサービスを総合的、複合的に展開しているところがいくつも出ていましたね。

バーチャルイベント会場の様子は……

で、以下は、バーチャルショップの展望やオープンソースの可能性とは、あまり関係ないセカンドライフ生活を送る1ユーザのバーチャルワールドのお祭り見聞録です。バーチャル会場を回りながら、いくつかご紹介しますね。

バーチャル会場ほとんど全景。1シムが丸々展示会場になってます

シム中央のインフォメーションセンター

バーチャル会場画面で右下に位置するIBM会場。ウェブやIBM本島へのリンクがある程度で、ここには凝った仕掛けは作ってないように見受けました。でも、かわいいヘリコプターが。これに乗って会場巡りです(人間を捨てた格好で恐縮です)

IBMの隣はセカンドライフ以外のMMOのパビリオンで、手前はViZiMoさん。向こうはダレットワールドさんなのですが、残念なことに建設中です

赤地に白いescの文字が目立つ看板をつけているのは、バーチャルワールドの総合ポータルサイト「momogon

セカンドライフでアイドルを売り出しているメタイマージュさんのブースです

手前のセカンドコアさんは、セカンドライフでのイベント支援などを行っています。忠実な再現を目指した江戸城などがあるEDOシムもセカンドコアさんによるものです。向こうのラミティさんは、ケータイ上の仮想空間です

SUNは、ケータイからセカンドライフにアクセスするシステムなどを作っている企業。セカンドライフ内でもいろいろ構築しているようです。パビリオンには、リンデンドルと円との換金ATMがありました。今回の眞鍋かをりさんトークショーのスポンサーでもあります

博報堂DYグループさんのブースです。6カ月前に「コードギアス 反逆のルルーシュ 」の映画のプロモで配布されたロボット・アバターなどが展示されてました

廃墟風なオブジェクトは、日本人居住区として最大規模のシムのオーナーさん、マグスルさんの展示です。ちょっとした仕掛けがあり、クリックひとつでお城が出てきます。マグスルさんは、セカンドライフ上にアドベンチャーゲームを簡単に作るシステムも作っていて、サンプルのゲームをマグスルさんのシムで配布しています

サンプルゲームの画面。よく言われる話のひとつに「セカンドライフにいざ参加しても、何をやっていいのかわからない、という日本ユーザーがたくさんいる。ゲームのようなシナリオを用意した世界が日本ユーザの嗜好には合っている」という見方があります。成り行き注目したいところです

画面内左は、セカンドライフ参入支援などを行っているセカンドギアさんです。セカンドギアさんのシムには、キャンプ施設もあり、個人の新規ユーザーにもフレンドリーな雰囲気でした。画面内右は、シムのアクセス解析ツールを作っているアイエスエルアナライザーさんのブース。簡易版フリーのアナライザーを配布していました

画面内左の3Diさんは、3Dインターネットソリューションを提供している企業。画面内右のティーカップコミュニケーションさんは、リゾートの島などを販売しているところで、予定となっていた1/4シム・900プリムが3,600円からのマイ・アイランドのプランには惹かれるところが多々ありました

3Dコミュニティーサービス「NTOMO」を展開しているNTOMO(エヌトモ)さんのブースです

イケメンの元CEOがユーザーパーティに

ところで、このイベントの目玉は、なんといっても、ユーザーパーティーにリンデンラボの創立者にして元CEOのフィリップ・ローズデール氏が参加したことだと思いました。ローズデール氏は今年3月、リンデンラボの公式ブログで「ボク、CEOで組織管理やってるより、開発やセカンドライフのエバンジェリストになりたい」と言って、新しいCEOを公募した超イケメンのIT起業家なのです(写真はこちら)。現在の肩書きは、Chairmanです。

筆者は、ユーザーパーティーにバーチャル会場からアクセスしたのですが、ローズデール氏のただならぬイケメン・オーラがバーチャル会場にも漂ってくるぐらいでした。質問タイムでは、バーチャル会場から「セカンドライフ内に彼女いますか?」という質問まで飛び出すアリサマ。ちなみに、お答えは「いても言えない」ということでした。また、日本人ユーザーさんのモノ作りのセンスはいいので、これからのセカンドライフにとって期待するところ大だ、というようなことをおっしゃってました。お世辞かもしれませんけどね。そういうわけで、セカンドライフの片隅で、売れないショップをひっそり開いている日本人1ユーザーも、なんとなく満足して、会場を後にしたのでした。

「セカンドライフ三面記事」バックナンバー

・第1回 バーチャル"サクラ"を巡る攻防
・第2回 バーチャル不動産ビジネスの正体
・第3回 ヘルプ! 英会話教室の外国人講師にぼったくられる
・第4回 汗と涙で稼いだリンデンドルを"円"に換えたら(泣)
・第5回 或る女の不条理で(ちょい)欲深い日常
・第6回 設定が招いたディスコミュニケーション!?
・第7回 グリーファーの襲撃に筆者は武装も考えた……
・第8回 誤解も愛のうち……妙な日本文化に触れる
・第9回 起業も職業選択も自由なバーチャルワークの魅力
・第10回 ロールプレイングを楽しんでる人たちがいる
・第11回 バーチャルだけど、土地、買いました(1)
・第12回 バーチャルだけど、土地、買いました(2)