IBMは20日(現地時間)、Telelogicブランドのソフトウェアおよびシステム開発ツールを強化することを発表した。IBMはTelelogicの買収を2008年4月3日に完了しているが、今回のソフトウェアおよびシステム開発ツールの強化は買収前にすでに計画されていたもの。

同強化により、Webベースワークフローを持つ変更管理ソリューション「Telelogic Change」が「Telelogic Change 5.0」へとアップグレードされたほか、エンタープライズアーキテクチャおよびビジネスモデリングソリューション「Telelogic System Architect」とTelelogic Change 5.0を統合した「System Architect/Change」が新たにラインナップに付け加えられた。

また、要件ライフサイクル管理ソリューション「Telelogic DOORS」に「Telelogic DOORS 9.0」「DOORS Web Access」「DOORS/TraceLine」が追加されたほか、Microsoft Visual Studio Team Foundation Serverとの統合が行われる。

Telelogicのシステム/ソフトウェアポートフォリオ

"Telelogic Change 5.0"では、複数の開発リポジトリを連携させることにより、異なる構成管理ソリューションを利用するグローバルな開発チームが、単一でグローバルなアプリケーション・ライフサイクル・マネジメント(ALM2.0)を利用することが可能となり、より優れたシステムやソフトウェアの構築、および製品化までの時間を短縮することができるようになる。TelelogicのVice President,Marketing & Business Development Systems & Software Modeling Bussiness UnitのGeorge LeBlanc氏は「1つの中央化させた同プロセスを用いることにより、開発期間は最大で50%削減された例もある」と語る。

また、CMMIレベル2からレベル4のサポートや不具合レベルの予想、脆弱なプロセスエリアを特定するための測定基準やレポートの提供が行われるほか、ソフトウェア開発ライフサイクルの全体にわたり不具合をトレースすることが可能なため、品質保証(QA)マネージャは、不具合レベル、テストや予算を正確に予測するために必要となる情報と理解を得ることが可能となる。

"System Architect/Change"では、モデルベース・ワークフローに対して、変更管理プロセスを追加することで、BusinessとITユーザーの両者が、アーキテクチャや開発プロジェクトにおいて協力することができるようになる。また、アーキテクチャモデルの構築と拡張をサポートすると同時に変更要求やそれらによるITや組織に対する影響を可視化することが可能なため、エンタープライズ・アーキテクチャ・プロジェクトや、それに関連するSOAやビジネスプロセス分析などにおける統治のための形式的手法が提供されることとなる。

"Telelogic DOORSファミリ"に新たに追加された3つの製品および機能により、要件定義と管理のための新しい基準が提示される。これにより、ビジネスおよび開発チームは、要件の定義、分析と要件変更、目標に対する進捗状況の管理、共同作業、および結果を検証することが可能となる。

"DOOR 9.0"では、協調ディスカッションのための拡張機能および「Telelogic Directory Service」が提供される。同サービスは、複数のDOORSサーバ、他のTelelogic製品、およびLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)を介したサードパーティ製品において、共通のユーザー管理機能を提供するもの。

また、"DOORS/TraceLine"では、ビジネスとエンジニアリングを適合させるため、開発者でない人のためにALMを拡張、DOORS情報やトレーサビリティ構造をステークホルダの視点に合わせて可視化、ブラウズ、管理することができ、複雑なプロジェクトに対する、明確で詳細なビューが提供される。

さらに、"DOORS Web Access"を用いることで、Webブラウザを通して、DOORSのデータベースにある要件へアクセスすることが可能となる。これにより、クライアントソフトをインストールしなくても、要件のレビューや検討をする際に、世界中のどこからでも参加することが可能となる。また、LeBlanc氏によると、近い将来にアクセス機能だけではなく、編集する機能も付加する計画であるという。

なお、"Telelogic Change 5.0"および"System Architect/Change"は2008年第3四半期中の提供が、DOORS製品とMicrosoft Visual Studio Team Foundation Serverが統合された製品は2008年第2四半期中の提供がそれぞれ予定されている。