Extは21日(米国時間)、Ext JSの最新版となるExt JS 2.1を公開した。ExtはJavaScriptで開発されたWebアプリケーションフレームワーク。ほかのフレームワークに依存せずにスタンドアロンで提供されているフレームワークで、軽量で高い拡張性を保持しているうえ、デスクトップエクスペリエンスと近い滑らかな動作を実現しているという特徴がある。同時に新しいプロダクトとしてExt GWT 1.0も公開されている。
Ext JS 2.1はパフォーマンスの改善や新しいコンポーネントの追加、ドキュメントの充実、バグ修正などが実現されたメジャーアップデートバージョン。新しく追加されたExt GWT 1.0はGoogle Web Toolkit (GWT)を使ってリッチインターネットアプリケーションを構築するためのJavaScriptライブラリ。なおExt GWT 1.0の方はベータ版と位置付けられている。
2.1でもっとも注目すべきはパフォーマンスが向上していることだ。アナウンスによると2.0.2から2.1にアップグレードするだけで明らかなパフォーマンスの向上が確認できるとされている。またメモリ使用量も削減され、多くのアプリケーションで300%を越えるメモリ使用量の改善がみられるとされている。さらに後方互換性も実現されており、2.0.x系を採用している場合にはアップグレードが推奨されるバージョンとして仕上がっている。
2.1で新しく導入されたコンポーネントとしてはスライダーバーが注目される。Ext Slider Exampleで動作例が紹介されているが、その動作は実に滑らかだ。ステータスバーも改善されたほかRESTサポートの改善、グリッドの拡張などが実施されている。
Ext JS 2.1でもうひとつ注目すべきはライセンスがLGPLライセンスのもとでの利用を許可している従来のExt LicenseからGPLv3 (GNU GENERAL PUBLIC LICENSE Version 3)へと変更された点にある。従来のライセンスはOSS関係者にとってあまり反応がよいものではなかったようで、そうした状況を反映したものだとされている。
また同発表では次期メジャーバージョンとなる2008年末でのリリースが予定されているExt 3.0についても発表されている。すでに高性能リストビュー、機能拡張されたボタン、拡張ボタンをサポートしたツールバー、ダイナミックオーバーフローなど3.0リポジトリに追加されているという。