日本HP、Itanium搭載ブレードサーバの新モデルを追加

日本ヒューレット・パッカード(HP)は25日、デュアルコアインテルItaniumプロセッサ 9100番台(開発コード名Montvale)を最大4プロセッサ(8コア)まで搭載可能なHP-UX対応ブレードサーバ「HP Integrity BL870cサーバブレード」を発表した。最小構成(デュアルコアインテルItaniumプロセッサ 9120N 1.42GHz 12MB L3キャッシュ、4GBメモリ、72GB HDD)の価格は260万7,150円。

まず挨拶を行なった同社の執行役員エンタープライズストレージ・サーバ事業統括の松本芳武氏は、同社のエンタープライズストレージ・サーバ事業の2008年度第1四半期(2007年11月～2008年1月)の業績について紹介し、全体の売り上げは48億ドルで前年同期比9%増で、ブレード製品の売り上げは79%増、HP Integrityサーバの売り上げは37%増だったとし、今回発表されたIntegrity BL870cが「ブレードとIntegrityサーバという2つの成長分野のクロスポイント」だと紹介した。さらに同氏は、同社が掲げる「アダプティブ・インフラストラクチャ」構想に基づいて現在の高コストで分散化されたITを低コストでプール化された資産に変えていく上でブレードサーバが大きな役割を果たすと強調した。

日本ヒューレット・パッカードエンタープライズストレージ・サーバ事業統括執行役員松本芳武氏


エンタープライズストレージ・サーバ事業の2008年度第1四半期業績	アダプティブ・インフラストラクチャ構想

続いて同社のUNIXサーバ戦略について、同社のエンタープライズストレージ・サーバ事業統括 BCSビジネス本部本部長の榎本敏之氏が説明を行なった。同氏は、ブレードサーバ市場が2011年まで年率23.7%で成長すると予測されていることや、国内ユーザーはブレードサーバに管理性、低消費電力、仮想化/自動化の面で期待を掛けていることを紹介し、「日本ではサーバ/システムの管理コストが高いため、ブレードサーバには大きな期待が集まっている」とした。

日本ヒューレット・パッカードエンタープライズストレージ・サーバ事業統括 BCSビジネス本部本部長榎本敏之氏

また、ブレードサーバの導入を検討している用途として業務系アプリケーションやデータベースが上位を占めているという調査結果を紹介し、従来のフロント側のWebサーバなどから業務系/DBへのシフトが始まっており、「高信頼性システムもブレードで実現したい」という要望が高まっているとした。新製品であるBL870cは、「高信頼性サーバであるHP Integrityサーバの信頼性はそのままに、ブレードという付加価値を加えた」製品だと位置付け、高信頼性サーバをブレードで、という市場の要求に応える製品だという。一方、UNIXサーバ市場では、金額ベースで50%ほどは大規模なSMPサーバが占めているという。この分野に対応するのが同社のSuperdomeを始めとするサーバ群で、金額ベースで残りの50%を占める8way以下のサーバの需要に対応するのがブレードサーバとなるため、2008年度はSuperdomeとBladeSystemに注力し、「市場に存在するUNIXワークロードのすべてをカバーする」という戦略だとした。

利用中/利用したいブレードサーバの用途


BladeSystem c-Classの概要	2008年度の注力プラットフォーム

最後に、同社のエンタープライズストレージ・サーバ事業統括 BCSビジネス本部サーバ・マーケティング部部長の森成隆氏が、製品概要について説明を行なった。同氏が言及した主な特徴は、「グリーンITを強力に推進する低消費電力性能」「ミッションクリティカル環境をブレード上で実現する高信頼性」「HP Integrity VMによる仮想化機能」の3点。BL870cとほぼ同等の性能となる同社のラックマウント型サーバ「rx6600」と比べるとスペース効率で2.6倍、4台使用時の消費電力は25%減、などのデータを紹介し、高密度実装やリソース共有による消費電力削減などのメリットを強調した。

日本ヒューレット・パッカードエンタープライズストレージ・サーバ事業統括 BCSビジネス本部サーバ・マーケティング部部長森成隆氏