ローソンソフトウエア ジャパン カントリーマネージャ代行 木田詞康氏

ローソンソフトウエア ジャパン(以下、ローソンソフトウエア)は21日、同社のERPパッケージ「LAWSON M3エンタープライズ・マネジメント・システム」のユーザ向けBI(Business Intelligence)アプリケーションとして「LAWSON ビジネス・インテリジェンス(LBI)」の提供を25日から開始すると発表した。ローソンソフトウエアは米ミネソタ州セントポールに本社を置くLawson Softwareの日本法人。同社カントリーマネージャ代行 木田詞康氏は「食品やファッションなど、各業界に特化したテンプレートを提供できるのが当社の強み。"Simpler is Better"をポリシーに、すべてのユーザに使われるBI環境を提供したい」と語り、競争が激化する日本のBI市場で知名度の拡大を狙う。

LBIの特徴は、単独製品の提供ではなく、同社のERP環境の使用を前提としていることだ。木田氏によれば、LBIはM3(ERP)と同じ操作性が提供されており、BI側からERPに入力されたデータを呼び出す際も、ユーザはBIとERPという別々のアプリケーションを使っている感覚をもつことなく、シームレスに利用することができる。

また、ほとんどのBIベンダがターゲットとしている経営層だけでなく、中間管理職や現場担当者などもユーザとして想定しており、ユーザ別にユニークなダッシュボードを用意している。同社ソリューションコンサルタント 武田寛氏は「BIはアナリストや経営者だけが利用すべきものではない。さまざまなニーズに対応するさまざまなダッシュボードを用意したことで、より多くのユーザがBIをツールとして利用できるようになる」と語り、欧米諸国に比べ普及が遅れていると言われる国内BI市場の拡大を期待する。

経営層には戦略的目標をチェックできるようなグラフィカルなダッシュボードを、中間管理職には分析を重視する戦術的ダッシュボードを、現場担当者にはリアルタイムに情報を提示する運用ダッシュボードを、といった具合にユーザに応じたダッシュボードを提供することで、すべての企業ユーザがBIを利用可能になる

LBIのもうひとつの特徴は、ERPベンダならではの豊富な業界分析データをテンプレートとして活用できるところにある。Lawson Softwareはファッション、食品・飲料、設備保全、流通、製造などに顧客をもち、これらの業界ごとのテンプレートをLBIの分析に活かすことが可能だ。同社によれば、すでにニュージーランドに本拠を置く食肉加工企業のアンズコフーズがLBIの導入を決定したという。

木田氏は「操作性、導入(インストール)、サポートなどをすべてシンプル化した。LBIではほとんどキー入力をすることなく、マウス操作中心で作業を行うことができる。データはERPに入っているからだ。これまでのERPやBIの問題点として、せっかくERPに入力した経営データが使われない、ということがあったが、LBIはそれを無駄にすることがないソリューション」と自信を見せる。ERPとのセット利用を前提としていることで、データの入力から分析、活用まですべて引き受けることができ、ひいては「大幅なTCO削減に貢献できる」(木田氏)という。

価格モデルは、既存のM3ユーザがLBIを導入する場合、15ユーザで約800万円ほど。LBIのリリースにより、ERP環境であるM3の新規案件は「50%の売上増が期待できる」(木田氏)という。