米IBMは2月6日(現地時間)、同社の最新BI戦略について説明した。これはCognos買収後では初となる。2007年11月にBI大手の加Cognosを買収したIBMだが、今回の発表では両社のポートフォリオを組み合わせた最新ソリューションの数々が披露されている。1月31日のCognos買収完了から1週間、製品統合や製品間連携を迅速に発表することでOracleやSAPなどの競合を牽制するとともに、Cognos製品のより広範囲での拡販を目指す狙いがある。

今回発表された新ソリューションの多くは、IBMのミドルウェア/ハードウェア製品にCognosのBIスイートの機能を組み合わせ、BI機能の強化や導入の容易さをうたっている。具体的には下記のような製品ラインナップが挙げられる。

  • 銀行、リテール、ヘルスケア、官公庁、ライフサイエンス、製造業などの特定分野向けの10の垂直ソリューション
  • IBMとCognos製品を合わせて作り上げた6つの統合済みパッケージ製品
  • Information on Demand(IOD) Infrastructure Services

いずれのソリューションにおいても、CognosとIBM製品の長所を組み合わせたBI導入支援パッケージとなっており、用途に応じたカスタマイズが行われている。統合済み製品の例でいえば、InfoSphere WarehouseとCognosを組み合わせた簡易導入パッケージの「Cognos 8 BI Starter Pack」、データ統合やドキュメント管理ソリューションのInformation Server/FileNet BMPといった製品群との機能統合版などの提供が行われ、既存環境にCognosを用いたBIを展開しやすくなった。またDashboard Accelerator向けの新機能「Cognos Builder」も用意され、BIのフロントインタフェースであるダッシュボードやデータソースのカスタマイズが容易になっている。

またIOD Infrastructure Servicesと呼ばれるBI導入支援サービスも用意されている。IBM Global Technology Services(GTS)を通してIOD用のコミュニティが提供され、システムの展開や活用に関するノウハウなどをユーザー間で共有できる。IBMのコンサルティング/SIサービスなども含まれ、ひと通りの導入支援サービスの提供が行われる。