内閣府はこのほど、インターネットの安全性に対する意識を個別面接によって調べた「インターネット上の安全確保に関する世論調査」の調査結果を発表した。同調査によると、有効回答者の45.4%がインターネットに対して不安があると回答。また、ネット利用で不安に感じる最大の理由としては、「コンピュータウイルス感染による個人情報の流出」と答えた人が66.5%と、最も割合が高かった。
同調査は、全国の成人5,000人を対象に、昨年11月8日から25日までに行われ、有効回答数は60.1%にあたる3,006人だった。調査は大きく分けて、「インターネットの安全性に対する関心」「児童(18歳未満)のインターネット利用に対する意識」「インターネット上の安全に関する協力」「政府(警察)への要望」の4項目について行われた。
インターネットの安全性に関する調査では、ネットを利用することについて不安はあるか聞いたところ、「不安がある」が19.6%、「どちらかといえば不安がある」が25.8%で、双方の合計は45.5%となり、約半数の人がネット利用に何らかの不安を感じていることが分かった。
さらに、ネット利用に「不安がある」「どちらかといえば不安がある」「どちらかといえば不安はない」と答えた人1,698人を対象に、不安に感じるものは何か聞いたところ、「コンピュータウイルス感染による個人情報の流出」が66.5%と最も高く、次いで、「暗証番号(パスワード)などを無断で他の人に利用される不正アクセス」が52.1%、「ホームページを閲覧するだけで料金を請求されるなどの架空・不当請求」が50.5%、「コンピュータウイルス感染によるデータの破壊」が47.7%と、ネット利用者において、多くの人がさまざまな不安を抱えていることが判明した。
また、児童(18歳未満)のネット利用に関する調査では、出会い系サイトを「よく知っている」と答えた人は15.0%、「少し知っている」と答えた人は32.4%で、双方を合計すると47.4%と半数近くを占めた。一方、「名称だけしか知らない」が39.8%、「全く知らない」も12.8%を占め、同サイトの実態を知らない人も半数以上いた。
出会い系サイトを「よく知っている」または「少し知っている」と回答した人に、同サイトを見たこと、あるいは実際に利用したことがあるか聞いたところ、「見たことはない」と答えた人が79.3%、「見たことはあるが、利用したことはない」が18.2%、「メッセージを書き込んだり、メールのやりとりをしたことがある」が2.5%となり、同サイトを閲覧したり利用したことがある人が、全体の20%以上を占めるという結果となった。
賛否両論のある、同サイトなどから18歳未満の児童を守るためのフィルタリングに関する質問では、「必要であると思う」が62.9%、「どちらかといえば必要であると思う」が13.5%で、必要だと感じている人が76.3%を占めた。
また、ネット上の違法・有害情報の通報先である「インターネット・ホットラインセンター」についてどの程度知っているか聞いたところ、「よく知っている」「少し知っている」と回答した人が合わせて12.6%しかいないなど、同センターの認知度向上に対して課題を示した形となっている。