米Microsoftは1月24日(現地時間)、同社会計年度で2008年第2四半期(2007年10-12月期)決算を発表した。同四半期の売上は163億7000万ドルで前年同期比30%の上昇、純利益は47億700万ドルで79%上昇と大幅に業績がアップした。要因は年末のホリデーシーズン商戦の好調で、前年度同期はWindows Vistaの発売延期による売上減少の直撃を受けたものの、今期はそうしたマイナス要因もなく順調に業績を伸ばした。ほかにも同社のエンタープライズ向けアプリケーション製品を扱うビジネス部門の売上が大きく伸びたほか、これまでMicrosoftの業績の足を引っ張っていたエンターテイメント&デバイス部門がXbox 360の販売好調などで黒字転換したことも、同社の利益増に大きく貢献した。

「売上高160億ドル超というのは、われわれのこれまでの記録を20億ドルほど上回っている。幅広い分野におけるビジネスパフォーマンスと実行力で、(同社会計年度で)2008年前半の業績はわれわれの期待にかなうものとなった」と米Microsoft CFOのChris Liddell氏はコメントしている。2006年10-12月期はTechnology Guarantee Programsと呼ばれる製品アップグレード保証プログラムの実施により売上の繰り越し計上などの措置がとられたものの、同社によればWindows製品を扱うクライアントビジネス部門の年成長率はおおむね20%台を上回る水準で推移しているという。また同社会長のBill Gates氏が1月初旬のInternational CES 2008で報告したように、Windows Vistaは2007年ホリデーシーズン商戦前の段階で1億ライセンス到達を達成した。

今回のもう1つのハイライトが、ビジネス部門と家電などのエンターテイメント分野の伸びた。ビジネス部門とサーバツール部門が共に売上2桁成長を達成しており、トータルでは17億ドルオーバーの27%成長だった。ビジネス部門を引っ張ったのが、Microsoft Office、SharePoint、Exchange Serverなどの新製品群だ。また家電やエンターテインメントの分野では、Windows Home Server、Zuneの新バージョンなどがリリースされた。特にXbox 360の販売台数は1770万ドルに達し、前年比で70%躍進した。

来四半期の見通しについて同社では、ホリデーシーズン商戦後でセールスが落ち着く時期ということもあり、売上高143~146億ドル、調整済みのEPSは0.43~0.45ドルを見込む。一方で注目すべきは2008年度通年の見通しで、売上の目標値を599~605億ドル、調整済みEPSを1.85~1.88ドルに情報修正した。第1四半期の決算報告時点では、売上高588~597億ドルでEPSが1.78~1.81ドルだった。先日好調な決算を発表した米Appleが、今後の業績見通しを弱めに見積もったことで投資家の失望売りが続き、2日間で株価が20%近く急落してしまった。米国を中心に世界規模の不況への突入がささやかれ、IT投資の減少からアナリストらがIntelなどの半導体メーカーの業績見通しを下方修正するなか、非常に強気の姿勢を貫いている。