内部統制構築の第一線で活躍する個人メンバー約70名による非営利組織「After J-SOX研究会」が26日発足、伊藤忠テクノソリューションズ本社で第1回研究会を開いた。企業の連結経営などに詳しい立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科の田尾啓一教授が座長となり、J-SOX対応で構築した内部統制の基盤を、連結経営やERM(エンタープライズ・リスク・マネジメント)に進化させるための研究や普及活動を行う。

アビームコンサルティングやSAPジャパン、日本オラクルなど7社のメンバーが発起人となり、計26社から会員が集まった。また、学術界からは田尾教授が座長となったほか、日本価値創造ERM学会の会長で明治大学大学院グローバル・ビジネス研究科の刈屋武昭教授が顧問となり、産学共同の研究会となった。

第1回研究会では、発起人から「規制対応のための後ろ向きの活動とは一線を画し、日本企業のグローバルかつダイナミックな発展に資する改革・改善運動の潮流を創ることを目的とする」という設立趣旨の説明があった。同研究会では、上場企業においてJ-SOX対応が必要となる連結子会社を含めた内部統制基盤を連結経営に生かす方法や、マイナスのリスクだけでなくビジネスチャンスなどプラスのリスクコントロールも行うことを目的とするERMについて、企業価値向上という視点から研究を行う。

同研究会では今後、月1回の研究会と適時開催する運営委員会を通し、考え方・用語の統一を図った上で概念の共有とソリューションの研究を行い、その成果を会員が所属する企業を通して広く普及させ、日本企業の国際競争力の向上に寄与したいとしている。