IPAは20日、SEC(ソフトウェアエンジニアリングセンター)の設立三周年を記念した成果報告会を開催。この3年間の活動成果と、その活動成果を効率的に活用している企業/団体を表彰する「ソフトウェアエンジニアリングベストプラクティス賞」の受賞企業/団体を発表した。

SECが設立されたのは2004年10月のこと。「高度なソフトウェアエンジニアリングの研究・普及を通じたソフトウェアのQCD向上」というミッションが与えられ、「産官学連携の要」という役割を期待された。そうした指針の下に活動を続けてきた結果、現在は、129社、24大学、および官公庁から合計369名のメンバーが参加。SECのメンバー48名とともに定期的に議論の場を設け、研究を重ねている。

こうした活動の成果は、年間を通して継続的に公開されてきた。エンタープライズ/組込みソフトウェアの両分野において、多くの開発ノウハウを文書化したほか、書籍の刊行も行っている。加えて、「ソフトウェア開発プロジェクト可視化ツール(EPMツール)」「定量データに基づくプロジェクト診断ツール」「組込みコーディング作法ガイド準拠テストスウィーツ」の3種類のツールを開発。こちらもSECのWebサイトからダウンロードが可能だ。さらにSECでは、こうした成果物に対する実証実験も進めており、これまで95のプロジェクトで実際に適用し、その結果も公開している。

今後は、これまでの活動に引き続き取り組みつつ、現場への導入/普及や、世界に向けた発信などにも力を入れていくという。

また、SECはこうした活動成果の発表に併せて、SECの成果を事業活動に取り入れた企業/団体の中から、特に高い効果を得ている8企業/団体を選定。「ソフトウェアエンジニアリングベストプラクティス賞」というかたちで表彰することを明らかにした。

受賞企業/団体は以下のとおり。

  • グローリー
  • JMAAB(Japan MATLAB Automotive Advisory Board)MBDエンジニア育成ワーキンググループ
  • 東海大学
  • トヨタ自動車
  • 財団法人にいがた産業創造機構
  • 日本ユニシス
  • 日立製作所
  • 定量データ提供企業グループ(20社)

表彰式は11月28日にウェスティンホテル東京で開催されるイベント「SEC 設立三周年成果報告会 ~Software Engineering Best Practice Day~」で行われる。参加費は無料。当日は、多くの招待講演、事例報告会も行われるので、興味のある方はSECのWebサイトでログインのうえ、申し込みを行ってほしい。