2日(米国時間)、The Yahoo User Interface Library(YUI)のブログにおいて"Challenges of Interface Design for Mobile Devices"というタイトルの下、モバイルデバイス向けのインタフェースデザインに関する文書が公開された。同文書では、モバイルデバイス向けのインタフェースを設計するにあたって最も重要なコンセプトは「コンテキスト」だとし、電子メールクライアントのデザインやWebブラウザ向けのデザイン比較を例に挙げて、モバイルデバイス向けのインタフェース設計について要点をまとめている。

モバイルデバイスにおいては、特定の要求に対して簡単で高速な方法が要求される。要求を満たすための基本的なスタンスは一般的な方法で機能を最適化すること、機能は一気に表示しないでアクションに応じて順次表示すること、インタラクションを促したい場合は大きなボタンを使う方法が有益であることなどを指摘している。

またPCで使うWebブラウザにおけるWebサイトのデザインとの比較を取り上げ、小さいモニタでも表示できるデザインを検討すること、モバイルデバイスごとに入力デバイスが異なるためカーソルを使うことを前提にして設計しないこと、通信速度や処理性能が劣っていることを考慮してデザインを検討する必要があることなども指摘している。

結局のところ、インタラクションの単純化とよく使われる操作方法を採用するという2つの戦略が、操作方法としてはそれほど格好良くないものの、だいたいにおいて効果的なテクニックであると述べられている。単純化されたインタラクションは通信データの削減にも寄与する。とくに興味深いのはUIの説明にiPhoneを引き合いに出していることだ。同文書からはiPhoneのデザインが理にかなったものであることがわかる。

日本ではiPhoneは販売されていないため、ガジェットを入手してデザインを調査するのは難易度が高いが、iPod touchで似たインタフェースが採用されている。iPod touchの入手も難しい状況にあるが、モバイル向けインタフェースの調査には優れたガジェットといえそうだ。