Ext JS, The Ext teamは9月28日(米国時間)、開発版Extの最新版となる「Ext 2.0 Alpha」を公開した。ExtはJavaScriptで開発されたWebアプリケーションフレームワーク。ほかのフレームワークに依存せずにスタンドアロンで提供されているフレームワークで、さらに軽量で高い拡張を保持しつつも、デスクトップエクスペリエンスとかなり近い動作を実現しているという特徴がある。優れたディテールを実現したUIとその滑らかな動作が興味深いプロダクトだ。

Ext 2.0 AlphaはExt 2.0へ向けた最初のパブリックリリースとなる。既報のとおり、新機能としてスクロールタブ、カラムグループ機能やグループにおけるサマリロールアップ機能を実現したグリッドの導入、デスクトップアプリケーションで使われる便利なレイヤマネージャであるアンカーレイヤの導入、拡張されたツリービューの導入が行われている。

Ext 2.0 AlphaではすでにAPIドキュメントやサンプルが提供されている。サンプルで新しく注目されるのはiGoogleで使われているようなガジェットを実現するコンポーネントが追加された点にある。Ext 2.0を使うことでiGoogleのようなページが簡単に作成できる。2.0へのマイグレーションガイドや2.0で導入された新しいコンポーネントモデルを活用するチュートリアルは現在作成中とされている。マイグレーションガイドと新しいチュートリアルは次期開発リリースとなるBeta 1で登場するとみられる。

Ext 2.0 Alpha API ドキュメント

Ext 2.0 Alpha サンプルアプリケーション

Ext 2.0 Alpha サンプルアプリケーション - ポートレットウィジェット

Extは拡張可能なフレームワークとなっているため、Ext自身のバージョンが向上し機能が追加される以上に、サードパーティやコミュニティから提供されるコンポーネントがExtを使った開発において重要になる。現在のところフォーラムを経由してテーマやプラグインが配布されているが、同配布効率を上げるために現在テーマおよびプラグインリポジトリが用意されており、現在よりもエクステンションの投稿や獲得が簡単になる見通しだ。

Ext 2.0 Alphaは依然として開発段階にあり、まだ初のパブリックリリースだが、すでにコードベースは安定しており、魅力的な機能を考えると採用へ向けた検討や開発を始めてもいい時期に来たように思える。JavaScriptを活用したAjaxアプリケーションの開発を検討している場合には、この最新版となるExt 2.0 Alphaを検討対象に加えてみてほしい。同フレームワークが提供しているUIやエクスペリエンスはかなり魅力的なものだ。