米Amazon.comは9月25日 (現地時間)、MP3形式でDRM(デジタル著作権管理)フリーの音楽をダウンロード販売する「Amazon MP3」のベータサービスを公開した。1曲0.89~0.99ドルに価格が抑えられており、オンライン音楽ストアでトップを独走するAppleのiTunes Storeにとって手強いライバルになりそうだ。
すでにAmazon MP3では、180,000以上のアーティストの200万曲以上をダウンロード購入できるようになっている。楽曲ファイルは256kbpsのMP3で、DRMが施されていないため同形式に対応しているパソコン、携帯型デジタル音楽プレーヤー、携帯電話で幅広く再生できる。またiTunesやWindows Media Playerなどを備えたパソコンからオーディオCDを作成することも可能だ。
Amazon MP3では購入前に約30秒の試聴が可能。購入にはAmazon.comの1-Clickショッピングを利用できる。アルバム単位で購入する場合は、ダウンロード管理ソフトの「Amazon MP3 Downloader」が必須となる。対応OSは、Windows XP/ VistaとMac OS X 10.4以降。Amazon MP3 Downloaderを利用すると、購入した楽曲が自動的にWindows Media PlayerまたはiTunesのライブラリに追加される。
価格は、ほとんどの楽曲が0.89~0.99ドルだ。Amazonによると、現在ダウンロード購入できる楽曲のおよそ半数に相当する100万曲以上が0.89ドルだという。アルバムは5.99~9.99ドル。トップ100のベストセラーは、一部を除いて基本的にシングルが0.89ドル、アルバムが8.99以下で販売されている。
AppleもiTunes Plusを通じてAAC形式のDRMフリーの楽曲を販売しているが、1曲1.29ドルで、セレクションが豊富とは言い難いのが現状。例えば9月25日に米国でリリースされたジョニ・ミッチェルの「Shine」の販売状況を比べると、iTunes StoreではDRMで保護されたAAC形式での販売のみで、1曲0.99ドル/ アルバム9.90ドル。Amazon MP3ではDRMフリーで、2曲が0.89ドル、8曲が0.99ドル/ アルバム8.99ドルとなっている。
Amazon.comは「100万以上のCDセレクションをAmazon MP3で補完することで、他の小売店よりも豊富なセレクションを提供できる」と説明している。今後Amazon MP3がDRMフリーのまま、どの程度まで販売曲数を増やしていけるかが注目されるところだ。