The Apache Geronimo Projectは22日(米国時間)、Apache Geronimoの最新版となる「Apache Geronimo 2.0.1」を公開した。Apache GeronimoはJavaで開発されたJava Enterprise Edition 5対応のアプリケーションサーバ。同アプリケーションサーバは2007年6月4日(米国時間)にはApache Geronimo 2.0-M6-rc1においてSun Compatibility Test Suite for Java Enterprise Edition 5.0の互換試験にすべて合格したことが発表されている。当初の予定から若干遅れたが、ついに今回、2.0の正式版がリリースされた。

Apache Geronimo 2.0.1には「Apache Axis2」「Apache CXF」という2つのJAX-WS Webサービス実装が含まれている。また、Webコンテナとして「Apache Tomcat」や「Jetty」に対応、Enterprise JavaBeans(EJB3)の実装系として「Apache OpenEJB」や「Apache OpenJPA」を採用している。Apache Geronimoは優れたFLOSSコンポーネントを組み合わせてサーバランタイムフレームワークとしての動作を提供していくことを目的として開発が進められてきており、Apache Geronimo 2.0.1のリリースでJava EE 5に対応したアプリケーションサーバとして一定の成果を実現したことになる。

Apache Geronimo 2.0.1ではいくつもの新しい機能が追加されているが、特に注目すべきは以下の3点にある。

  • 開発の単純化
  • 改善された診断機能
  • 柔軟なアセンブル機能

開発の単純化では、Java EE 5に対応したことが主な対応となる。改善された診断機能では、Webブラウザから確認できるクラスローダビューア機能や拡張されたロギング機能が実現された点が注目される。オンザフライで操作できるログやクラスローディングのトレースは性能改善や問題発見に効果的だ。また、もともとモジュール性が高いアプリケーションサーバであることから、コンポーネントの組み合わせが容易に実現できるという特徴もある。

FLOSSで開発されたJava EE 5対応のアプリケーションサーバを模索しているのであれば、今回リリースされたApache Geronimo 2.0.1はまず第一の検討候補といえる。エンタープライズクラスのWebアプリケーションシステム開発を検討している場合には調査の対象としたい。