サイボウズの連結子会社で、研究開発を専門に行うサイボウズ・ラボは8日、アクセスログ共有サービス「Pathtraq」を公開した。個人がネットを閲覧する際のアクセスログを共有するサービス。ユーザーの閲覧軌跡をもとにニュースやブログなど、特定のドメインにこだわらないサイト横断ランキング機能を提供する。また、任意のURLで検索したページや、サイトの簡易解析機能により、サイト訪問者の前後の行動履歴や、そのページへのアクセス数などを把握できる機能を持つ。
ネットユーザーにInternet Explorer、またはFirefoxの拡張機能をインストールしてもらい、アクセスログを送信してもらうことで、今まで把握が難しかった、実際のアクセス数に基づいた「世間で注目されている記事」や、「人気のある・製品・サービス」などの様々な情報を容易に入手することが可能になる。また、「サイトの比較」機能を利用することにより、知人のブログとアクセス数を比べたり、ライバル企業の商品サイトのアクセスを比較したりすることも可能だ。
さらに、アクセス数をもとにリンク元の重み付けを解析することで、スパムブログに惑わされることなく、重要なリンク元を見つけ出すこともできる。解析された情報は「Pathtraq」のサイト上で一般公開されるため、この情報を参考に、インターネットをより楽しんで利用することが可能だ。
現在のネットサービスは、Yahoo!のディレクトリサービスのように手動のものと、Googleのように自動化されたものと、大きく二つに分けることが可能だが、今回の「Pathtraq」は自動で収集されたアクセスログ情報を共有するサービスだ。
2005年8月に設立されたサイボウズ・ラボでは、今後1カ月間で1万人以上のユーザーに今回のサービスの拡張機能がインストールされることを目標としている。
なお、「Pathtraq」では、アクセスの統計情報のみを保存し、各ユーザーの行動を追跡するような行為は行わない方針で、アクセス元のIPアドレスは、スパマー対策のため暗号化されたURLとともに別途1時間、メモリー上に蓄積され、その後自動的に消去される。また、ユーザーがログ収集機能を一時的に停止することも可能だ。