中国のポータルサイト大手、TOM在線(TOMオンライン)がこのほど、長沙で中国国内メディア28社と契約し、「奥運報道強勢聯盟(五輪報道強者連盟)」の構築を発表した。TOM在線と報道連盟を結成したのは、北京、天津、河北、山東、雲南、福建など数省からの大手メディア。報道連盟は五輪に関する報道ソースを共有しつつ、より専門的、全面的、かつ多彩な五輪報道を展開していく。
TOM在線副総裁の蘇英※氏は、「北京五輪は民族にとり重要なイベントだが、メディアにとってはこの上ない発展機会。五輪を報道することは、1社だけでできることではない。当社は、世界でも影響力のある中国語スポーツポータルサイトとして、『協力第一、友誼第一』の原則に基づき、これまでになかった『28+1』という大規模な五輪報道協力体制を提案し、国内28社の主な既存メディアを誘うことができた」と、報道連盟の主旨や背景を明らかにした。
今回の報道連盟結成の1週間前、TOM在線は中国国内で強い影響力を持つ「湖南衛視(湖南衛星テレビ)」と戦略的協力関係を締結したばかりだった。双方はTOM在線上で「奥運網絡主播全国競選(五輪ネットワークアナウンサーの全国選抜)」を行っている。現在開催中のAFCアジアカップ2007と連動し、優勝者が「実戦演習」の形で、アジアカップの実況解説を担当することになっている。
五輪関連では、大手ポータルサイトの捜狐が2008年五輪のスポンサー企業に指定されている。また7月5日には、同じく大手ポータルサイトの騰迅網が五輪報道戦略を発表した。北京五輪報道を巡るメディア間競争は、今後ますます拍車がかかりそうな情勢である。
※は、王へんに「奇」。