中国の大手電器メーカー長虹電器がこのほど、米Microsoftが戦略的な投資者として自社の非公開株を1,500万株購入し、出資することを発表した。発表によると、長虹電器はMicrosoftと備忘録を交換、Microsoftが長虹の非公開株を一株6.27人民元の価格で総額9,405万元(約16億円)を長虹に出資、両者の間に戦略的パートナーシップが結ばれるという。デジタルメディア分野で、両社が長期的に協力していく意向を固めたものとみられる。

これにより、Microsoftの購入株数は長虹が計画している非公開株発行数の3.37%を占め、Microsoftが長虹の発行済み株数の1%弱を持つことになる。

両社はまず、「Media Galaxy」プロジェクトに取り組み、テレビやパソコン、インターネットを融合したデジタル製品を開発、生産及び販売を共同で行う。このプロジェクトは今回の長虹の非公開株による融資の戦略対象のひとつとして数えられている。Microsoftからの協力を得つつ、長虹は、戦略的にデジタル家電分野に重点投資していくものとみられる。市場は発表を概ね好意的にみており、発表当日の長虹の株価はストップ高となった。

一方のMicrosoftだが、近年、相次いでデジタル・チャイナ、浪潮国際、中軟国際、創智国際などの中国企業に戦略的な投資を行っている。長虹は実に7社目の投資先となる。

Microsoftのこれまでの投資先は、その多くがソフトウェア企業であったが、長虹は唯一の家電メーカー。Microsoftが目指すデジタルメディア分野について、とりわけ中国市場を開拓するために長虹が重要なパートナーとみなされた可能性が大きい。