独SAPは19日、携帯端末でSAPアプリケーションを利用するためのソリューション「xApps composite applications for mobile business」を強化したことを発表した。モバイル対応へのニーズは高まっており、業種別機能や、SOAに対応したソリューションを提供することで、ユーザーの生産性を向上し意思決定を促すという。

xApps composite applications for mobile businessはSAPが提供しているモバイル向けアプリケーション群。新たに小売業種向けとして「SAP Mobile In-Store Inventory Management」を加えた。小売店はモバイル端末で在庫を管理でき、顧客に正確な在庫情報を伝えられるという。

すでに提供している販売向けの「SAP xApp Mobile Sales」では、販促評価、カスタマーフィードバックへのアクセス機能を加えたほか、消費財向け販売の特化機能として販売報告、顧客プロフィール管理などを追加した。

出張先で修正などの技術サービスを行う保守スタッフ向けの資産管理「SAP xApp Mobile Asset Management(SAP xMAM)」では、地理情報システム(GIS)、RFIDなどの機能を追加、出張先までの適切なルートを把握でき、作業に費やした時間を正確に追跡することで、顧客サービスを効率化できるという。また、配達スタッフ向けの「SAP xApp Mobile Direct Store Delivery(SAP xMDSD)」では、支払い処理と在庫管理の2つの機能が加えられた。

SAPではモバイルでも業種別機能を提供する戦略で、2008年にはフィールドサービス向けの「SAP xApp Mobile Service」をリリースする予定だ。

また、SAPは併せて、「SAP NetWeaver Mobile」の新版も発表した。SAP NetWeaver Mobileは、モバイルソリューションの土台となるインフラ技術。今回の最新版は再設計しなおしたもので、SOA対応を強化した。これにより、カスタムアプリを容易に構築できるという。この最新版は、今年11月に一部の顧客に向けて提供を開始する。

SAPによると、同社のモバイル向けソリューションはすでに850社以上で利用されているという。