Tobie Langel氏は19日(米国時間)、Prototypeの最新版となる「Prototype 1.5.1.1」を公開した。PrototypeはJavaScriptで実装された軽量なAjaxフレームワーク。代表的なAjaxフレームワークの1つに数えられ、現在人気があるフレームワークの中にはPrototypeで実現されたテクニックを取り込んでいるものも少なくない。
1.5.1.1はバグフィックスリリース。Safari 2.0.xおよび1.3で閲覧した場合に発生するクラッシュ問題を解決するもの。同氏はPrototype 1.5.1を使っているすべてのユーザに対して同1.5.1.1へのアップグレードを強く薦めている。
修正される以前のPrototypeには、Safariの正規表現エンジンにおける処理に問題があり、scriptタグを含んだHTMLの要素の更新処理や、組み込みのセキュリティチェックとともにJSON関連機能を使った場合にSafariがクラッシュするという現象が発生していた。これら問題が発生するのはSafari 2.0.4/1.3で、現在公開されている3βでは発生していない。
Langel氏ではパフォーマンスの低下や互換性の欠如が発生しないように考慮しつつ、修正を実施したとしている。このため、1.5.1.1は1.5.1に対する置き換えとして位置づけられており、1.5.1を使っているすべてのユーザに対して強く更新が薦められている。
Prototypeは2007年1月18日(米国時間)にメジャーアップグレードとなる「Prototype 1.5」を公開。同フレームワークはThe MIT Licenseのもとで公開されているオープンソースソフトウェアで、ライブラリの扱いやすさやドキュメントの充実、歴史の長さなどから根強い人気を誇っている。同フレームワークを参考にして開発された後発のフレームワームの方が優れているとみる向きもあるが、すでに多くのプロジェクトで採用されているという実績がある。