企業向けソリューションを対象にした米Symantecの年次パートナー会議「Symantec Vision 2007」が6月12日(現地時間)、米ネバダ州ラスベガス市内のホテルで始まった。米Veritas Softwareが2004年にSymantecに買収される以前から開催されていたVisionは、今年で10周年を迎える。またSymantecがビジネスを開始してから今年で25周年となる。1つのマイルストーンを迎えたVisionとSymantecだが、情報データの爆発的増加やセキュリティリスクの増大にともない、そのポジションにおける重要性が増している。「Confidence in a connected world.」をキャッチフレーズとした今年のVisionでは、どのようなビジョンが企業ユーザーに示されるのだろうか。
冒頭のキーノートスピーチを飾った米Symantec会長兼CEOのJohn Thompson氏は「今日の企業のITシステムにおいて、情報データは2年のサイクルで倍増するなど爆発的増加を見せている。これらが企業の持つストレージを圧迫し、どのように効率的にデータを扱うかという点でITマネージャを悩ませることになる。また同時に、増え続けるデータに対してどのようにセキュリティを確保するのか。これが企業の情報システムが現実に直面している問題だ。一部の企業ではChief Risk Officerと呼ばれるような、情報リスクマネジメントを専門とする責任者を設置しているほどだ」と述べ、今日の企業がITシステムで直面する課題について問題を提起した。
「Symantecはストレージ、セキュリティ、システム管理まで幅広い製品ポートフォリオを持ち、中小企業から大企業までさまざまな規模のシステムをカバーする。この分野のプロフェッショナルだ。今日、企業が直面する情報システム管理の複雑性やコスト負担を軽減し、こうした問題を解決していくのが、今回Symantecが示す新ビジョンだ」と述べ、Thompson氏が紹介したのが「Storage United」だ。
Storage Unitedでは、ヘテロジニアスな環境に散在するストレージを統合し、統合的に管理する仕組みを提供する。Symantecによれば、前述のように企業のITデータは年々爆発的に増加しているものの、ストレージの利用効率は30-35%程度にとどまっているという。ヘテロジニアスなプラットフォームや管理機構を統合し、重複データや分散しているデータなどの無駄を排除、効率的で安全なストレージシステム管理を提供するのが今回発表されたStorage United構想となる。
Storage United構想の詳細や関連製品のアップデートについては、今後Vision 2007の中で段階的に発表が行われていくことになると思われる。