Trolltechは30日(ノルウェー時間)、クロスプラットフォーム指向なGUIツールキットの最新版「Qt 4.3」をリリースした。移動端末向けにQtを最適化した「Qtopia Core 4.3」も同日リリース、ライセンスにGPLを採用したオープンソース版のソースコードは、同社Webサイト経由で提供される。
Qt 4.3では、新たに「QWindowsVistaStyle」クラスを実装、Windows Vistaへの対応を強化した。QWindowsVistaStyleクラスはMicrosoftが定める「Vista User Interface Guidelines」に準拠、半透明なコントロールやアニメーションなど、Vista風の外観を持つQtアプリケーションの開発を可能にする。「Qt Linguist」もVistaに正式対応、多言語環境もサポートされる。
ECMA 262準拠のJavaScript実装をベースとしたスクリプトエンジン「QtScript」も追加、C++で実装されたQtのクラスをJavaScriptから呼び出すアプリケーションの開発が可能となった。従来QtScriptはオプションのライブラリとして販売されてきたが、今後はオープンソース版にも同梱される。
OpenGL描画エンジンの「Qt OpenGL」にも改良が加えられ、3Dグラフィックスの描画速度と品質が向上。SVGのレンダリングを可能にする「QSvgGenerator」クラスも強化され、SVG Tiny 1.2準拠の描画機能を提供する。
Qt 4.3は、GPL準拠のオープンソース版と、30日の試用が可能な商用版の2系統が提供される。商用版を試用する場合は、住所氏名やメールアドレスなどの登録が必要。