日本オラクルは23日、同社のBIアプリケーション製品最新版である「Oracle Business Intelligence Applications V7.9.2(以下、Oracle BI Applications)」の提供を開始した。同製品は同社のCRMアプリケーション「Siebel」の分析機能「Siebel Analytics」を、CRM分野だけではなく基幹業務全般に適用範囲を拡大したもの。分析情報の一元管理、全社展開に耐えうるパフォーマンス、そして豊富なKPIテンプレートを備えた新製品でもって、国内BI市場におけるトップを狙う。

「Siebel Analytics」はCRM(顧客管理)に特化した分析機能をもつが、Oracle BI Applicationsではこれを営業支援、マーケティング、受発注管理、財務会計、人事など企業の基幹業務全般に適用範囲を拡大、戦略立案責任者など「ナレッジワーカー」と呼ばれる人々の必要/職責に応じた情報分析やレポート作成、ダッシュボード表示などを行う。

同製品では、業務/業種に応じたKPI(Key performance indicators)テンプレートが提供されている。このため、それぞれの業務におけるリアルタイムな分析結果をもとに、課題や改善点をすばやく見出し、意思決定のスピードアップを実現できる。また、SiebelやOracle Applicationsだけではなく、SAPなど他社製品のアプリケーションも分析対象としてデータを取り込み、それらを一元管理することが可能になっている。

日本オラクル 執行役員 アプリケーションマーケティング本部長の藤本寛氏は、欧米諸国に比べてサービス業の労働生産性が格段に低いとされている日本国内の実情を挙げた上で、「ただの数字の羅列である"データ"を、意味のある"情報"に変換することは非常に難しいが、BIアプリケーションでもってナレッジワーカーの"考える時間(ビジネスインサイト)"を増やすことが可能になり、PDCA(Plan, Do, Check, Action)を速く回転させることができる」とし、同製品による効率化=データ収集/統合にかかる時間の大幅な削減効果を強調する。

藤本氏は「OracleはすでにワールドワイドのBI市場(BI分析ツール、CRM分析アプリケーション、データウェアハウジングツール)ではナンバー1の座に就いている」と語る。新製品の投入をもって、6月からスタートする同社の新年度では国内BI市場でも「第1位」を狙っていく。

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