日本オラクルは2日、企業向け検索エンジンの新バージョンとして「Oracle Secure Enterprise Search 10g Release 1(10.1.8)」および対応コネクタを2日に出荷開始すると発表した。なお、販売は2月からすでに開始されている。

Oracle Secure Enterprise Searchは、企業内での情報共有と情報保護を両立する検索エンジンソフトウェア。一般的なWeb検索機能に加え、オフィスアプリケーションのデータファイルや業務アプリケーションのデータを検索対象とすることができ、さらに企業内のID管理システムと連携することでユーザーのアクセス権に対応した検索を実行できる。

日本オラクル株式会社 システム製品統括本部 営業推進部 担当シニアマネージャー 三原 茂氏

10.1.8では、標準で提供されるコネクタが13種以上追加されたのに加え、連携可能なID管理システムが、従来は「Oracle Internet Dirctory」に限定されていたのに対し、「Microsoft Active Directory」「Sun Java System Directory Server」「OpenLDAP」といったシステムの利用も可能になった。

説明を行った日本オラクルのシステム製品統括本部 営業推進部 担当シニアマネージャーの三原茂氏は、「各種調査では現在情報検索に費やされている時間は30%程度と言われているが、これを効率的な検索エンジンの導入で10%に圧縮できればその分の時間を営業活動等に充てることができ、企業力の向上に繋がる」と語った。

Oracle Secure Enterprise Searchとは

Oracle Secure Enterprise Searchの活用例

Oracle Secure Enterprise Searchの特徴


NTTコムウェア株式会社 エンタープライズ・ソリューション事業本部 山田哲夫氏

また、導入済みユーザー事例としてNTTコムウェアのエンタープライズ・ソリューション事業本部の山田哲夫氏が説明を行った。同氏は「トップ・マネジメントは本当に正しい情報を見ているか」と問題提起を行い、企業活動に関係する情報量が膨大になってきている現在、トップの行動として「見て見ぬふりをする」「すべてに目を通す努力をする」「他の人に整理させた結果を見る」といった3つの選択肢があることを示した。いずれも得失があるが、NTTコムウェアではトップがすべての情報を効率よく見るための支援ツールとしてOracle Secure Enterprise Search 10gを導入したという。

なお、今回追加されたコネクタにはMicrosoft Exchange/Sharepoint Portal ServerやIBM Lotus Notes/Dominoといったユーザーからの要望が多かったものが含まれている。従来でも、ユーザーが独自にコネクタを作成することで任意の業務アプリケーションに対応できる拡張性が備わっていたが、標準でコネクタが用意されたことで導入負担が軽減されている。

導入にあたっての方針

導入プロジェクトについて

システムの構成要素

Oracle Secure Enterprise Search 10g Release 1(10.1.8)の価格は、1プロセッサ当たり393万7,500円。ただし、データベースとは異なり、マルチコアプロセッサではコア数をプロセッサ数と見なすという。