BPMとRPAを連携して業務改善を目指そう!2つの違いや注意点も解説

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BPMとRPAは、連携して利用することでさらなる業務改善を可能とする組み合わせです。BPMとRPAそれぞれの役割を把握して、業務プロセス改善の中でうまく活用することで、相乗効果はさらに高まることが期待できます。

この記事ではBPMとRPAそれぞれの役割をおさらいした後、BPMとRPAを連携して使用することによるメリットについて解説します。また、実際に業務改善プロセスの中でどのようにBPMとRPAを使っていくか、という流れについてもまとめました。

自社の業務改善にBPMの導入を検討している場合は、RPAを連携する効果もあわせてご検討ください。

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RPAの役割はソフトウェアロボットによる作業の自動化

RPAとは「Robotic Process Automation」の略で、これまで人間が行ってきた作業をソフトウェアロボットの活用により自動化するという生産性向上の取組みです。ソフトウェアロボットとは、作業を自動化するソフトウェアのことで、ルールエンジンやAI、機械学習等を含む認知技術などを活用して作成されます。

RPAは、ルールに従って作業を自動化するため、あまり複雑な判断を必要とする業務には向きません。そのため、RPAは事務業務の中で定型化している業務やシステムの運用管理の自動化が得意です。

RPAで自動化した部分は、作業スピード自体が早くなるだけでなく、手作業による人的ミスの発生防止にもなります。RPAは作業の自動化だけでなく、間違った部分の調査や修正作業といった作業コストの削減にも貢献します。

BPMとRPAの違い

業務改善という意味では、BPMとRPAは同じ目標を持っていますが、業務改善をどのように実現するか、という点では違いがあります。

1 BPMで業務プロセス自体の継続的な改善

BPMは、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Actを継続すること)を回すことで継続的に業務改善を行い、業務プロセス全体の効率化を目指します。

BPMでは、現状の業務プロセスを図式化して効率化できる部分や共通化できる部分を洗い出し、組みなおした業務プロセスを実行。その後検証、さらなる改善を検討して業務プロセス設計をやり直します。

業務プロセスを見直す際は、現場で実際に仕事をしている人からの意見も取り入れ、最終的にもっとも効率の良い業務プロセスの実現を目指す、という仕組みです。

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2 RPAで定型業務を自動化

一方、RPAはあくまでも業務プロセスの中にあるひとつひとつの作業から定型業務を洗い出し、自動化していく取組みです。ただ、業務の流れ自体を改善するわけではないので、その業務自体が冗長かどうかの判断まではしません。

両者の違いを簡単にまとめると、BPMで業務プロセス全体の効率化をして、各業務の中で定型業務があればRPAで自動化する、という役割分担となります。

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BPMとRPAの連携によるメリット

BPMとRPAは組み合わせて利用すると業務改善に大きな相乗効果を発揮します。両者の連携によるメリットは次の3点です。

1 業務の作業者は人なのかロボットなのかを明確にできる

業務プロセス設計を行うことにより、業務の作業者は人なのかロボットなのかを把握できる点も、BPMとRPAの連携によるメリットです。

業務プロセス設計では、業務プロセスをモデル化する中で、その業務プロセスを構成する業務を明確にします。この過程で、その業務が手作業なのか、自動化しているかということもBPMN(モデリング表記)ではっきりと示されます。

2 RPAで自動化する範囲を検討しやすい

BPMでは、業務プロセスをモデル化して設計します。この過程で業務プロセスを構成する各業務の内容が明確になり、定型業務の切り出しがしやすい状態に。結果として、RPAで自動化する範囲を検討しやすくなるというメリットがあります。

3 継続的な改善の過程で自動化の範囲拡大を検討しやすい

BPMの大きな特徴は、「継続的に」業務プロセス改善を続けていくという点です。継続的な業務プロセス改善の中で業務の統廃合などを推進していくと、新たに自動化できる業務が出てくることもあり、業務自動化の範囲拡大を検討しやすくなります。

このように、BPMとRPAは、継続的な業務改善を進めるのにとても相性の良い組み合わせです。

BPMとRPAを組み合わせた業務改善プロセス

    BPM_RPA

BPMとRPAを組み合わせた業務改善プロセスを、PDCAサイクルに沿った形で考えてみましょう。

1 計画フェーズ

計画フェーズは、業務プロセスの設計を進めるフェーズです。新しくBPMを取り入れる場合は、現状の業務プロセスを分析して新しいモデル図を作成し、すでにモデル図がある場合は、前回の実行結果と改善点を取り入れてモデル図を変更します。

業務プロセス設計の中で、各業務のうち自動化できる部分はないかを検討します。各業務をモデル化するとインプットとアウトプットもはっきりするため、自動化できる部分の検討はモデル図ができた後に考えると効果的です。

2 実行フェーズ

業務プロセス設計が完了したら実行フェーズに移行します。BPMシステムの機能にシミュレーション機能があれば、業務プロセスを実際の業務に適用する前に、問題なく業務が流れるかをシミュレーションしておきましょう。

実行フェーズでは業務の実行結果がモニタリングされ、ログとして蓄積されます。初めて自動化した部分がうまく機能しているかどうかも、実行結果のモニタリングで記録され、後のフェーズで重要な情報となります。

3 確認フェーズ

新しい業務プロセスを適用した結果がどうだったかを確認するフェーズです。実行結果のモニタリングデータや分析機能によって、期待した業務改善効果が得られたのかを確認します。

4 改善フェーズ

改善フェーズでは、確認フェーズで整理した業務の実行結果を元に、課題や改善ポイントがないかを検討。改善案を作成して次の計画フェーズのインプットとします。

一部の作業のみをRPAで自動化すると、作業スピードが劇的に上がるため、他の業務との連携の中で、新たなボトルネック部分が見つかるかもしれません。また、各業務の担当者は自動化による効果や問題点を把握しているため、改善点のヒアリングでは自動化による影響を確認することも重要です。

改善フェーズで新たな改善案を作成したら、また計画フェーズで業務プロセス設計をして、新しい業務プロセスを検討します。

RPAを導入する際の注意点

高い作業改善効果が期待できるRPAですが、導入する際にはいくつか注意点もありますので、導入検討の際はこれらの点も確認しましょう。

1 自動化した業務のブラックボックス化に注意

業務を自動化してしばらく経過すると、往々にして処理内容がブラックボックス化します。何らかの影響でエラーが発生しても、最悪は誰も対応できないということも現場ではよく見られる光景です。

このような事態に陥らないよう、ソフトウェアロボットの仕様書とインプット・アウトプットの確認手段は明確化しましょう。BPMを導入していればモニタリング機能はあるので、問題が発生した場合はすぐに通知が上がるようにしておくことも重要です。

2 システム基盤のバージョンアップやシステム変更に注意

社内のシステム全体に影響を及ぼすような変更が入る場合は、自動化業務がもたらす影響の調査やテストも十分に行う必要があります。特に自動化業務が複数続いているような部分は、どの時点でエラーが発生しているかの切り分けがしやすい仕組みを整えておくことが必要です。

3 RPAの管理体制の構築が必要

RPAを導入する場合は、RPAの導入プロセスや影響のモニタリングを行う管理体制の構築も必要です。BPMの管理とRPAの管理は密接に結びつくので、両者を管理する体制を整えることも検討しましょう。

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RPA・BPMを活用した業務改善システムで働き方改革の実現も

RPAで業務改善を進めていくことで、業務プロセス全体の効率化は大きく進みます。BPMは継続的な業務プロセス改善を進めていくため、外部要因で業務プロセスを大きく見直す必要が出てきても、柔軟に対応できるという点も大きな特徴です。

現在、少子高齢化などの影響で労働者人口が少なくなってきており、労働者1人あたりの負担は大きくなっています。RPA・BPMを活用した業務改善システムが働き方改革の切り札として注目されている理由は、業務にかかる作業時間の大幅な削減が可能なためです。

定型業務は可能な限り自動化して、本当に人が対応しなければならない業務に労働力を割り当てたいというニーズは今後も増えるでしょう。人手不足対策の切り札として、RPAとBPMの利点を活用するメリットは大きいと言えます。

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