中小企業におすすめの勤怠管理システム6選|選ぶポイントも解説

勤怠管理

勤怠管理は、従業員の労働時間を把握するだけでなく、健康管理や給与計算も関係する重要な業務です。勤怠管理システムは、導入することで業務の効率化を図れます。勤怠管理システムというと大企業向けのイメージですが、近年では中小企業でも導入されるようになってきました。そこでこの記事では、中小企業におすすめの勤怠管理システム6選のご紹介、さらに中小企業向けの勤怠管理システムを選ぶポイントも解説します。

中小企業の勤怠管理システムとは

    勤怠管理

勤怠管理システムというと、大企業など多くの従業員がいるような会社で導入するもので、中小企業では必要ないと考えている方も多いのではないでしょうか。確かに中小企業のように従業員がそれほど多くない場合には、勤怠管理システムを導入しなくても管理自体は行えるでしょう。

しかしリソースが限られている中小企業こそ、勤怠管理システムを導入することで業務負担が軽減されるというメリットをより感じることができるとも考えられます。システムの導入はお金がかかるものなので、なかなか踏み出しずらいこともあるでしょう。しかし、勤怠管理業務が軽減されれば残業代のコストカットが出来る可能性もあります。また、空いた時間を新たな利益創出のために使うこともできるかもしれません。

このようなITツールの導入は、目先のコストだけで判断するのではなく、長期的な視野で見て判断することが大切です。

中小企業と大企業の勤怠管理の違い

勤怠管理システム導入時は、対象従業員規模を確認しましょう。また、導入コストも無料~10万円前後とさまざまです。 中小企業は「小売業50人以下」、「卸売業・サービス業100人以下」などと定められています。大企業に明確な定義はありませんが、中小企業の基準を超えるものとされています。自社に合ったものを選ぶことが、効率的な勤怠管理へと繋がります。

勤怠管理システムの
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中小企業の勤怠管理で気を付けるべき法律

中小企業で勤怠管理をするうえで気を付けなければならないのが、2018年(平成30年)7月6日公布の「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(以降は働き方改革関連法と呼びます)です。 この法律で定められている時間外労働の上限規制は、2019年(平成31年)4月から大企業に適用され、1年後の2020年(令和2年)4月からは中小企業にも適用されています。 時間外労働の上限は、原則として1ヶ月45時間まで、年間360時間までと決められており、何か特別の事情がなければこの時間を超えてはいけません。さらに、特別の事情があって、労使で合意している場合でも、以下の時間を超えることは禁じられています。

  • 年間720時間
  • 1ヶ月100時間
  • 2~6ヶ月で平均80時間
  • 1ヶ月45時間を超えることができるのは6ヶ月まで

法律に違反しているかどうかの判定は、「所定外労働時間」ではなく、「法定外労働時間」の超過時間で判断される点に要注意です。

 
所定外労働時間 就業規則に定められた労働時間を超えて働いた時間
法定外労働時間労働基準法に定められた法定労働時間(原則1日8時間・週40時間)を超えて働いた時間

なお、一部の業種・職種においては、時間外労働の上限の適用に一定期間の猶予または適用除外されるものもあります。

 
上限規制の適用を5年間猶予 建設事業・自動⾞運転の業務・医師・⿅児島県及び沖縄県における砂糖製造業
上限規制の適用除外新技術・新商品等の研究開発業務

これらの条件に違反した場合は、罰則として6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される恐れがあります。法律に違反しないようにするためには、従業員の時間外労働について、リアルタイムに正しく把握し、早めに上限を超えないようにする対策が必要です。

しかし、時間外労働の上限規制の管理を、手作業で行うのは非常に大変です。毎日確認するのは実質的に難しいでしょう。また、法改正が入るとその対応にもコストがかかります。勤怠管理システムを導入すると、時間外労働の自動計算や法改正対応はシステム側で吸収するため、労務管理を漏れなく・効率良く行えます。

厚⽣労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「時間外労働の上限規制わかりやすい解説」

中小企業におすすめの勤怠管理システム6選

シンプルな操作性が魅力「ジョブカン」
株式会社Donuts

POINT
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応
  • 提供形態:クラウド / SaaS / ASP
  • 初期費用:0円
  • 月額費用:200円 ~ 500円/1ユーザー
  • 主な機能:36協定支援,同日複数勤務,申請承認,シフト作成,給与計算連携,スマホ対応
  • 無料トライアル:あり
  • アプリ:あり

ジョブカン勤怠管理は、勤怠管理業務に必要な機能をシンプルな操作性で使うことができます。自動で打刻データや労働時間が集計され、深夜労働時間や残業時間などを個別に出力することが可能です。

また、スマートフォンなどのGPS機能を利用した打刻ができるため、訪問先の記録も残すことができます。従業員はPCやモバイルから休暇を簡単に申請でき、自分の申請結果もすぐに確認が可能です。


打刻場所を地図で確認できる「CLOUZA」
アマノビジネスソリューションズ株式会社

POINT
  • 対象従業員規模:~500名
  • 対象売上規模:全ての規模に対応
  • 提供形態:クラウド / SaaS / ASP
  • 初期費用:0円
  • 月額費用:200円/ユーザー
  • 主な機能:36協定支援,申請承認,シフト作成,給与計算連携,スマホ対応
  • 無料トライアル:あり
  • アプリ:あり

CLOUZAは、打刻や閲覧をスマートフォンなどで行うことができ、外出先やテレワーク時でも勤怠管理が可能なクラウド型の勤怠管理システムです。スマートデバイスなら位置情報の取得も可能で、打刻場所は管理画面から地図で確認することができます。

月額利用料は、その月の打刻人数×200円(税抜)となっており、少人数でも割高になりません。月額利用料200円の中にはサポート費用やサーバーメンテナンス費用なども全て含まれています。


シフト作成や予算配分がしやすい「タッチオンタイム」
株式会社デジジャパン

POINT
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応
  • 提供形態:クラウド / SaaS / ASP / サービス
  • 初期費用:0円
  • 月額費用:300円/1人
  • 主な機能:36協定支援,同日複数勤務,申請承認,シフト作成,給与計算連携,スマホ対応
  • 無料トライアル:あり
  • アプリ:なし

タッチオンタイムは、勤務シフトの作成や管理を数値入力やマウス操作によって簡単に行うことができます。シフトパターンを作成し、個人別、曜日別、月別でのシフト管理が可能なので、予定の人件費と実際の人件費を比較し、人件費予算を適切に配分するのに効果的です。

また、システム側に遅刻や残業の多さ、休暇取得回数などをあらかじめ登録することで自動的に警告を出すこともできます。


就業ルールに合わせた有給や残業設定が可能「KING OF TIME」
株式会社ヒューマンテクノロジーズ

POINT
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応
  • 提供形態:クラウド / SaaS / ASP
  • 初期費用:0円
  • 月額費用:300円 /1人
  • 主な機能:36協定支援,同日複数勤務,申請承認,シフト作成,給与計算連携,スマホ対応
  • 無料トライアル:あり
  • アプリ:あり

KING OF TIMEは打刻データをリアルタイムにブラウザ上で管理することができます。簡単で分かりやすい画面構成で、店舗やオフィス勤務だけでなく在宅勤務やテレワークでもスムーズに管理・集計することが可能です。

また、有給休暇や残業などの就業ルールに合わせた設定が可能で、管理者や拠点ごとに権限を付与したり、申請承認をオンラインでやり取りしたりすることもできます。さらに法改正にも対応した無償バージョンアップが可能です。


きめ細かな通知機能で管理の効率化「jinjer勤怠」
株式会社ネオキャリア

POINT
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応
  • 提供形態:クラウド
  • 初期費用:別途お問い合わせ
  • 月額費用:300円 /ユーザー
  • 主な機能:36協定支援,同日複数勤務,申請承認,シフト作成,給与計算連携,スマホ対応
  • 無料トライアル:あり
  • アプリ:あり

jinjer勤怠は管理側がいつでもどこでもスマートフォンで利用可能、モバイルのみで欠勤連絡を完結させることもできます。従業員がどんな端末からシフトを入力してもリアルタイムに管理画面に反映されるため、管理画面からスピーディーにシフトを管理することが可能です。

また、週・月の残業時間の超過や出退勤漏れなどの通知も可能で、アラートを飛ばすことで管理工数も削減できます。


残業警告機能で法的リスクを回避「e-就業OasiS」
株式会社ニッポンダイナミックシステムズ

POINT
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応
  • 提供形態:クラウド / ASP
  • 初期費用:別途お問い合わせ
  • 月額費用:別途お問い合わせ
  • 主な機能:36協定支援,申請承認,シフト作成,給与計算連携,スマホ対応
  • 無料トライアル:あり
  • アプリ:なし

e-就業OasiSは、ICカード打刻や手のひら静脈認証、PCログオン・ログオフ情報取得などに対応し、スマートフォンでいつでもどこでも勤務報告をすることができます。画面は表示する情報量が必要最小限に抑えられており、直感的に操作しやすくなっています。

また、有給休暇取得状況や残業時間などを一覧表示することができ、残業過多な従業員をリアルタイムに把握可能です。アラートやメールによる残業警告機能で長時間労働の抑止や法的リスクの回避も望めます。

中小企業の勤怠管理システムを選ぶポイント7選

上記で6製品をご紹介しましたが、製品ごとに価格や機能も異なるため、どれを選べば良いか分からないという方も多いのではないでしょうか。

そこでここからは、勤怠管理システムの主な種類と、中小企業で勤怠管理システムを選ぶ際のポイントをご紹介します。

勤怠管理システムの種類

勤怠管理システムの種類はさまざまで、主なものとして「オンプレミス型」と「クラウド型」があります。 オンプレミス型は、ソフトウェアと自社サーバーを使うタイプのシステムです。自社の勤務形態に合わせてカスタマイズでき、セキュリティ面が強いというメリットがあります。 クラウド型は、インターネット上で提供されるサービスを利用するシステムで、導入・運用コストが安価で、アップデートなどの対応が早い点が特徴です。

勤怠管理システムを選ぶポイント1:就業ルールに合うか

1つ目のポイントは、自社の就業ルールに合った勤怠管理システムを選ぶことです。 勤怠管理システムは、就業時間を設定することで時間外労働(残業)を簡単に把握できる仕組みになっています。

会社によっては、フレックスタイム制、月・年単位での変形労働時間制を採用しているところもあります。また、勤務時間帯で時給が異なるケースもあるでしょう。 このように、自社独自の就業ルールに対応可能なシステムかどうか確認する必要があります。

勤怠管理システムを選ぶポイント2:社員が使いやすいか

2つ目のポイントは、社員たち従業員が使いやすいかどうかです。操作が複雑なシステムだとミスが頻発します。その結果、修正作業に追われることになってしまいます。 「ICカードをかざすだけ」、「ボタン1つで打刻できる」など、誰もが簡単に操作できて分かりやすいものを選ぶと良いでしょう。

勤怠管理システムを選ぶポイント3:自社に合う機能か

3つ目のポイントは、自社に合う機能かどうかです。 勤怠管理システムには多くの機能があります。例えば、労働時間の超過や、有給休暇の取得率が低い場合には、従業員に知らせる「アラート機能」が便利です。ほかにも、スケジュール管理や休暇申請など、勤怠に付随する機能があります。せっかく導入しても機能が足りなかったり、不要な機能ばかりだったりすると適切な運用に至りません。自社にあったものを選ぶようにしましょう。

勤怠管理システムを選ぶポイント4:サポート体制はどうか

4つ目のポイントは、サポート体制が充実しているかどうかです。導入時や運用後に丁寧なサポートが受けられれば、安心してシステムを利用できます。 システムのアップデートがスムーズなことも大切です。勤怠管理には、労働基準法や36協定をはじめとしたさまざまな法令が関係します。法が改正されたときに、迅速に対応してもらえるシステムを選ぶようにしましょう。 サポートが有料の場合は別途コストが発生するため、確認が必要です。

労働基準法

勤怠管理システムを選ぶポイント5:他ソフトとの連携ができるか

5つ目のポイントは、他ソフトとの連携が可能かどうかです。 例えば、従業員の住所や氏名が変わった場合、人事労務ソフトと連携することでデータを共有することができます。また、給与計算ソフトと連携すれば、勤怠データから自動で給与を計算できます。 システムごとに入力する手間が省け、時間短縮や入力漏れ防止に役立ちます。自社で活用している人事管理等のシステムと連携できるかどうか、その方法について押さえておきましょう。

勤怠管理システムを選ぶポイント6:従業員増加・事業拡大の対応が可能であるか

6つ目のポイントは、従業員増加や事業拡大に対応可能かどうかです。 中小企業は市場拡大や新規事業参入などによって大企業へ成長する可能性があります。それに伴って従業員増加や海外進出、新たな就業ルールが制定された場合に対応できるシステム選びが重要です。 勤怠管理システムは、あらゆる規模の会社を対象としているものもあれば、中小企業向けなどに限定しているものもあるので、事前に確認しておきましょう。

勤怠管理システムを選ぶポイント7:お試し期間設定の有無

7つ目のポイントは、お試し期間の有無です。 操作性や使いやすさを知るには、実際にシステムを使ってみるのがベストです。システム選びに失敗すると、導入コストや手間が無駄になってしまいます。そこで、お試し期間のあるシステムがおすすめです。 30日程度無料で使えるものが多く、正式な製品と同様の機能を体験できます。自社にとって価値があるか否かを判断するための期間として、利用してみてはいかがでしょうか。

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勤怠管理システムのメリット6選

ここで、改めて勤怠管理システムのメリットを確認しておきましょう。

勤怠管理システムのメリット1:打刻が簡単にできる

1つ目のメリットは勤怠管理システムは、簡単に打刻することができる点です。打刻方法は、共用PCにIDパスワードを入力するもの、WEBブラウザを利用して自分のPCで打刻するもの、ICカードや指紋・顔認証によるものなど豊富な種類があります。アプリを利用することで、従業員のスマートフォンで打刻することもできます。テレワークや出張、営業などで社外にいることが多い場合に便利です。自社の就業ルールに合った方法を選べる点が魅力です。

勤怠管理システムのメリット2:計算・確認・修正が可能

2つ目のメリットは、労働時間の計算、確認や修正ができる点です。手書きやエクセルファイルで勤怠を管理している場合、就業時間内の労働時間や残業時間の計算が必要です。早退や半休などがあれば、計算は更に複雑になります。勤怠管理システムでは、打刻データが自動的に集計されるので効率的です。また、担当者による確認・修正作業も簡単です。

勤怠管理システムのメリット3:効率的な運用ができる

3つ目のメリットは、勤怠管理システムを他の人事管理ソフトと連携することで、効率的な運用ができる点です。代表的なものは、給与計算ソフトです。基本給や手当、保険料の控除などが絡むため、給与計算は非常に複雑です。しかし、システムを連携することで、勤怠データを基に自動的に計算されます。毎月発生する業務を正確かつスムーズに行うことができます。

勤怠管理システムのメリット4:セキュリティ性能が高い

4つ目のメリットは、勤怠管理システムはサーバーで厳重管理されるため、高いセキュリティ性能を誇る点です。オンプレミス型は自社サーバーを使用するので、自社の基準に合ったセキュリティレベルに設定できます。クラウド型も近年では、国際規格ISO27001に基づいた情報管理を行うシステムが増えています。また、PC故障時の対応、スマートフォン紛失時にリモートで機能制限・アクセス遮断を行うなど、トラブルへのサポートも万全です。

ISO/IEC 27001(情報セキュリティ)

勤怠管理システムのメリット5:リアルタイムで勤務状況を確認できる

5つ目のメリットは、勤怠管理システムは、リアルタイムで従業員の勤務状況を確認ができる点です。打刻データが即時集計されるため、月の途中でも確認・修正作業が可能です。労働時間や残業時間が自動的に計算されるため、労働時間が適正かどうかを常にチェックすることができます。超過労働でないか、休暇をとっているかなど、従業員の健康管理に役立ちます。

勤怠管理システムのメリット6:導入の際に初期費用がかからない

6つ目のメリットは、勤怠管理システムには、導入時に初期費用がかからない点です。勤怠管理を効率的にしたいけれど、なるべくコストは抑えたいという人も多いでしょう。クラウド型のシステムなら、従業員のスマートフォンから打刻できるので、専用のPCやタブレットを購入する必要がありません。初期費用0円と謳っている製品が数多くあります。

    勤怠管理

業務効率の良い勤怠管理システムを導入しよう

この記事では、中小企業の勤怠管理システムを選ぶ際のポイント、メリットをご紹介しました。いまや、勤怠管理システムはスムーズかつ適正な勤怠管理業務に欠かせない存在となっています。

導入を検討中の方、どれを選べば良いか悩んでいる企業の方は、ぜひ今回ご紹介したポイントやおすすめ製品を参考に、自社に合った勤怠管理システムを見つけてみてはいかがでしょうか。

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