オンラインゲームを楽しみたい方の中には、「ゲーミングPCが重くなるセキュリティソフトは入れたくない」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際にはゲーミングPCにもセキュリティソフトは必要です。
この記事では、そもそもゲーミングPCにウイルス対策やセキュリティソフトが必要なのか?という点について考察し、ゲームを邪魔しないセキュリティソフトの条件について解説します。
ゲーミングPCに最適なセキュリティソフトも厳選してご紹介しますので、セキュリティレベルを高めつつ快適にゲームを楽しみたい方は、ぜひ参考にしてください。
ゲーミングPCにウイルス対策は必要なのか?
まずは、そもそもゲーミングPCにウイルス対策やセキュリティソフトが必要なのか?という点を考察します。
TwitterなどのSNSやネット上の口コミを参考に、「不要」「必要」それぞれの意見をまとめてみました。
ゲーミングPCにウイルス対策は不要という意見
まずは、「ゲーミングPCにウイルス対策やセキュリティソフトは不要」という意見からご紹介します。
セキュリティソフトを入れるとゲームが重くなるから
ゲーマーにとって、PCの処理速度やレスポンスの速さは非常に重要です。
「セキュリティソフト=セキュリティレベルは上がるけどパソコンが重くなる」というイメージは根強く残っており、この点を憂慮してセキュリティソフトを入れないという選択をする方も多くいらっしゃるようです。
オンラインゲームはPCにかかる負荷も大きいため、余計な負荷は少しでも排除したいということですね。
無料のWindowsセキュリティで十分だから
WindowsのPCには、Windowsセキュリティ(旧Windows Defender)という無料のセキュリティソフトが標準装備されています。
「Windowsセキュリティはウイルス対策機能に優れているため、必要最低限のセキュリティ対策はWindowsセキュリティで十分」というのが、この意見の趣旨です。
確かに、現在のWindowsセキュリティの基本防護能力は非常に優秀で、セキュリティソフト不要論はゲーミングPCに限らず唱えられています。
ゲーミングPCにウイルス対策は必要という意見
続いて、「ゲーミングPCにウイルス対策やセキュリティソフトは必要」という意見をご紹介します。
セキュリティソフトが原因でPCのパフォーマンスが落ちることはほぼ無いから
セキュリティソフトを入れるとPCのリソースを消費するのは確かですが、「それが原因でゲームのパフォーマンスが落ちるほどの速度低下が起こることはない」という意見です。
実際、今のセキュリティソフトの性能は非常に向上しており、ひと昔前のようにセキュリティソフトが原因でPCの性能が落ちるというケースはほぼ見かけなくなりました。
ただし、以下のケースでは、セキュリティソフトが原因でPCのパフォーマンスは低下します。
- スキャンなど負荷の高い処理中
- PCのスペックが非常に低い場合
ゲーミングPCの場合は「PCのスペックが低い」には該当しませんので、注意すべきは「ゲーム中にスキャンなどの処理を実行しない」という点になるでしょう。
ゲームモードを搭載したセキュリティソフトが増えたから
前述した様に、今のセキュリティソフトはデフォルトの状態でかなり「軽く」なっています。
かつ、以下のような「ゲームモード」を備えたソフトも出てくるようになりました。
- サイレントモード
- ブースト機能
ゲーム中はこれらのゲームモードに切り替えることで、高いセキュリティレベルを維持しながら快適にゲームを楽しむことが可能です。
Windowsセキュリティだけでは防御機能に限界があるから
優秀なウイルス対策機能を有するWindowsセキュリティですが、弱点もあります。
それは、「有料のセキュリティソフトの様な+αのセキュリティ機能を備えていない」という点です。
例えば、以下のような機能はWindowsセキュリティには実装されていません。
- フィッシング詐欺ブロック機能
- DLファイルのマルウェア防止機能
- 個人情報保護機能
- ネットバンキング保護機能
国内で販売されたゲームだけを楽しむ場合はそこまでのリスクを想定する必要はありませんが、海外のゲームを楽しみたい場合は注意が必要。上記の機能を有したセキュリティソフトを導入しないと、かなりのリスクに晒されることになります。
具体的には、「海外サイトを閲覧する過程でフィッシング詐欺に遭ってしまう」「海外サイトからダウンロードしたMODデータやツールの中にマルウェアが仕込まれていた」などのリスクに遭遇しやすくなります。
また、ゲームの購入・課金時に入力したクレジットカード情報やパスワード情報が漏洩してしまうリスクも、見過ごせません。
こういったリスクからゲーミングPCや個人情報を守るためには、ウイルス対策+αのセキュリティ機能が充実したセキュリティソフトの導入が必要です。
セキュリティソフトの選び方|オンラインゲームを快適に楽しむために
ウイルス対策+αのセキュリティ機能を得るために導入したいセキュリティソフトですが、セキュリティソフトであればどれでもOKというわけではありません。
オンラインゲームなど高負荷のゲームを快適に楽しむためにも、以下のような機能を持つセキュリティソフトを選ぶようにしましょう。
- ゲームモード
- アプリブースト機能
ゲームモード
ゲームモードとは、ゲーム中や動画のストリーミング視聴中に、警告などの通知やバックグラウンドタスクを一時停止する機能のことです。
ソフトによっては、サイレントモードとも呼ばれています。
ゲームのウィンドウが全画面になると自動でゲームモードに切り替わるソフトも
ゲームモードが搭載されているセキュリティソフトのほとんどは、ゲームのウィンドウが全画面になると自動でゲームモードに切り替わります(ゲームモードがONの場合)。
ソフトによっては、ゲームモードへの切り替えを手動で行うことも可能です。
アプリブースト機能
アプリブースト機能とは、特定のアプリに対してCPUのパフォーマンスを優先的に割り当てる機能です。
これにより、ゲームアプリをより快適に利用できるようになり、他のアプリが原因でゲームの速度が低下してしまうといった事態を防止できます。
ゲーミングPCにおすすめのセキュリティソフト5選
それでは、ゲーミングPCに最適なおすすめセキュリティソフトを厳選してご紹介します。この記事でご紹介するセキュリティソフトは、以下の5製品です。
セキュリティソフトの種類 | ゲームモード | アプリブースト機能 |
ノートン 360 | 〇 | 〇 |
マカフィー リブセーフ | なし | 〇 |
ESET | 〇 | なし |
ウイルスバスター | 〇 | なし |
カスペルスキー | 〇 | なし |
ノートン 360|ゲーム速度を犠牲にせず保護を継続
ゲームモード | 〇 |
アプリブースト機能 | 〇 |
ノートン 360は、サイレントモード(ゲーミングモード)とクワイエットモード(アプリブースト機能)という2つの機能を搭載。ゲーム中に速度を犠牲にすることなく、デバイスの保護を継続します。
上記の機能以外にも、非常に多くのセキュリティ機能が標準装備されている点が、ノートン 360の大きな特徴です。
独自VPN、ダークウェブモニタリング機能、パスワードマネージャー、独自バックアップ機能など、今風のセキュリティソフトとして考えられる機能のほぼすべてをカバー。
その分、本体価格は高めなのですが、他のセキュリティソフトでは有料オプションとして用意されているような機能が標準装備されているわけですから、追加費用が不要な分むしろ「お得な価格」と言っても良いかもしれません。
基本防護能力も非常に優秀で、Windows セキュリティを超える水準を安定して発揮しています。
以下の記事では、ノートン 360の性能を実機で検証しています。併せてご確認ください。
マカフィー リブセーフ|アプリブースト機能あり
ゲームモード | なし |
アプリブースト機能 | 〇 |
マカフィー リブセーフにはゲームモードは搭載されていませんが、スキャンのスケジューリングは可能です。ゲーム中にスキャンが実行されないように設定することで、快適にゲームを楽しむことができるでしょう。
また、アプリブースト機能も搭載されています。
マカフィーの大きな特徴は、利用できるデバイスの数が無制限ということ。ゲーミングPCだけでなく、通常使用のPC、スマホなど、複数のデバイスすべてにインストールできるため、利用デバイス数が多いほどお得です。
家族のデバイスにも使用できますので、家族が多い方にもおすすめのセキュリティソフトです。
以下の記事では、マカフィー リブセーフの性能を実機で検証しています。併せてご確認ください。
ESET|軽さと安さに定評あり
ゲームモード | 〇 |
アプリブースト機能 | なし |
軽さと安さを両立させていることで人気のESETにも、ゲームモードが搭載されています。
ポップアップ通知、検出エンジンのアップデート、定期スキャンといったタスクを一時的に停止してCPUの負荷を下げつつ、保護機能はしっかりとバックグラウンドで機能。
3年5台版の価格も9,000円(税込)と安いため、できるだけ低価格で軽いセキュリティソフトを探している方におすすめです。
以下の記事では、ESETの性能を実機で検証しています。併せてご確認ください。
ウイルスバスター|サイレントモードあり
ゲームモード | 〇 |
アプリブースト機能 | なし |
日本製のセキュリティソフトであるウイルスバスターには、サイレントモードが搭載されています。この機能を有効にすれば、緊急でない通知や指定したプログラムを停止して、ゲームに集中できる環境の構築が可能です。
また、ウイルスバスターにはシステムチューナーと呼ばれる機能も搭載されており、PCの設定を最適化して不要なファイルを削除することで、パフォーマンスの向上も期待できます。
日本国内の専門家チームを結成し、日本特有のネット詐欺に対してつねに情報を収集・対策している点も、安心できるポイントです。
以下の記事では、ウイルスバスターの性能を実機で検証しています。併せてご確認ください。
カスペルスキー|ゲームモードあり
ゲームモード | 〇 |
アプリブースト機能 | なし |
カスペルスキーにはゲーミングモードが搭載されており、有効にしておくと全画面モードにした際に自動でこのモードに切り替わります。
高い防護性能と誤検出の少なさを両立している点も、カスペルスキーの大きな特徴。ネットワークゲームなどのアンチチートプログラムは内部で非常に「怪しい」動きをしますが、それらをウイルスと誤認識することもありません。
設定画面のUIはやや玄人向けではありますが、細かい部分まで自分好みの設定が可能なため、繊細な設定が必要な方におすすめです。
以下の記事では、ウイルスバスターの性能を実機で検証しています。併せてご確認ください。
まとめ
「ゲーミングPCにセキュリティソフトは不要」という意見もありますが、ウイルス対策以外の+αのセキュリティ対策をするためには、セキュリティソフトは欠かせません。
近年のセキュリティソフトは総じて動作が「軽く」なっているためゲームに影響を与える心配は少ないですし、ゲーミングモードやアプリブースト機能といったゲーム向けの機能を搭載したセキュリティソフトも増えています。
ぜひ、ご自身の環境にマッチしたソフトを導入し、様々なリスクから愛用のゲーミングPCを守ってください。
この記事でご紹介したセキュリティソフト一覧
セキュリティソフトの種類 | ゲームモード | アプリブースト機能 |
ノートン 360 | 〇 | 〇 |
マカフィー リブセーフ | なし | 〇 |
ESET | 〇 | なし |
ウイルスバスター | 〇 | なし |
カスペルスキー | 〇 | なし |