低金利時代が続き、日々の貯蓄だけでは将来の備えが足りなくなるといわれる近年、資産運用として不動産投資を検討したいという方も多いのではないでしょうか?金利狙いで貯金しても大きく資産が増えることは難しいですが、不動産投資なら将来への投資をしっかり行うことができます。
そこで本記事では、将来のために「不動産投資を始めたい!」という初心者の方に向け、不動産投資の入門知識やメリット・デメリットを解説します。また、不動産投資におすすめな物件についても紹介するので、ぜひ投資を検討する際の参考にしてみてください。
不動産投資入門者のための基礎知識
堅実に資産運用を進めるためにも、まずは不動産投資の基礎知識について学んでいきましょう。一言に不動産投資といっても、投資手法やどの不動産物件を選ぶかによって、方針が大きく変わります。それぞれの特徴を知った上で、どのような手法の不動産投資をしていくのか検討してみてください。
そもそも不動産投資とは
前提としてそもそも不動産投資とは、利益のために不動産事業に参入することを指します。投資の中でも、比較的初期投資が必要になる分、利回りも高い傾向にあることが特徴です。
そのため、不動産投資では大多数が不動産投資ローンを組むケースが多く、金融機関によってさまざまな種類のローンがあります。資金にプラスしてローンを利用することができれば、規模が大きめの不動産投資をすることも可能でしょう。
また不動産投資では手法が2通りあり、利益の出し方が異なります。
不動産投資に必要な銀行からの融資については、以下の記事がおすすめです。
https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/8244
https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/11937
不動産投資には2つの投資手法がある
不動産投資の手法は、インカムゲイン方式とキャピタルゲイン方式の2通りあります。よくある賃貸として利益を得る方法と、不動産商品の取引で利益を得る方法です。それぞれを詳しく見ていきましょう。
インカムゲイン方式とは
不動産経営でいうインカムゲイン方式とは、購入した不動産を住居を求める入居希望者に貸し出して、家賃収入を得る方法です。そもそもインカムゲインは投資用語で「安定的に継続して得られる利益」という意味を指します。そのためこの場合でのインカムゲイン方式でも、安定的に利益を継続しやすいという特徴があります。
また、この方式では不動産投資ローンを組んで物件を購入したあとに、家賃収入でローンを返済していくパターンが多いです。さらに不動産の持ち主は大家という立場になり、運営自体は賃貸経営専門の管理会社へ委託することになるため、初動以外は手間が少ないという特徴があります。
そのため、本業をしながら副業として不動産経営をする方も多く、実際に両立することも不可能ではありません。両立可能で安定的であるという面からも、不動産投資では最も多く取られる手法です。
キャピタルゲイン方式とは
キャピタルゲイン方式とは、購入した不動産を買値より高い売値で売却することで、差額分で利益を得る方法です。キャピタルゲインは投資用語で「所有している資産を売却して利益を得る」という意味があります。そのため、この方式では売値が買値との差が大きくなるほど利益が高くなるという点が特徴です。
しかし、家賃収入で少しずつ長期的に利益を得るインカムゲイン方式に比べ、キャピタルゲイン方式では一度に取引する額も大きく、ハイリスク・ハイリターンともいわれる側面があります。とはいえ不動産自体を一気に投資するため、一度に得られる利益が大きいことは魅力的な手法といえるでしょう。
不動産投資物件の種類
不動産投資で扱われる物件には以下のように種類があります。
- 住宅(アパート・マンション・一軒家)
- オフィスビル
- 事務所
- 倉庫
- 商業施設
- テナント
- ホテル
不動産投資といっても住宅だけではなく、オフィスビルや店舗などさまざまな種類があります。そのため、経営にはそれぞれさらに詳しい専門知識を備えることが求められるでしょう。
また傾向としては、住宅が最も初期投資・運営形態共に初心者でも始めやすく、オフィスビルや商業施設、ホテルなどは投入金額が増えて、難易度が上がるといわれています。事務所やテナントも地域の開発環境や景気に左右されるため、初心者には経営が難しい傾向にあります。そのことからも、不動産投資の初心者は住宅から始めるのがおすすめです。
不動産投資のメリット
不動産投資を始めるメリットは、大きく分けて以下の4つあります。
- 老後の生活に備えることができる
- 節税対策になる
- 生命保険の代わりになる
- インフレに強い
老後の生活に備えることができることはもちろん、税金対策や資産の安定化、保険に加入できる点などメリットが多くあります。ただお金を貯蓄するよりも、より資産を増やしつつ安心材料を増やせることが不動産投資の魅力です。
ここからはそれぞれのメリットを詳しく解説していきます。
老後の生活に備えることができる
不動産投資のメリットとして最初に挙げられることは、老後の生活の備えになるという点でしょう。例えば、インカムゲイン方式で、家賃収入を長期的に安定して得ることができれば、定年後はもちろん高齢になって働けなくなったときの資金源にもなります。働かずに収入が入ってくるということは、想像以上に老後の強い味方になるはずです。
また、現在の日本の年金は、老後の生活を支えることが難しくなりつつあることからも、年金にプラスして生活の資金源になる点もメリットといえるでしょう。
節税対策になる
不動産投資をすることで所得税や住民税、相続税を抑えることができることから、節税対策としてもメリットが大きいです。
特に不動産経営の場合は減価償却によって現金収支が黒字でも、所得部分は赤字にすることが可能なため、所得税やそれにつながる住民税を節税できます。さらに特例や控除を利用すれば、より効果的に対策を講じることも可能です。
また相続を控えている方は、土地や現金だけ相続するよりも物件で受け継ぐことで土地の評価額が下がるため、相続税が軽減される効果もあります。それぞれの面でも節税対策ができることは、資産を保護するために有効な手段といえるでしょう。
生命保険の代わりになる
不動産投資を始める場合は、ほとんどの場合でローンを組みますが、その際には団体信用保険に加入することになります。じつは、この融資の際に加入する団体信用保険は、生命保険代わりになるのです。もしローン返済中に死亡してしまっても、ローンの返済は全額免除となるため親族への負担を軽減できます。
またローンで購入した不動産物件も、遺産として活用できるようになることも大きなメリットといえるでしょう。
インフレに強い
そもそも不動産はインフレに強い資産のため、現金などと比べて価値がほぼ目減りすることがない点も大きなメリットです。そもそも現金の場合は、景気などに左右される可能性がリスクとしてありますが、不動産の場合は現物資産となるため、物価と共に変動して価値が減ることはほぼありません。
インフレに強くいざというときに資産価値を守れる点は、資産形成する上で安心材料になるでしょう。
不動産投資が抱えるリスク
多くのメリットがある一方、不動産投資にはリスクがあることも認識しておかなければなりません。具体的には以下の4つのリスクが挙げられます。
- 空室による無収入
- ローン金利の上昇
- 自然災害の発生
- 流動性が低い
不動産投資では、例えばインカムゲイン方式でも入居者がいてこそ利益につながります。賃貸経営を始めても、空室が続けば収入を得ることはできません。さらにもし入居者がいて利益が望めても、ローン金利の上昇や自然災害などの外因的な要素で影響を受ければ、経営が厳しくなる可能性があります。
投資ではこういったリスクをあらかじめ把握し、備えておくことも大切です。ここからはそのリスクをしっかりと確認していきましょう。
空室による無収入
不動産投資の最大のリスクは空室によって無収入になることです。主にインカムゲイン方式による不動産投資では、家賃収入が全てとなるため、空室が続くと利益はゼロということになります。
さらに不動産経営の大半ではローンを利用しているため、無収入な上にローンの支払いのみがかさむ恐れもあるでしょう。その場合は資産を切り崩して、ローン返済に追われることになってしまいます。
しかし、不動産投資の一面として、空室リスクをなくすことはできないため、なるべく空室を作りにくくしたり空室期間を短くしたりする工夫を講じることが大切です。例えば、立地条件が良い場所にこだわったり設備の充実度を高くしたりすることで、入居者が絶えない不動産にすることも不可能ではありません。
ローン金利の上昇
不動産投資ではローンとの関係が深いため、ローン金利の上昇によるリスクは少なからずあることもリスクです。固定金利はこの限りではありませんが、変動金利の場合は将来的に金利が上昇して、返済額に上乗せされる恐れがあります。月々の返済額が増えると直接利回りに関わるため、経営が難しくなる可能性も否定できません。
また、そもそも近年は低金利時代を継続し続けているため、下がる可能性よりも上がる可能性のほうが高いといえます。そのような現状からも、金利上昇のリスクが付いて回ることについては、念頭に置いておくべきでしょう。
自然災害の発生
不動産の場合は、現物であるからこそ自然災害によるリスクも懸念の一つです。地震や台風といった災害で破損したり、最悪の場合は倒壊したりするなどの可能性も少なからずあります。そのため、あらかじめ認識した上でリスクに備えることが重要です。具体的には以下のような対策が有効とされます。
- 不動産選びではハザードマップを確認して、危険が少ない土地を選ぶ
- 新耐震基準を満たす震度6~7を耐えられる構造物件を選ぶ
- その土地に合わせた災害対策を行っている物件を選ぶ
- 地震保険・火災保険に加入する
土地選びや物件選びを慎重に行い、さらに保険に加入することで災害へのリスクに備えることが可能です。近年のように災害が多くなっている中で不動産経営をするためには、これら一つ一つが大切な策になるといえるでしょう。
流動性が低い
不動産は株式などに比べると現金化するのに時間がかかるため、流動性が低い点もリスクといえます。例えば不動産を売却したくなった際に、売買取引する場合は売主と買主間で行うため、交渉で数カ月から1年程度かかる恐れもあります。さらに希望価格で売れるとも限らないため、その点も悩ましいポイントです。
しかし、相場をしっかり把握して適正価格を付けることができれば、売却は比較的早くできる可能性も十分にあります。そのため売り出し価格を設定する際は、しっかりと下調べすることが大切です。
不動産投資入門者におすすめな物件とは
不動産投資においては、物件選びも重要なポイントです。今回、特に不動産投資初心者におすすめな物件として挙げられるのは以下の3つです。
- 安く購入できる物件
- 賃貸需要の高い物件
- 単身者向けのワンルームマンション
上記のような投資物件なら、失敗した場合の損失を少なくしながら空室リスクにも備えることができます。ここからは、それぞれのおすすめなポイントについて詳しく見ていきましょう。
安く購入できる物件
最初におすすめなのは安く購入できる物件です。理由は単純で、安く購入できる物件は投資が失敗した場合の損失が少なく済むためです。
また全体の物件価格が安めなら、ローン額もそこまで大きくならないため、月々の返済額が減って手元に残る利益が多くなるでしょう。このように返済比率を低めに設定することも、安定して不動産経営するためには重要なポイントです。
具体的に安く購入しやすい物件は以下のようなタイプです。
種類 | 特徴 |
中古ワンルームマンション(区分マンション) |
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マンション不動産信託 |
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不動産投資用の物件の選び方については、以下の記事でも解説しているので合わせてご覧ください。
https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/6446
賃貸需要の高い物件
次におすすめなのは、賃貸で人気の間取りやエリアにある物件です。このような不動産物件は絶えず入居者が望める可能性が高いため、空室リスクに備えることができます。しかし需要がある間取りについてはエリアによって異なるので、その点を考慮して選ぶ必要があります。
例えば大学やオフィスビルが近い場所ならワンルームマンション、ファミリー層が多い地域なら3LDK以上の物件といったように、エリアに合った物件選びをしましょう。
また、賃貸需要を狙う場合は新築物件もおすすめです。新築は入居者が付きやすくローンも組みやすいという面もあるため、投資初心者に向いています。
単身者向けのワンルームマンション
単身者向けのワンルームマンションも近年は需要が高いのでおすすめです。一般的に都心部では単身者世帯が増加傾向にあるのに対し、供給量が足りていないといわれているため、需要は多くあるといえます。
また、ワンルームマンションなら総体的な物件価格も安く、さらに投資額を絞りたい場合は一室からでも始められるので、手軽に始めやすいという特徴もあります。費用を抑えられるという点でも、初心者に向いている物件といえるでしょう。
ワンルームマンションの投資方法について詳しく知りたい方は、以下の記事もおすすめです。
https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/13919
不動産投資入門者向けのよくある質問
ここでは、不動産投資入門者の方によくある質問について回答していきます。不動産投資は大きな金額が動きリスクもあるので、なるべく疑問や不安は解消した上で始めることが大切です。
不動産投資に関する情報を得る方法は?
不動産投資に関する情報を得たい場合は、主に以下の方法を取ることがおすすめです。
- 不動産投資のサイト
- 不動産投資についてのセミナー
- 不動産投資の書籍
不動産投資においては、投資や経営など専門的要素が含まれるため、理解しやすく正しい媒体で情報収集することが大切です。例えば、まずは不動産投資サイトや書籍から始め、概要や用語についての知識を蓄えてから、セミナーでより詳しい内容を学ぶといった方法もおすすめです。
不動産投資はどんな人がやっている?
不動産投資を始める人は、年収500万円程度の30代後半のサラリーマンやOLが多いです。傾向として30代程度になると、定年後の備えのために資産運用をしたいと考える方が多いことが関係しています。会社員なら年収も安定している頃なので、資金源も形成しやすいでしょう。
30代からの不動産投資については、以下の記事で詳しく解説しているので合わせてご覧ください。
https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/9733
不動産投資の経験がなくても始めることはできる?
結論からいえば、不動産投資は経験がなくても始めることは可能です。不動産の賃貸経営などは管理会社に任せることができるため、経験の有無は問いません。また投資に関するノウハウがなくても、管理会社にはその点も含めて相談することができるため、最低限の知識さえあれば始めることができます。
もし何から始めるべきか迷ったら、まずは不動産投資専門の会社などに相談してみましょう。
まとめ
将来的な備えとして貯蓄することは堅実ですが、一定以上の効率を上げることが難しく、総体的に手元に残る資産に不安が出る恐れがあります。さらにある程度の資産を所有している場合は、所得税などによって資産が目減りする可能性も高いです。
その点、不動産投資はただ現金を貯金し続けるよりも、効率的に資産を増やすことができます。不動産を運用することで、なるべく資産を保持しながらも増やせることは、将来への有益な投資といえるでしょう。不動産投資を始めたいと思った方は、本記事で紹介した概要とおすすめ物件などの特徴を参考に、自身の資金状況と照らし合わせて検討してみてください。
また、より詳しい不動産投資の仕組みとおすすめの投資方法について知りたくなったら、以下の記事もおすすめです。
https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/6446
https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/6747
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