コロナ禍や不景気などにより、本業だけだと収入に不安を覚える方も多くいるのではないでしょうか。その影響もあってか本業以外でも収入を得るために、副業を行うサラリーマンが増えています。その中でも、不動産投資は、サラリーマンの副業に向いているといえるでしょう。
副業といえばブログやIT系、動画編集、フードデリバリー等を考えるかと思いますが、そのような副業だと本業が終わったあとや休日に働くことになるため、体を壊したり疲れてしまったりすることが多いでしょう。その点、不動産投資は最初こそ物件を決めたり手続きをしたりと大変ですが、その後の運営や管理等を委託すれば、不労所得として家賃収入を手に入れることもできます。
不労所得が手に入ること以外にもさまざまなメリットがあります。よって本業以外にも副収入が欲しいというサラリーマンの方や、比較的労働をせずに副業を始めたいという方は、この記事を参考に不動産投資を始めてみませんか。
不動産投資を副業にするメリット
サラリーマンが不動産投資を副業にするメリットについて解説していきます。本業に集中しながら家賃収入を得られる他に、少額の資金で始められたり、税金を抑えたりすることができるなどメリットもあります。それらのメリットについて詳しく見ていきましょう。
管理の手間がかからない
管理会社に管理を委託すれば、時間も手間もかけずに不労所得として家賃収入を得ることができます。不動産投資では物件の管理や入居者からの家賃徴収、入居者の募集、クレームなどの全てを不動産会社に委託することで、時間をかけずに副業で収入が得られます。さらに本業への支障がないことから大変魅力的な投資方法です。
会社が副業を禁止する理由の一つとして、本業が疎かになってしまうからという意見もあります。しかし、不動産投資であれば本業に集中できるため、そのような問題がなくておすすめです。
少額の初期費用で始めることができる
投資用物件は金融機関のローンを利用して購入するため、手元に多額の資産がなくても投資を始めることができます。これは目安ですが頭金50万円の諸費80万円で、約130万円あれば不動産投資を始めることが可能です。
また、金融機関のローンの審査に通るためには社会的信用があることが重要ですが、フリーランスなどの方に比べるとサラリーマンは社会的信用が高いので、審査に通りやすいでしょう。
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生命保険の代わりにできる
家賃収入は、所有者が亡くなった場合の家族の収入として役立ちます。ローンが完済していれば、毎月入る家賃収入は家族が引き継げます。また完済していない場合でも、所有者が融資を受ける際に団体信用生命保険に加入しているため、所有者が亡くなった場合はローンが完済されるので残された家族は安心です。
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安定した収入を継続的に得ることができる
所有している物件に入居者がいる限りは家賃収入を得ることができ、ローンを完済したあとは家賃収入のほとんどが収益になることはメリットです。毎月多額の家賃収入が入ってくることから、不動産投資は資産形成に最適な投資だということが分かります。
税金を抑えることができる
不動産経営では減価償却が認められているため、課税される税金を抑えることが可能です。不動産投資の場合は収益すべてに対して課税されるわけではなく、固定資産税や修繕費などの必要経費を差し引いた額が課税されます。
老朽化によって資産価値が下がる減価償却費を計上でき、外部に委託すればそれらも経費として計上することができるので、税金を抑えることが可能です。また、帳簿上赤字となった場合は本業の収入と損益通算ができるため、給与所得に課税される住民税や所得税を節税することもできます。
不動産投資を副業にするデメリット
ここまでは不動産投資を副業にするメリットを紹介してきましたが、ここからは、知っておくべきデメリットについても解説していきます。
不動産投資では確定申告をしなければならなかったり、物件の購入やローン審査の時間がかかってしまったりと、大変なことも多いです。しっかりと現実と向き合い、本当に不動産投資をすべきなのかを再確認していきましょう。
確定申告が必要になる
不動産の管理は外部に委託することができますが、投資の収支管理や確定申告は自身で行わなければなりません。年間で副業によって得た所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。
確定申告はとても手間がかかるので、本業に支障が出てしまうことはデメリットです。損失が出ていないかや想定内の運用ができているかどうかを、確定申告の締め切り前にやろうとすると時間がかかってしまいます。よって余裕を持って行えるように、毎月確認する必要があるでしょう。運用実績が想定を下回っている場合は、その原因を分析して、投資の収支を改善するために何らかの対策をしなければなりません。
確定申告することで現状の収支がどのようになっているのかなど、細かなところまで把握することができるので、とても重要なことだといえます。
不動産投資のリスクに対応する必要がある
不動産投資にはさまざまなリスクが伴います。考えられるリスクを以下にまとめてみました。
- 空室リスク
- 陳腐化による家賃下落リスク
- 修繕費用
- 原状回復費用などの支出リスク
- 経年劣化によって価格が下落するリスク
- 災害リスク
- 金利上昇リスク
不動産投資では、このようなリスクを理解して対策を行ったり、損失が出たら早めに売却したりするなど、あらかじめ検討しておくことが重要です。
賃貸物件に対する空室対策について詳しく解説したこちらの記事もおすすめです。
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物件の売買に手間がかかる
不動産投資を始める際は、投資物件を選ぶための情報収集や内覧、周辺地域の調査、価格交渉、ローン審査など全てをこなす必要があります。これらの準備を本業と並行して進めることが難しい点はデメリットです。
また、売却する場合はすぐに買い手が見つかることは少ないので、売却までに数ヶ月かかることもあります。将来売却する可能性があることを頭に入れて、売却しやすい物件かどうかを見極めることも重要です。
サラリーマンが不動産投資を副業にすることで、本業以外の収入やさまざまな知識が得られますが、本業に支障が出るようであれば本末転倒になってしまいます。不動産売買の際にかかる手間も、あらかじめ理解した上で始めましょう。
管理のコストがかかる
家賃収入があるから安心と思っている方も多いのですが、物件はだんだんと老朽化していくものなので、必ず修繕費が必要になります。また、自然災害などで予想外に修理が必要になるケースもあります。常にどんなことが起きても修繕費が出せるように用意しておくことが大切です。
管理会社に委託する場合には、管理委託料もかかることも頭に入れておきましょう。
不動産投資の副業を成功させるには
不動産投資の副業を成功させるために重要なことは、本業に影響を及ぼさないようにすることです。また、物件を選ぶ際に高い物件を選んでしまうと、返済が難しくなってしまうケースもあります。無理のない範囲での物件購入とローンの返済計画を立てましょう。
本業に影響を及ぼさないようにする
集客や物件の管理は基本的に業者に委託しますが、不動産投資の規模が大きくなると本業に影響が出る恐れがあります。重要な手続きはなるべく休日に行えるようにしましょう。
またサラリーマンの方の場合は、勤務先の企業の就業規則等において副業を禁止していることがあります。サラリーマンの方が不動産投資を行う場合は、勤務先に前もって確認したほうがよいでしょう。
特に国家公務員の場合は、国家公務員法で営利企業との兼業が原則禁止されています。不動産賃貸業は、一定の条件の下、承認を受けた場合にのみ認められているので、事前に確認してから始めましょう。
手元に資金を確保しておく
不動産投資のリスクに備えるためには、手元に資金を確保して余裕のある経営をしていきましょう。資金が多ければ多いほど何かあったときにすぐに対応ができるため、不動産投資の成功率が高まります。
無理のない返済計画を立てる
ローンの返済額は家賃収入で相殺できるように運用し、家計への負担がないようにしましょう。不動産投資では、空室率をいかに下げるかが成功のポイントです。
物件購入の際に安すぎる物件を選んでしまうと、人気がなくて空室率が上がってしまいます。反対に、人気の物件を選べば空室率は下がりますが、その代わり毎月のローンの返済額が高くなってしまうことも考えられます。
物件選びのときは高すぎない価格の物件を購入し、いかに空室率を下がられるかが重要なポイントです。
不動産投資の副業にかかる税金一覧
不動産投資は、さまざまな種類の税金がかかります。種類が多く規定も細かいので、自分がどの税金を払うべきなのか理解しにくいかもしれません。ここでは、不動産投資の副業にかかる税金一覧を表でまとめてみました。
税目 | 内容 |
住民税 | 住民税はそれぞれの市区町村が所得税の確定申告をもとに税額を計算。税率は一律10% |
所得税 | 累進課税といい、所得が増えるにつれて段階的に5%から最大45%まで税率が上がる仕組み |
固定資産税 | 不動産を所有する人に対してかかる地方税で、課税標準額と呼ばれる評価額に対して1.4% |
都市計画税 | 市区町村の固定資産台帳に登録されている建物・土地の所有者に課せられる税金 |
個人事業税 | 地方税の一種で法定業種が対象。税率は5%で290万円を超えた分に課税される |
消費税 | 課税金額が1,000万円を超えた場合は消費税納税業者となり、3年間消費税を納税。オフィスなど事業を目的として購入した物件の家賃収入は課税される |
このように不動産投資では、さまざまな税金がかかることを事前に頭に入れておきましょう。下記でさらに詳しい内容を解説していきます。
不動産所得にかかる住民税と所得税
サラリーマンの副業の不動産所得で、確定申告が必要な場合はどのようなときでしょうか。
不動産所得が20万円以上の場合は翌年の3月15日までに確定申告を行い、住民税と所得税を納める必要があります。副業をしているからといって必ず確定申告が必要なわけではなく、不動産所得が20万円以下の場合は必要ありません。
ただし確定申告が不要なのは所得税だけで、住民税については確定申告が必要です。確定申告をしておくと、市区町村へ自動的に必要な情報が送られるので、副業での収入がある方は確定申告をしておくとよいでしょう。
課税対象になる不動産所得
不動産所得とは、賃料を含めた不動産総収入から必要経費を引いた金額のことです。ここでは家賃収入に含まれるものと、必要経費に含まれるものをまとめてみました。
家賃収入
- 礼金
- 更新料
- 管理費
- 駐車場
- 携帯電話などのアンテナ基地設置料金
- 自販機の設置による収入
支払われる家賃以外でも、これだけの収入が入ります。必要経費として支払う必要がある支出は以下の内容です。
必要経費
- 修繕費
- 管理委託費
- ローン金利
- 減価償却費
- 広告費
- 不動産取得税や固定資産税
これらの必要経費は、確定申告で経費として申告することで税金を抑えることができます。
不動産にかかる固定資産税と都市計画税
毎年1月1日時点で不動産を所有している人には、固定資産税と都市計画税がかかります。固定資産税は1.4%、都市計画税は0.3%ですが、住宅用地の特例により軽減される場合もあります。下記で詳しく見ていきましょう。
固定資産税
固定資産税は、不動産を所有する人に対してかかる地方税です。賦課課税方式で、役所が計算した額が記載された納税通知書を使って市町村に納税します。固定資産税を算出式は以下の通りです。
標準税率は1.4%ですが、所有する投資不動産の所在地によって税率が異なる場合があります。
都市計画税
都市計画税とは、市区町村の固定資産台帳に登録されている建物・土地の所有者に課せられる税金です。都市計画法の市街化区域内にある建物や土地のみが対象で、すべての不動産が課税対象になるわけではありません。自身が所持している不動産が都市計画税の課税対象かどうかは、自治体や不動産会社に確認しましょう。都市計画税の算出式は以下の通りです。
税率の上限は0.3%ですが、こちらも所在地によって税率が異なる場合があるので、必ず確認しましょう。
個人事業主にかかる個人事業税と消費税
家賃収入から経費を引いた課税金額が290万円を超える場合は、事業所のある都道府県に個人事業税を納める必要があります。税率は家賃収入の場合は5%で、家賃収入から経費を引いた課税金額が1,000万円を超える場合は、消費税も納税しなければなりません。
以下で詳しく解説していきます。
個人事業税
個人事業税は地方税の一種で法定業種が対象です。税率は5%で、不動産投資を行っている場合は、個人事業税が発生することがあります。個人事業税の額は以下の式で求めます。
事業主控除額が290万円なので、290万円を超えた分に課税されます。
消費税
消費税は、商品やサービスの消費に対して課せられる税金のことです。課税金額が1,000万円を超えた場合は消費税納税業者となり、3年間消費税を納税することになります。
この消費税は、不動産投資の場合は賃貸物件が居住用かどうかによって、課税対象になるかが変わります。オフィスや店舗など、事業を目的として購入した物件の家賃収入は課税対象です。しかし住居として住むことを目的とした通常の賃貸マンションや賃貸アパートの家賃収入は、非課税なのでご安心ください。
不動産投資の副業に関するO&A
最後に不動産投資の副業に関する疑問点を解消していきましょう。サラリーマンの方は気になるであろう副業禁止の場合の対策や、そもそも不動産投資は副業とみなされるのか、本業と両立していくためにはどのようにしたらよいのかなどを解説していきます。
副業禁止の会社の場合は?
公務員や一部の民間企業では副業が禁止されていますが、不動産投資は副業とみなされないこともあります。副業を始める前に会社の就業規則を確認しましょう。
副業が禁止されている会社の場合は、アルバイトなどの副業はできません。しかし、副業禁止であっても不動産投資については副業とみなされないことが多いです。なぜなら代々受け継がれている不動産投資などの場合は、副業が禁止だからという理由で放棄できないからです。
また、近年では政府が「働き方改革」を推進しており、柔軟に働けるような環境になるように進めています。実際に大手企業でも副業を解禁したところも多く、新型コロナの影響も相まってさらに副業を解禁する企業が増えてきています。
不動産投資は副業にならない?
不動産投資は副業に該当しないこともありますが、事業規模が大きくなると副業とみなされることがあります。投資と事業の基準は5棟10室で判断されることが多く、戸建物件なら5棟、アパートやマンションなら10室です。
家賃収入を得ている場合は年に1回、不動産所得の確定申告をしなくてはなりません。所得税の計算では、不動産所得はその不動産の賃貸が「事業的規模」かどうかによって取扱いが異なります。サラリーマンの方はこれらの基準を元に、ご自身の不動産投資が副業なのかを見分けましょう。
不動産投資を副業にする注意点は?
不動産投資が副業とみなされてしまうと、妬まれたり出世に響いたりすることがあります。特に銀行員や公務員は投資に規制があるため、事前報告などのルールをしっかり守りましょう。
サラリーマンが副業とみなされない範囲で不動産投資を行うためには、以下の3点に気を付ける必要があります。
- 投資の重大な判断の部分まで外部委託しないこと
- 会社には、事前に不動産投資をすることを報告しておくこと
- 業務委託などをして、本業に影響を及ぼさないこと
集客や物件の管理などは、業務を全て委託できる専門業者に委託することが必須です。しかし物件選びや購入、ローン審査、損失があったときの判断など、重要なところは必ず自身で行いましょう。
まとめ
不動産投資は副業に向いているのかや、メリット・デメリットを見てきました。サラリーマンが不動産投資をすることで、収入を得られることはもちろん、不動産に関する知識を得たりするきっかけになります。
しかし、本業に影響を及ぼさないことや確定申告といった基本的なことを怠ってしまうと、本末転倒になってしまいます。不動産投資におけるメリット・デメリットをよく理解してから行ってください。サラリーマンの方は、不動産投資を始める前に会社の規定を確認してから始めましょう。
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