言葉の選び方、伝え方によって、相手の行動を制限し、心理的にも負荷をかける「言葉の拘束」のことを「スピーチロック」と言います。この連載では、このスピーチロックを意識して周囲に気持ちよく動いてもらう手法をまとめた新刊『気持ちよく人が動く伝え方』(大野晴己 著/フォレスト出版 刊)から一部を抜粋して紹介します。
5回目は「部下のやる気を下げる『不明確さの言葉』『部下の提案を軽視する言葉』」
部下のやる気を下げる「不明確さの言葉」「部下の提案を軽視する言葉」
部下に対して、必要以上のプレッシャーや無理な要求をすることは、ストレスを生み、モチベーションを下げてしまいます。もちろん、次のような不明確な言葉を投げかけてもいけません。
不明確さの言葉
「ちゃんとして」
「これくらいできるだろ!」
「そんなこと、どっちでもいいよ」
「当たり前のことを聞くな」
「これができなかったら意味がない」
自分が忙しかったとしても、「あとにして」「ちゃんとしておいて」と不明確なあいまいな言葉を多用すると、部下はどう行動すればいいか迷ってしまい、モチベーションが低下します。
また、部下の提案や意見を聞き入れず、上司が一方的に指示するだけでは、自分が軽視されていると感じ、やる気が失われます。
部下の提案を軽視する言葉
「そんなこと考えるな、指示どおりにやればいい」
「今は関係ない話をするな」
「どっちでもいいんだよ、やればいいんだ」
「自分で考えろ! お前のためだ!」
「任せたから、とりあえずやってみたら?」
このように、あまり関与をしたくない、そんな時間もないと、具体的な言葉やアドバイスもなく、言葉というボールを投げたままにしている上司もいるようです。