別荘と聞くと、限られた富裕層が持つ高級な娯楽といったイメージを持つが、実はサブスクリプションで手軽に楽しめる別荘貸し出しが増えている。今回は、月額5万5,000円で全国28拠点の別荘に滞在できる「SANU 2nd Home」の利用者にインタビュー。サブスク別荘ならではの、手軽なリフレッシュ体験の魅力を聞いてみた。
月額5万5,000円で利用できる別荘サブスク「SANU 2nd Home」とは?
別荘のサブスクリプションサービス、と一口に言っても立地や価格、設備などは各社でさまざま。
そのうちの一社、「SANU 2nd Home」では、会員登録をすると登録日の翌日から対象の別荘の利用予約ができる。宿泊定員は未就学児を除く4名までで、会員本人と滞在するならば会員以外の利用も可能だ。場所は関東や中部地方を中心に、那須や北軽井沢、館山、八ヶ岳、山中湖など、人気の別荘地や避暑地に拠点を置いている。
個人向けには、月額5万5,000円のサブスクプランのほかに、泊まりたい日数分、別荘を不動産資産として所有し共同オーナーになるというオーナーシップ型のプランも用意している。
非日常でありながら自宅の雰囲気も残す「理想の住まい」
今回インタビューしたのはみなみやんさん。まずはSANUを選んだ理由を伺った。
「サステナビリティへの配慮や自然と共存するというコンセプトが、自分に合っているなと感じましたし、張り切らないで自宅にいるように過ごせる等身大の空間に惹かれました」
みなみやんさんは、2024年の3月15日から16日に白樺湖の別荘に滞在。ハチの巣のような外観と高い天井が特徴的な「SANU CABIN BEE」というタイプを利用した。
室内は木造で、別荘のリフレッシュ感が味わえる空間。基本設備としてベッドやキッチン、バスルームのほかに、やプロジェクターや焚火台、サウナ(拠点により異なる)などもついてくる。
「ホテルにいるのとはまた違った経験でした。別荘暮らしを別のサービスで体験しようと思うと、ホテルにはキッチンがないしAirbnbだと非日常感がないので、そういう意味でもおしゃれできれいな理想の住まい、といった感じです。」
所有と比べたサブスクの強みは、所有の手軽さに
みなみやんさんはSANUを利用する前、長野に別荘を所有している友人から年に数回2週間ほど、別荘に泊まりに来てほしいと言われて滞在していたことがあるのだそう。その経験からは別荘所有の大変さもうかがえた。
「やっぱり管理が大変で。定期的に人がいないと、家の周りには雑草が生い茂ったり窓が汚れたりして、家の空気も悪くなります。だから知り合いに泊まってもらって、掃除して空気を入れ替えて、ついでに周囲の草もなぎ倒して、みたいに常に人が来るような空間にしないと家が廃れてしまうんです。『定期的にお金もかかるから欲しかったら買っても構わない』、と言っていました。」
所有には、購入までのやり取りや莫大な費用といったコストがかかる。その後の管理費も必要となると、ハードルは高い。サブスク形態ならば、さまざまな手間いらずで快適な別荘空間を享受するだけでいい、という手軽さは1つのメリットと言えるかもしれない。
ちなみに友人の方は虫嫌いだったようで、別荘を建てた後に「田舎暮らしは好きじゃないことに気付いた、都会の人の雰囲気がないと嫌だ」とこぼしていたのだそう。別荘生活のお試し、といった意味でも失敗しない暮らしができそうだ。
別荘でも、あえて普通に生活する理由とは?
SANU滞在時には優雅に休日を楽しむのではなく、あえて仕事をして普段通りの時間を過ごしたというみなみやんさん。その理由を聞いてみた。
「同じことをするにしても、場所を変えたり窓からの景色が違うだけで、考えの幅や自分の創造性が広がるというか。いつも嫌々こなしている仕事をしても、すごく優雅な気持ちになります。」
「仕事中、普段は車の音しかしないけれど、滞在先では鳥の鳴き声が聞こえて、"近くに鳥が来ているんだな"といった気づきにも、ふとした幸せを感じました。あえていつも通りの暮らしをする方が、外の豊かさや別荘の豊かさに気づける瞬間が多いです。」
みなみやんさんは、別荘で暮らすということについて「パソコンで言う外付けハードディスクの家版」とコメント。
「家でやってることとは変わらないのだけれど、ハード面である場所が変わるとこんなに気分や内面が変わるのかと感じました。」
サブスク別荘で2拠点生活を始めることも可能か
家電設備や通信環境も良好で、満足度の高い滞在経験を明かしたみなみやんさん。滞在時に準備したものはPCやトラックパッドといった仕事に必要なデバイス、別荘近郊のスーパーで買った料理用の食材だったという。予約が取れれば、手軽にサクッと別荘で生活できるようだ。
例えばリモートでの仕事が可能な職業の場合、サブスク別荘を利用して簡単に2拠点生活を始めることも可能かもしれない。みなみやんさんも「1か月間のうち1週間だけの滞在サイクルなら十分可能だと思う」と語っていた。
月額5万5,000円でのサブスク別荘。話を聞いてみるとやり方次第では、別荘という第2の家で優雅なおうち時間を過ごす夢も叶わない訳ではなさそうだ。みなみやんさんのnoteでは、ご自身のSANU滞在記もアップしているので、チェックしてみては?