住宅リフォームの補助金制度は国だけでなく、地方自治体でも独自に行っています。国の補助金と併用できる場合もあり、上手に活用したいところ。今回は東京都・大阪府・愛知県で行われている住宅リフォームの補助金・助成制度を紹介します。
自治体の補助金制度で見られる傾向
個々の制度について見る前に、自治体の各制度におおむね共通している傾向をまとめます。
【対象工事の種類】
・耐震改修
・省エネ改修
・バリアフリー改修
・三世代同居/近居
・空き家活用
【補助金額】
工事費用の一定割合(例:10%、20%)や、上限額が設定されています。
【申請条件】
住民であること、市税等の滞納がないこと、対象住宅の要件(築年数など)、対象工事の基準などが設けられています。
【併用】
国や都道府県の補助金と併用できる場合がありますが、自治体によっては併用不可の制度もあります。重複する経費については補助対象外となることがほとんどです。
【東京都】住宅リフォームの補助金制度の例
東京都全体の制度のほか、23区や市町村で独自に行っている補助金制度もあります。
既存住宅における省エネ改修促進事業
東京都が実施する、既存の住宅における省エネを推進するための事業です。災害に強く健康にも貢献する、断熱を普及させることを目的としています。
内窓設置や外窓交換、ガラス交換、ドア交換などの工事が助成の対象です。窓に関しては面積に応じて、ドアに関してはグレードに応じて助成金額が決まります。
大田区:住宅リフォーム助成事業
脱炭素社会・循環型社会への対応のため、太田区が認定したリフォーム工事に関して工事費用の一部を助成します。助成率は原則として10%、上限額は10万~50万円です。
助成の対象となるには施工業者に関する要件も満たす必要があり、施工実績がある事業者リストも公開されています。事前にチェックしておくとよいでしょう。
【大阪府】住宅リフォームの補助金制度の例
大阪府では、大阪市と連携した補助金制度などが複数あります。
耐震診断・改修補助事業
地震に強い街づくりのため、耐震診断や改修設計、改修工事に必要な費用の一部を補助する制度です。令和7年での民間の耐震率を95%にすることを目標としています。
補助率は耐震診断が「11分の10」、耐震改修設計は「3分の2」、耐震改修工事は「2分の1」などとなっています。それぞれ上限額があり、5万円~100万円です。
補助の条件に該当するかは、大阪市の公式ホームページにある「手続き判定ナビ」で確認できます。
空家利活用改修補助事業
全国で増えている空き家は社会問題になりつつあり、対策が求められています。大阪市では、空き家を利活用するため、状況確認の調査や性能工事のための改修等に対して補助制度を用意しています。
補助の種類は2種類あり、性能向上によって住宅として空き家を活用する「住宅再生型」、子ども食堂や高齢者サロンなどへと活用する「地域まちづくり型」です。
こちらの制度も、補助の条件に該当するかを大阪市ホームページの「手続き判定ナビ」で確認できます。
【愛知県】住宅リフォームの補助金制度の例
愛知県では、木造住宅の耐震化に関する補助金制度が複数あります。
木造住宅の無料耐震診断
旧耐震基準で建てられた木造住宅は、耐震性が不十分である可能性が高く問題になっています。愛知県では、木造住宅の耐震診断を無料で行う事業を展開しています。
木造住宅の耐震補強設計費および耐震改修費の補助
無料耐震診断の結果、耐震指標が1.0未満と判定された木造住宅が対象です。1.0以上にするための耐震補強設計について、最大20万円の補助を受けられます。
実際の耐震改修工事についても、最大115万円の補助を受けられます。ただし、設計費や改修費の補助の制度は、市町村によって違いがあるため、注意しましょう。
お住まいの地域の情報を調べてみよう
自治体のリフォーム補助金をいくつか紹介しました。ここで紹介したものはごく一部であり、多くの自治体で制度が用意されています。
都道府県だけでなく、市区町村などが行っている制度も多数あります。ご自身がお住まいの地域の自治体の公式ホームページで情報を探してみましょう。