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9 貴金属・宝石の目利き術

巻き起こるプラチナ旋風! 価格高騰の背景と今後の「付き合い方」を考える

JUL. 16, 2025 11:30
Text : 川崎拓
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違いのわかる大人を目指すあなたに、貴金属・宝石鑑定にまつわる知識をご紹介します。今回は、ここへきて急騰しているプラチナの基礎と現状について。価格高騰の背景と今後について考えます。

  • プラチナ

    金の高騰に話題を奪われがちだったプラチナですが、今、価格が上がっています!

2025年も後半に入った今、静かに、しかし確実に“プラチナ旋風”が巻き起こっています。

金や原油、仮想通貨の話題に隠れがちだったプラチナですが、ここへきて急激な価格上昇を見せ、多くの投資家や業界関係者から熱視線を浴びています。わずか数カ月の間に1トロイオンスあたり数十%もの値上がりを記録し、かつての低迷から一転、まさに「本命復活」の様相を呈しているのです。

本日のプラチナ相場はこちら

では、なぜプラチナがここまで急騰しているのでしょうか?

今回のコラムではプラチナという金属の特性を改めて確認しつつ、いま市場で何が起きているのか、その背景をわかりやすくひも解いていきます。

プラチナショックの導火線 南アで何が起こったのか

プラチナの約7割が、実は南アフリカで採掘されているという事実をご存じでしょうか?

ひとつの国への過度な依存は、平時には効率的であっても、有事には大きなリスクをはらみます。

  • 南アフリカの都市

    プラチナの約7割は南アフリカで産出されています

2025年初頭、南アフリカでは深刻な電力不足と労働争議が同時に発生。鉱山の操業が断続的に停止するだけでなく、プラチナを積んだ鉄道や港湾の輸送も滞り、世界市場に向けた供給量が一気に減少しました。

しかも、この国では「ロードシェディング」(計画停電)が常態化しており、鉱山企業は稼働計画の見通しすら立てられない状況。2024年後半に積み上がった供給不安が、2025年の相場に火をつけた形です。

燃料電池ブーム再燃! 水素社会とプラチナの深い関係

EV(電気自動車)の次に来るのはFCEV(燃料電池車)だ――そう語られて久しいですが、2025年、その流れが本格的に現実化し始めました。

  • ホンダ「CR-V」の燃料電池自動車
  • ホンダ「CR-V」の燃料電池自動車
  • ホンダ「CR-V」の燃料電池自動車

    燃料電池自動車(FCEV)が普及の兆し? 写真はホンダが日本でリース販売している「CR-V」のFCEV

FCEVの心臓部である燃料電池に使われるのが、他ならぬプラチナです。水素を電気に変換するプロセスには、プラチナ触媒が欠かせません。

FCEVは高コストとインフラ整備の遅れが課題で普及が進んでいませんでしたが、欧州、中国、韓国を中心に水素ステーションの整備が急ピッチで進み、企業や国家レベルでFCEVの導入が加速しています。

この流れがプラチナの「工業用需要」を一気に押し上げており、これまで価格を抑えていた“供給過多”の構造に変化が現れています。

割安感が生んだ“投資熱” 進む実物資産としての再評価

長年、「金より高貴で高価な金属」とされていたプラチナ。しかし、2015年以降は価格が金を大きく下回る逆転現象が続いてきました。2025年初頭、プラチナの価格は金の約1/3という状況に――。

この異常ともいえる価格差に着目したのが、機関投資家やヘッジファンドです。

「割安すぎる」「リバウンドの余地が大きい」との見方が広まり、ETFや先物市場を中心に投資マネーが一気に流入。価格は短期間で数割上昇し、“動きが鈍い”と言われていたプラチナ市場が久々に活況を見せています。

実物資産としての信頼性と、「次世代テクノロジーの素材」という将来性。このふたつを兼ね備えた希少金属として、プラチナは再び脚光を浴び始めているのです。

テック業界も熱視線! 半導体・医療・宇宙…広がる新用途

プラチナの活躍は、自動車分野や投資市場にとどまりません。近年は半導体、医療機器、再生可能エネルギー分野などでの用途開発が進み、「未来を支える素材」としてのポジションを強めています。

  • 半導体

    プラチナは半導体などの先端技術に欠かせない素材でもあります

たとえば、量子コンピューターの冷却部材や超高感度センサー、がん治療用の放射線ターゲット材など、プラチナの耐熱性、導電性、化学的安定性は、多くの最先端分野で不可欠な特性を持っています。

こうした高機能分野での需要拡大も、プラチナの価格を中長期的に下支えする力になるでしょう。

価格上昇はいつまで続く? “実需”と“投機”のバランスが大事

短期的な価格急騰には反動がつきものです。投資資金の過熱が続けば、過剰な期待がはじける瞬間もあり得ます。

また、現在の高値は「南アフリカの供給リスク」に大きく依存している側面もあるため、状況が正常化すれば価格が落ち着く可能性も否定できません。投資目的でプラチナに関わるなら、「実需の伸び=水素社会や新用途分野の浸透度」を見極めることが肝心です。

おわりに:価格の先にある「プラチナの未来」を見よう

2025年のプラチナ高騰は一時的なバブルではなく、世界が「次のエネルギー」「次の素材」を模索する中で起きている変化の一端です。

私たちの暮らしを支えるテクノロジーや社会インフラの裏側には、こうした希少金属の存在があります。

いま目の前で起きている相場の動きは、その“未来への入り口”なのかもしれません。

価格に一喜一憂するだけでなく、プラチナが今後、どのように世界と関わっていくのか――ぜひ、その先にも目を向けてみてください。

株式会社Clarisse


本社:東京都新宿区西新宿8-11-1 日東星野ビル6階
URL:https://goldplaza.jp/
設立:2024年9月
事業内容:貴金属をはじめブランド品やダイヤモンド・ジュエリーの買取・販売、全国でゴールドプラザ13店舗を運営

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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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