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トヨタの新型「ランドクルーザー」が人気だ。「どこへでも行き、生きて帰って来られる」というメッセージに象徴される絶大な信頼性と耐久性が、世界的に支持を集めているのだろう。あらゆる造形に機能の裏付けがある最強SUVのデザインを詳しく見ていこう。

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あくまで機能重視? 新型「ランドクルーザー」のデザイン

SEP. 27, 2021 11:00 Updated DEC. 23, 2024 17:57
Text : 森口将之
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トヨタ自動車の新型「ランドクルーザー」が人気だ。「どこへでも行き、生きて帰って来られる」というメッセージに象徴される絶大な信頼性と耐久性が、世界的に支持を集めているのだろう。あらゆる造形に機能の裏付けがある最強SUVのデザインを詳しく見ていこう。

  • トヨタの新型「ランドクルーザー」

    全ての形に理由がある? 新型「ランドクルーザー」のデザインを見る

フロントマスクの秘密

まずは顔つきだ。先代のバンパーがマイナーチェンジ前までほぼ一直線だったのに対し、新型はU字型とし、グリルとバンパーとの間にインテークを設けた。存在感の強さは圧倒的だ。

  • トヨタの新型「ランドクルーザー」

    新型「ランドクルーザー」のフロントマスクは存在感抜群!(写真は「ZX」グレードのディーゼルエンジン搭載モデル。外板色はグレーメタリック)

押し出しの強さのみでこの造形を選んでいるわけではない。バンパーには障害物をいなす造形を取り入れるなど、ランクルらしくオフロード走行も重視した形なのだ。エンジンフード中央を凹ませたことも特徴といえる。先代にはなかったこの処理は、衝突安全性能を高めるとともに、前方視界を良好にするためのものだ。

  • トヨタの新型「ランドクルーザー」

    ボンネットの中央を凹ませてあるのも特徴だ

ボディサイドでは台形に張り出した前後のフェンダーが目立つ。過去2世代は「ブリスターフェンダー」で乗用車っぽさをアピールしていたが、本物志向のSUVを望むユーザーが増えてきたこともあって、たくましさを前面に押し出したのかもしれない。そういえば、サイドウインドー後端も長方形から台形になった。

  • トヨタの新型「ランドクルーザー」

    台形に張り出した前後フェンダーが目立つボディサイド

ボディサイズに大きな変化はない。前輪が乗り越えられる角度を示す「アプローチアングル」、床下が乗り越えられる角度を表す「デパーチャーアングル」、リアエンドがクリアできる角度である「ランプブレークアングル」といった対地障害角を確保すると、似たようなフォルムに落ち着くのだろう。ただしプロポーションは、キャビンが先代よりやや後方に寄せられた。ヘリテージ性を追求する意味で「50系」の雰囲気を継承したそうだ。

  • トヨタの新型「ランドクルーザー」

    全長4,950~4,985mm、全幅1,980~1,990mm、全高1,925mmというサイズは数字だけ見ると巨大だが、実は先代からほとんど変わっていない

リアについてはコンビランプが横長のスリムな形状になった。先代モデルではナンバープレート上にあったクロームメッキのバーが消えていることにも気づく。 よく目立つフロントとは対照的に、こちらは今風のスムーズな処理だ。

ついに「ランクル」にも「GR」が!

スタイリングでもっとも驚いたのは、「GRスポーツ」(GR SPORT)の設定だ。GRはオンロードのスポーツブランドだと思い込んでいたので意外だったが、「TOYOTA GAZOO Racing」がダカールラリーに参戦していることからラインアップに加えたのだろう。

  • トヨタの新型「ランドクルーザー」

    新型「ランドクルーザー」の「GRスポーツ」(写真はガソリンエンジン搭載モデル。外板色はダークレッドマイカメタリック)

「TOYOTA」のロゴを大きく掲げたブラックのメッシュグリルは精悍そのもの。ドアハンドルやホイールもブラック仕上げとするなど手が込んでいる。ちなみに、こちらの顔つきも迫力重視というわけではなく、バンパーはオフロード走行時に破損しにくい形状となっている。

  • トヨタの新型「ランドクルーザー」

    「GRスポーツ」は「TOYOTA」のロゴを装着している

インテリアも機能を重視した仕立てだ。車両姿勢を把握しやすい水平基調のインパネと、豊富な快適装備を備えた幅広いセンターコンソールの組み合わせは先代譲り。メーターパネルは中央にマルチインフォメーションディスプレイを備えつつ、速度計とエンジン回転計はアナログ式として残している。

  • トヨタの新型「ランドクルーザー」

    新型「ランドクルーザー」のインテリア(GRスポーツ)

センターパネルは12.3インチものタッチディスプレイが目立つが、すべてのスイッチをタッチ式とせず、扱いやすい形状を残したうえで機能ごとに分けてレイアウトした。過酷な悪路を走行中でも確実に操作できることを狙ったという思想が伝わってくる。

  • トヨタの新型「ランドクルーザー」

    操作系も悪路走行を想定した作りとなっている

キャビンは2列シート5人乗りと3列シート7人乗りを用意。前席は先代より後方に移動したそうだが、2~3列目の構造や配置を見直し、居住性や荷室容量はむしろ向上させたとのことだ。

  • トヨタの新型「ランドクルーザー」
  • トヨタの新型「ランドクルーザー」
  • トヨタの新型「ランドクルーザー」
  • トヨタの新型「ランドクルーザー」
  • 「GRスポーツ」(7人乗り)のシートと荷室。左端が3列目シートだ

メカニズムでは、ボディと別体のラダーフレームを受け継ぎつつ、TNGAの考えに基づく新開発プラットフォームを採用。エンジンはガソリン/ディーゼルともにV型6気筒ターボになり、ATは6速から10速へと一挙に多段化した。時代に合わせたアップデートが目立つ。

  • トヨタの新型「ランドクルーザー」

    ラダーフレーム構造は継承しながら時代に合わせたアップデートも行った新型「ランドクルーザー」

ランクルはやっぱり、機能で売り機能で買うSUVなので、これまでのモデルチェンジではメカニズムが話題の中心となり、デザインに注目が集まることはあまりなかった。それだけに、新型のGRスポーツは新鮮だ。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。