アメリカのラグジュアリーな自動車ブランド「キャデラック」が日本に電気自動車(EV)を投入する。2025年から2026年にかけて3台のSUV(右ハンドル!)を導入する予定で、まずは第1弾となる「リリック」の販売を開始した。価格は1,100万円、納車開始は2025年5月以降の予定だ。どんなクルマなのか、GMジャパンの発表会で実物を見てきた。
リリックってどんなクルマ?
キャデラックのリリック(LYRIQ)は、ボディサイズが全長4,995mm、全幅1,985mm、全高1,640mmの大型電動SUVだ。搭載する駆動用バッテリーの総電力は95.7kWh。フル充電で510km(WLTPモード)を走行可能だという。急速充電は日本の「CHAdeMO」に対応。右ハンドル仕様で日本上陸というのが嬉しい。生産地はアメリカのテネシー州だ。
リリックの価格は1,100万円。GMジャパンでは「エージェント制」という販売方法を導入し、全国統一価格でクルマを販売するという。この制度を導入することにより、「交渉すれば値引きしてくれるのでは」「自分は交渉が下手だから、人よりも高くクルマを買わされているのでは」という顧客の不安を解消する。
日本市場でEVは売れる?
リリックは2023年に米国で発売となったモデルで、ドイツの「ラグジュアリーカー・オブ・ザ・イヤー」ではアメリカ車で初の受賞を果たすなど国際的な評価は高いという。今回は満を持しての日本導入ということになる。
ただ、日本はEV普及率が1~2%と言われており、これからEVの販売台数が伸びるかどうかも未知数な市場だ。それに、日本自動車輸入組合(JAIA)によれば、2024年(暦年)の日本におけるキャデラック車の登録台数は449台であり、GMジャパン代表取締役社長の若松格さんもキャデラックは「ニッチプレミアム」だと表現するほど。このタイミングでキャデラックのEVが日本に入ってきても、どのくらい売れるのか見当もつかない。
そのあたりについて若松さんは、日本のEV普及率の低さは認めつつも、「ラグジュアリー市場」と「一般市場」では状況が少し異なると指摘する。具体的には、ラグジュアリー市場ではEV普及率が7%程度まで伸びているそうだ。
2026年には3列シートSUV「ビスティック」(アメリカのメディアでは「ベイビーエスカレード」のニックネームで呼ばれることもあるとか)と小型SUV「オプティック」の2台のEVを追加で日本に投入する予定のキャデラック。今後は日本で「ラグジュアリーEVのトップブランドのひとつ」を目指すと若松さんは意気込みを語った。