スズキが小型車「ソリオ」「ソリオ バンディッド」のマイナーチェンジモデルを発売した。バンディッドはマイチェン前に比べ顔つきの迫力が大幅に向上している。最近は顔をマイルドにするのが自動車業界のトレンドかと思っていたのだが、スズキの考えは?
-
スズキが2025年1月16日に「ソリオ」「ソリオ バンディッド」のマイナーチェンジモデルを発売。先日の「東京オートサロン2025」で実物を見てきた(写真はソリオ バンディッドのマイナーチェンジモデル)
ユーザーの声を反映? バンディッドは迫力を追求
今回のマイナーチェンジで最も大きく変わったのは「顔」(フロントマスクのデザイン)だろう。マイチェン前とマイチェン後を写真で見比べてみていただきたい。
東京オートサロン2025のスズキブースで技術説明員に聞いたところによると、顔つきの大幅な変更は「意図的に」実施したそうだ。
マイチェン前のソリオ バンディッドに対しては、先代モデルに比べて「カスタム感が弱い」や「迫力が足りない」といった声が市場から寄せられていたとのこと。それを受けて今回のマイナーチェンジでは、もともと上下で分かれているようなデザインだったグリルをつなげ、迫力を追求。クロームメッキ、ツヤのあるブラックパーツ、ツヤ消しのブラックパーツを適度に組み合わせて、「オラオラ系」になりすぎないバランスで上質感とカスタム感を演出したという。
ここ最近の自動車業界では、フロントマスクをどちらかというとマイルドに変えるモデルが増えている(オラオラ系、ギラギラ系が減っている)印象だったのだが、「ソリオ バンディッド」は迫力を追求する方向に顔つきを変えてきた
ソリオとソリオ バンディッドは「デザインのポジショニングが近づいてしまっている」側面があったため、今回のマイナーチェンジでは各モデルのキャラクターを明確化し、ソリオは横基調、バンディッドは縦基調のデザインとすることで差別化を図った。
性能面の進化は?
マイナーチェンジでクルマの性能・中身はどう変わったのか。
パワートレインの面では「スイフト」も搭載している「Z12E型エンジン」とCVTを採用し、燃費性能と走行性能の両立を図った。
安全面、運転支援システム(ADAS)関連も進化している。これまでは「ステレオカメラ」を使っていたが、今回のマイナーチェンジでミリ波レーダーと単眼カメラの組み合わせによる衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートⅡ」を採用。検知対象を車両や歩行者、自転車、自動二輪車とし、交差点での検知にも対応した。
そのほかに、停止保持機能を追加した「アダプティブクルーズコントロール」(ACC)や「低速時ブレーキサポート」「ブラインドスポットモニター」などの組み合わせにより、安全機能を拡充。電動パーキングブレーキやブレーキホールドも採用し、「スズキコネクト」にも対応したことで快適装備が充実した。
ソリオはファミリーカーとしても活躍するクルマだ。停止保持機能の付いたACCとブレーキホールドはドライバーの疲労軽減に高い効果を発揮する機能なので、これらの追加によりファミリーカーとしての魅力が大いに向上した印象だ。
マイチェンモデルの価格はソリオが192.61万円~259.38万円、ソリオ バンディッドは2WDが230.34万円、4WDが264.88万円。月間販売目標は両モデルの合計で4,000台としている。