Data Center Knowledgeが記事「Intel Continues to Rethink the Rack of the Future」において、Intelが先日北京で開催したIDF (Intel Developer Forum)における発表をまとめている。「ラックスケールアーキテクチャ」と呼ばれるIntelのラックに関する新しい概念を説明したもの。
ラックには通常、ラックマウントサーバを設置して使用する。ラックマウントサーバは電源、マザーボード、メモリ、プロセッサ、ストレージなどがすべて詰まったデバイスで、ラックマウントサーバごとに独立して動作する。なお、これまでに取り組まれた次世代ラックへの動きとしては、ラックマウントサーバからファンと電源を抜き出し、ラックそのもので共有するといったものなどがある。
Intelが紹介する「ラックスケールアーキテクチャ」は、こうした既存の取り組みをさらに推し進めて、プロセッサ、メモリ、ストレージなどをそれぞれモジュールとして独立させるというもの。ラックがひとつの巨大なPCだと考えるとわかりやすいかもしれない。CPUがいくつも設置されたモジュール、メモリキャッシュがいくつも設置されたモジュール、ストレージデバイスがいくつも設置されたモジュール、といったように機能毎にモジュール化される。モジュールはそれぞれ独立しており、光通信によってお互いにデータ通信を実施すると説明がある。
現行のラックマウントサーバでは、新しいCPUを使おうとした場合、マザーボードもこの新しいCPUに対応する必要があり、メモリもマザーボードのチップセットに対応する必要がある。すべての要素が整わなければ製品を使用することができない。「ラックスケールアーキテクチャ」ではモジュールは独立しており、ほかのモジュールが対応するのを待つ必要なく、新しいCPUが使用するといったことができるようになるという。