「Nexus One」

Linux開発者として知られるLinus Torvalds氏が、自身のBlogで携帯電話嫌いを告白するとともに、先日購入したばかりの「Nexus One」を絶賛するコメントを載せたことが話題になっている。

同氏は冒頭で先週Nexus Oneを買ったことを報告し、これまでの携帯遍歴について説明している。同氏は携帯電話がとにかく嫌いで、仕事中でも読書中でも邪魔され、電話で呼び出されることが苦痛でしかないと吐露。これまでにもHTC製のT-Mobile G1やMotorola製の中国市場限定Linux携帯などを使ってきたものの、G1に至ってはもっぱらGalagaやSolitaire(ソリティア)専用機として活用していただけで、旅行以外に携帯を持ち出す理由はなく、ほとんど使っていなかったという。

一方で、携帯でLinuxを動かすというコンセプトには感心を抱いていたようだ。ご存知のように、Nexus OneやG1で動作しているAndroidはLinuxをベースにして開発されたものだし、Maemo、LiMo、Moblinなど、携帯向けLinux OSにも複数のバリエーションが存在する。だがこうした端末に憎しみを抱くLinux氏はとうとう「Nexus Oneが勝者であると認めなければいけないだろう」と、買ったばかりの新端末に惜しみない賞賛を与えている。

同氏は先日解禁されたばかりのピンチ(Pinch)操作によるズーム機能などについて触れ、これが購入の最後の一押しになったと述べている。また車向けにGPSユニットが欲しく、Googleのナビゲーションとの組み合わせで初めて携帯電話が役に立ったと報告している。緊急時の連絡のためのアイテムから、初めて"使える"という意味での"おしゃれ"なガジェットを手に入れたことに喜んでいるようだ。

Nexus Oneの1カ月間での販売台数がわずか8万台だったことが大きくニュースで取り上げられているようだが、今回の例のように一部のガジェットギークやプログラマらからは絶賛されているのもまた大きな特徴だ。とかくiPhone対抗の面がクローズアップされた同端末だが、Torvalds氏の絶賛コメントはNexus Oneの性格を良く表しているといえるかもしれない。