新型コロナウイルス感染拡大の措置として、突如広まった在宅ワーク。働き方の多様化につながると期待がかかる一方で、会社勤務と同様に進めることができず、課題を感じている企業も多いだろう。2020年8月4日、LIVE配信された「在宅ワーク成功の手引き ― 業績アップに向けた対策とツール」と題して、在宅ワークを成功させるポイントや効果的なツールが紹介された。

本稿では、富士通 国内ビジネス推進統括部 プロモーション推進部長の丸子 正道氏による「社内実践から見えたWithコロナ時代の在宅ワーク成功の秘訣」の概要をお届けする。

富士通がテレワークに成功した4つの秘訣とは

富士通株式会社 国内ビジネス推進統括部 プロモーション推進部 部長 丸子 正道氏

富士通株式会社
国内ビジネス推進統括部
プロモーション推進部 部長 丸子 正道氏

丸子氏は、まずいくつかの調査結果をもとに企業がテレワークを実施した際に生じた課題として「5~6割がネットワーク環境、端末確保、社内コミュニケーション、セキュリティ、押印に関する課題を感じているようです。また、実際のテレワークの場面では、コミュニケーションのとり方や時間管理・仕事の仕方が上位の課題に挙げられていました。当社への問い合わせ内容を見ても、これらの課題は共通していました」と語った。

さまざまな企業が抱えるこうした悩みには、当然ながら富士通も直面したはずだ。では、どのように解決をしていったのか。 同社は以前から、人事・セキュリティ部門を中心とした「制度・ルールづくり」、情報システム・総務部門を中心とした「ICT・ファシリティ環境の整備」、職場における「意識改革」の3つの視点で働き方改革を推進し、今回のコロナ禍でも在宅ワークへの移行や出張禁止、主催イベントの延期やWeb配信への切り替え、採用活動でのWeb面接などにいち早く取り組んだ。

  • 富士通の働き方改革(三位一体での取組み)

    富士通の働き方改革(三位一体での取組み)

丸子氏は、成功の秘訣として次の4点を挙げた。
「1点目は、全社で2017年度からテレワーク制度を導入していたこと。2点目は、それを支える仮想デスクトップ基盤(VDI)を2015年度から全社に導入していたことです。そして、単に基盤を作るだけでなく、超軽量のシンクライアント端末を社員に提供しています。以前は重量約1.7kg・厚み約27mmのもので、持ち運びが難しかったのですが、2017年度からは重量約799g・厚み約15.5mmと前モデルに比べてはるかに軽量・小型の端末に置き換えました。これによって社員が端末を持ち運ぼうと考えるようになったことが、秘訣の3点目です。そして4点目は、コミュニケーション基盤を整備しているところ。Office 365のSkypeやMicrosoft Teams(以下、Teams)を中心にさまざまな製品・サービスを組み合わせ、コミュニケーションを促進しています。こうした条件がすでに揃っていたことで、今回のコロナ禍でも業務の進め方は基本的に従来通りであり、従業員にも混乱は起きませんでした」

一方、テレワークの全面実施で変わったこともあると丸子氏は指摘する。

「テレワークに対する意識が変化しました。これまでテレワークは多様な働き方を補完するものという捉え方でしたが、実際に全面実施してみると、テレワークだけで仕事が完結できることを実感しました。また、コミュニケーションのとり方もオンラインが前提となり、当社だけでなくお客様もテレワークになっていたので、オンライン会議の活用で営業活動も継続できました。“やってみたらできた”というのが素直な感想でした」

在宅勤務を成功に導いたサポートとソリューション

とはいえ、想定外の出来事もやはりあったという。システム面では通信に予想外の負荷が発生し、リソースが枯渇したため、装置の増強と回線の増速を行った。一方、人の面でも、長期間のテレワークで社員の疲労蓄積が見て取れたため、特別休暇を付与するなどして体調面を考慮したという。加えて、ステイホームにおける家庭での作業環境の問題も他社と同様に発生していた。

しかしながら、緊急事態宣言解除後に行った従業員調査では約8割が自宅での業務環境を「会社は十分に支援している」と回答しており、従業員も不満は感じていないようだ。

「家庭内の問題については会社としての対応が難しい面もありますが、さまざまな課題を把握することはできました。そのうえで、会社側でできることとしては、ぜひ当社が行っている取り組みをおすすめしたいと思います」と丸子氏は話した。

続いて丸子氏は、富士通が社内で活用している各種ツールの紹介に入った。 最初に紹介したのは、マイクロソフトのコラボレーションツール「Teams」。同社ではTeamsが各種ツールのハブとなり、パフォーマンス向上と業務効率化を実現しているという。丸子氏は壇上でPCを開き、Teamsでチームメンバーとテレビ会議によるコミュニケーションを行うシーンを実演。「このようにメンバーの顔が鮮明に見えるので、対面で会話しているイメージで、在宅勤務でも簡単にコミュニケーションがとれます」と語った。

次に紹介したのは、業務見える化ソリューション「FUJITSU Software TIME CREATOR」。進捗状況の管理が難しい、長時間労働になりやすい、労働時間を適切に把握したいという、どの企業も感じるテレワークの3つの悩みを解決に導く機能を持っている。

  • 業務見える化ソリューション「FUJITSU Software TIME CREATOR」

    業務見える化ソリューション「FUJITSU Software TIME CREATOR」

「まずは働き方可視化機能。PC操作ログから業務内容をグラフ化し、マネジメントを支援します。離れた場所で仕事をしていても、管理者がメンバー個々の業務内容や進捗状況、メンバー内の業務バランスを把握できます。次に、PC利用抑止機能。設定した時間になると警告画面表示とPCシャットダウンを行い、働きすぎを防止するとともに、従業員の時間意識の向上を支援する効果もあります。そして、PC稼働時間の記録。PCのログオン・ログオフ情報の取得により労働時間の把握に役立ち、テレワーク時に起こりやすい隠れ残業・サービス残業を明確化することが可能です」

持ち運びで力を発揮する超軽量・薄型ノートPCを紹介

テレワークにおいては多くの企業が端末面の課題も挙げている。この課題を解決するものとして、丸子氏は超軽量モバイルノートPC2機種を紹介した。

「まずは『LIFEBOOK U9310』。これは富士通が全社で導入しているシンクライアント端末と同じ筐体を用いたWindows版PCです。軽く、薄く、頑丈な設計で、第10世代インテルCore i5/i7ファミリー搭載によるハイパフォーマンス、さらにはリモートワークで安心して利用できる不正利用・情報漏洩対策といったセキュリティ機能も満載しています。もう一つの機種が『LIFEBOOK U9310X』で、こちらはノートPCとしても、タブレット端末としても利用できるペン内蔵のコンバーチブルモデルです。
この両機種は、社内端末でも導入している手のひら静脈認証機能を備えています。忘却・紛失・盗難の心配がない生体認証であり、認証率が高く、シングルサインオンも可能にします。さらには認証ログによって不正使用を抑止し、利用者を特定した強固なセキュリティを実施できます。このほか、カフェなどのリモートワークでは画面の覗き見による情報漏洩にも留意すべきですが、『LIFEBOOK U9310』は標準でプライバシーフィルターを提供しています」

  • 再校のモビリティと堅牢性を整備した超軽量モバイルPC

このあと丸子氏は両機種の実機を並べ、手のひら静脈認証によるログインとプライバシーフィルターのデモを展開した。手のひら静脈認証は非接触なので、コロナ時代にも衛生面での問題がなく、顔認証と異なりマスクを付けたままセキュアにログインできる点もアドバンテージだ。一方のプライバシーフィルターはPC本体に手軽に抜き挿しできる仕様。外で使うときは装着、オフィスや家では外すといったスタイルを選択できるのがうれしい。「カフェで使うときはもはや手放せません」と丸子氏も話す。

利用者を簡単・確実に特定できる「手のひら静脈認証」内臓

利用者を簡単・確実に特定できる
「手のひら静脈認証」内蔵

これらに加えて、秘密分散ソフト「Portshutter Premium Attachecase」も紹介した。データを端末とサーバーに物理的に分散保存するツールで、機密情報もリモートで安全に持ち出せる。これについてもデモでファイルの持ち出しや編集操作を実演していた。

最後に丸子氏は「コロナ禍の懸念から、テレワークを基本とする流れは強まるでしょう。従来の常識にとらわれないニューノーマルを意識し、企業・団体とそこで働く人のそれぞれが幸せになる働き方に向けて、変化していく必要があります。富士通は社内実践をもとにした最適なソリューションをこれからも提供していきます」と結んだ。

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