NASは自由に使える広大なファイル置き場として機能しますが、ただファイルを貯め込むだけのデバイスではありません。スケジュールを決めてクラウドへ転送したり、スマートフォンの写真を取り込んでAI機能で分類したり……、知っていると得する機能がたくさんあるのです。

ここでは、「Synology社員が教えるNASの裏ワザ【後編】」と題し、前編に引き続き、NASのアプリを活用したクラウド連携やデータ管理機能のテクニックを聞いてきたので、同社製品NASキット「DS218+」を例に、実践してみましょう。

  • SynologyのNASキット「DS218+」

POINT1:「Cloud Sync」でクラウドへバックアップ

NASに慣れるとつい疎かにしがちなのが、NASに蓄えたデータのバックアップ。ハードディスクは一種の耐久消費財、よほど大切なデータは信頼性の高いNASといえどバックアップしたほうがいいでしょう。
とはいえ、NAS上のデータをバックアップするため新たにNASを導入することには、違和感を覚えてしまいます。

そこで利用したいのが、DS218+などSynology製NASに搭載されているOS「DiskStation Manager(DSM)」のアプリ、「Cloud Sync」

パッケージセンターで無償ダウンロードできるので、早速インストールしてみましょう。

  • 「Cloud Sync」を使うと、NAS上の内容をかんたんに各種クラウドサービスへバックアップできます

アプリを起動すると、バックアップ先として指定可能なクラウドプロバイダ(ここではクラウド型のストレージサービスを提供している会社)が一覧表示されます。DropboxやGoogle ドライブ、OneDriveといった個人ユーザにも利用者が多いサービスに対応しているので、気軽に利用できます。

バックアップのタイミングはオンタイムでもスケジュールでもOK、いつでも実行できるし、毎週日曜午後6時に実行予約することも可能です。

  • 自動実行のスケジュールを指定することもできます

同期方向は、指定した2つの領域(ローカルパスとリモートパス)をつねに同じ状態に保つ「双方向」、クラウド上に生じた変更をSynlogy NASに反映する「リモートでの変更のみをダウンロード」、Synology NASに生じた変更をクラウドに反映する「ローカルでの変更のみアップロード」のいずれかを選択できます。セキュリティが心配な場合は、データの暗号化を有効にしてもいいでしょう。

  • 転送対象のフォルダを指定します

  • クラウドサービスへの転送状況を確認できます

POINT2:パソコンでバックアップデータを見られる「Hyper Backup」

クラウドではなく、USBハードディスクやUSBメモリをバックアップ先として使いたい場合は「Hyper Backup」を利用します。こちらもパッケージセンターで無償ダウンロードできる、Synology製NASユーザ必携のアプリです。

USBハードディスクのような手もと(ローカル)にあるストレージをバックアップ先に使う場合、2種類あるローカルバックアップ機能のどちらかを利用します。「ローカルフォルダ&USB」は一種の増分バックアップで、前回のバックアップ以降に変更されたデータのみをバックアップします。

繰り返しバックアップするときには消費するストレージ量を大幅に節約できますが、元のファイルを直接参照できない独自のデータベース形式で保存されるため、パソコンでバックアップ内容を直接操作することができません。

ローカルストレージにはときどきしかバックアップしないという場合には、もうひとつの「ローカルフォルダ&USB(単一バージョン)」を選択します。

  • 「ローカルフォルダ&USB(単一バージョン)」を選択すると、直接パソコンで中身を見られるバックアップを作成できます

こちらは、バックアップ実行ごとのバージョン管理には対応しないものの、直接パソコンでファイルを読み書きできるというメリットがあります。はじめてバックアップを実行するときは、管理しやすいこちらの選択肢のほうがおすすめです。

POINT3:かさばるiPhoneバックアップデータをNAS

iTunesを使いiPhoneの内容をバックアップすると、平気で数十ギガの領域が消費されます。そのままにしておくと、いざ大切な書類を保存しようというときに空きスペースがない、という事態になりかねません。

とはいえ、バックアップはうっかり削除できませんから、NASのようにいざというとき取り出しやすい領域へ移動したほうがいい、ということになります。

そんなときは、バックアップデータをNASへ移動しましょう。iTunesの環境設定パネルを開き、デバイスタブに表示されたバックアップ名の上でControl+クリック、「Finderで表示」を選択するとバックアップデータが格納されたフォルダが表示されます(Mac/Windowsそれぞれの操作手順はこちら)。

  • iTunesでiPhoneバックアップのフォルダを開きます

このフォルダをNASヘ移動すれば、そのぶんパソコンの内蔵ストレージに空きができます。リストアするときは逆の操作を行えば、iTunesにバックアップデータとして認識されます。

  • このフォルダをまるごとNASへ移動します

POINT4:「Moments」のAI機能がすごい!

個人がNASを導入する理由のひとつに、デジタルカメラやスマートフォンにどんどん貯まる写真の保管場所にすることが挙げられます。パソコンやスマートフォンの貴重な内蔵ストレージを有効活用するためにも、残しておきたい写真/ビデオは早めにNASへ移してしまいましょう。

DSM向けに提供されている「Moments」は、AI機能を備えた写真管理アプリです。写真をSynology製NASへアップロードしMomentsアプリで表示すれば、ディープラーニングの技術を利用した写真の解析/分類機能が適用され、被写体の顔やテーマ、場所の類似性に従い応じて写真が自動的にグループ化されます。

  • AIが写真を分析し、的確に分類します

その分類はかなり的確で、ピザは「イタリア料理」で天丼は「和食」、ハンバーガーは「ファストフード」に分類されます。建築物についても、キリスト教関連の建造物は「教会」、日本の神社仏閣は「寺院」に分類されました。動植物の分類もかなり正確で、いちいち手作業でアルバム作成をせずに済むほどです。

スマートフォンに撮りためた写真についても、iOS/Android対応の同名アプリを使えばかんたん。「その他」タブからいつでもバックアップ(Synology製NASへの転送)できるうえ、前回バックアップを実行してから増加したぶんだけを転送することも可能です。

これまで「Photo Station」アプリで管理してきた写真も、Momentsの設定画面で「共有写真ライブラリ」を有効にすれば、Momentsのタイムラインで閲覧することができます。

  • スマートフォンで撮りためた写真も、まとめてNASに転送できます

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いかがでしたでしょうか? 皆さんもぜひ上記で紹介したテクニックを活用し、快適なNASライフを過ごしてください。

[PR]提供: Synology