MOBA系ゲームでのパフォーマンスをチェック

ではNEXTGEAR-MICRO im550BA15-SP2の本命、MOBA系ゲームでのパフォーマンスをチェックしてみたいが、その前になぜGTX 950がMOBA系に向いているかを知っておくべきだろう。PCゲームを快適に楽しむといえば、まず頭に浮かぶのがフレームレート(fps)だ。動きの激しいFPS系ゲームで重要なのは明らかだが、これはMOBA系ゲームでも同じこと。だがある程度強力なGPUを搭載すれば、これは簡単に解決できる。

だが強力なGPUを搭載しても描画処理の間に挟み込まれる"遅延(レイテンシ)"は解消できない。画面描画処理が始まってから表示されるまで最大80ms程度の遅延が発生する場合があるが、GTX 950と特定ゲーム(League of LegendsやDota2など)に用意された「低レイテンシ設定」を使えば、この遅延を約半分(45ms)に短縮できる。eスポーツのトッププレイヤーは敵と味方の動きを見ながら、素早く精密な操作を"限りなく速く"実行することが求められる。GTX 950の低レイテンシモードは、MOBA系ゲームに勝つための設定を一発で行える現状唯一のGPUなのだ。MOBA系ゲームの描画負荷なら、2世代前のGTX 650クラスのGPUでも十分間に合うが、低レイテンシで勝利を引き寄せたいならGTX 950搭載の本機を使ってはどうだろうか。

GTX 650など大多数のGPUでは実際の描画指令(プレイヤーの反応)から3フレーム描画して画面に出てくるが、GTX 950の低レイテンシモードならこの遅延を約半分に減らせるという

この低レイテンシモードへの切り替えは「GeForce Experience」上での「最適化」ボタン一発で済むが、ただ一つだけ制約がある。GeForce Experienceで低レイテンシモードにするにはリフレッシュレート100Hz以上の高速液晶が必要となる。一般的な60Hzの液晶だと低レイテンシの項目そのものが表示されないのだ。

だがそこはマウスコンピューター、BTOにしっかり144Hz表示が可能なゲーマー向け液晶「iiyama ProLite GB2488HSU」29,900円(税別)が用意されている。eスポーツで上を狙いたいなら、ぜひともこの液晶もセットで購入しておこう。今回はこの液晶も試用して検証している。

ゲーム導入後、GeForce Experienceを起動すると、各ゲームに独立した「Low Latency」という項目が出現。設定そのものは「最適化」を押すだけの簡単操作

League of LegendsやDota2の低レイテンシモードを出現させるには「iiyama ProLite GB2488HSU」のようなリフレッシュレートの高い高速ゲーマー向け液晶を用意する必要がある。この液晶なら画面も明るく、動作も快適

「iiyama ProLite GB2488HSU」の最大垂直リフレッシュレートは144Hz。MOBA系はもちろんだがFPS系ゲームなどでも大活躍するはずだ

GTX 950とMOBA系ゲームを組み合わせると80~100fps前後のフレームレートが出るが、「iiyama ProLite GB2488HSU」ならすべてを表示できる

テスト結果は2本同時にチェックしよう。どちらもGeForce Experience上の通常モードでの最適設定と、低レイテンシモードでの最適設定を使用して比較する。解像度は1920×1080ドット。Dota2は記録済みリプレイの同一シーンを再生したとき、League of Legendsはリプレイがないので実際のプレイにおけるフレームレートを「Fraps」で測定した。

「Dota2」のフレームレート

「League of Legends」のフレームレート

低レイテンシモードにするとフレームレートも向上した。特にDota2の場合テクスチャなどの設定を1段落としにしているので数値は上がって当然なのだが、実際にプレイしてみると左→右→左と小刻みに素早く移動する際の滑らかさが1ランク上になる。