去年から今年にかけてPCゲームが静かな盛り上がりを見せている。2015年は「Grand Theft Auto V」や「ウィッチャー3 ワイルドハント」などのヒット作がリリースされたが、「Star Wars バトルフロント」や「Fallout4」といった期待作もリリース秒読み段階となっている。

だが今のPCゲーム人気を語るなら「League of Legends」や「Dota2」といったMOBA系ゲーム、「World of Tanks」や「World of Warships」といった「F2P(基本プレイ無料)ゲーム」を避けて通ることはできない。これらのF2Pゲームは、ウィッチャー3などのAAAタイトルのように高スペックなPCを必要としない。設定しだいでは軽量ノートでも遊べてしまうが、ある程度勝ちを意識する遊び方にシフトすると、やはりそれなりのスペックは満たしておく必要が出てくる。

ここで紹介するマウスコンピューターの「NEXTGEAR-MICRO im550BA15-SP2」は、MOBA系ゲームプレイヤーの要求にターゲットを絞った最新ミドルレンジGPU「GeForce GTX 950」を搭載したデスクトップPCだ。League of LegendsやDota2を快適に遊べるのは当然のことだが、GTX 950を搭載することで"プレイ上達をハードの力でアシストする"ことにもフォーカスした製品。早速レビューしてみよう。

ライトゲーマーはもちろん、現在進行形で盛り上がりをみせるeスポーツゲーマーにも最適な低価格ゲーミングPC「NEXTGEAR-MICRO im550BA15-SP2」

普段使いにも十分なスペック

NEXTGEAR-MICRO im550BA15-SP2のスペックは、Core i5-4460にGeForce GTX 950、8GBのDDR3メモリに500GBのHDDというシンプルな構成。GPU以外のパーツ構成に目新しさはないが、ビデオカード付きのデスクトップPCが89,800円(税別)というコストパフォーマンスを実現できた理由でもある。ハイスペック志向のゲーミングPCから見るとやや物足りなさを感じるかもしれないが、本機のスペックであれば、RAW現像から動画変換、オフィス文書作成といった一般的な使い方はもちろん、後で検証する本格的なPCゲーミングでも"最速ではないが十分な性能"を発揮できるだろう。

ボディはMicroATXをベースにしたシンプルな構造が特徴だ。歴代のNEXTGEAR-MICROシリーズで使われてきた通気性重視の飽きのこないデザインなので、長く使えるはず。USB類の搭載ポート数はやや少なめだが使いやすくレイアウトされている。

ただ注意点として、本機は今どきのPCらしく標準で光学ドライブは搭載されていない。ゲームやアプリ導入に光学ドライブを使いたい人、バックアップ用に光学ドライブを使いたい人は、BTOでDVDスーパーマルチ(3,900円)や書き込み対応BDドライブ(7,900円)を追加する、あるいはUSB接続の外付け光学ドライブを別途確保するといいだろう。

前面のアクセスしやすい位置に電源スイッチやUSBポート類を集中的に配置。上の5.25インチベイは以前なら光学ドライブが入っていた部分だが、オンライン時代の製品なので光学ドライブは"必要に応じ"BTOで組み込むスタイルになっている

フロントパネルと左サイドパネルの大部分はメッシュになっており、中に熱がこもらないように大小2つの吸気ファンを備える。冷却力は安定性につながる重要な要素だが、その分ファンノイズは常時聞こえる設計になっている点にも留意しておきたい

NEXTGEAR-MICRO im550BA15-SP2の内部。奥行き430mmとデスクトップ型の割には場所を取らない設計だが、ビデオカード部分にベイがなく、フロント吸気ファンの風が直撃するようになっているなど、よく考えられている。ストレージ(HDD)は最下段のベイに格納されている

コスト重視の設計なのでCPUやメモリ周りはシンプル。だがCore i5に8GBメモリなのでゲームやホームユースはもちろん、軽めのビジネス用途まで十分カバーできるパワーはある

MOBA系ゲーマー注目のGeForce GTX 950搭載ビデオカード。シンプルなリファレンスデザインのカードが使われていた

「CPU-Z」(左)および「GPU-Z」(右)で搭載ハードの情報をチェック。CPUが最新のSkylake世代ではないのは惜しいが、コスパを考えれば十分納得のいく選択。一方GPUはOCなしのリファレンス仕様、VRAMはGDDR5で2GB搭載されている。MOBA系ゲーム用としてはややパワーがある気がするが、その理由はのちほど解説しよう