定番ベンチマークソフト「3DMark」の結果を確認する

それでは早速「RM5A-B61/E」と「GA7J-E52/E カスタマイズモデル」(以降、「GA7J-E52/E」)の性能を確認していきたいと思う。この2台はCPUやSSDなど多数のパーツの違いがあるが、ことゲームをプレイするにあたって最大の違いはグラフィックスだろう。「RM5A-B61/E」では拡張グラフィックスカードを追加しておらず、CPUとGPUを統合したAPUにて映像の処理を行っている。これに対して「GA7J-E52/E」では、単体のグラフィックスカードとしてNVIDIA GeForce GTX 770を搭載。この差がベンチマークの値に大きく影響しそうだ。

まずはFuturemarkの定番3Dベンチマークソフト「3DMark」で、グラフィックスの総合的な性能を計測してみよう。実行したのは、ゲーミングPC向けのテスト「FireStrike」だ。GeForce GTX 770を搭載した「GA7J-E52/E」はさすがのスコアで、確実にミドルハイ~ハイエンドロークラスの性能が見込めそうだ。比較してしまうと「RM5A-B61/E」には厳しい結果だが、ノートPCやオフィス用PCと比べるとはるかに高いスコアが出ている。どの程度のゲームを想定しているかが、モデル選択のカギとなりそうだ。

実際の国産ゲームのベンチマークを試す

基本性能を確認したところで、続いてそれぞれのゲームに対応したベンチマークを行っていこう。今回試したのは「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」(以下、FFXIVベンチ)、「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」(以下、DQXベンチ)、「ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版」(以下、PSO2ベンチ)の3点。それぞれのベンチマークテストのスコアの指標は以下の通り。標準以上を満たせるスペックを目標にしたい。

各種ゲームベンチマークスコアの参考値
ベンチマークソフト FFXIVベンチ DQXベンチ PSO2ベンチ
非常に快適/すごく快適 7000~ 10000~ -
快適 3500~ 5000~ 5001~
普通/標準的な動作 2000~ 3000~ 2001~
設定変更/調整をお勧め ~1999 ~2999 ~2000

それではまずFFXIVベンチからだ。1280×720、1920×1080、それぞれにおいて、品質を変えてテストを行った。「GA7J-E52/E」は、最高品質の1920×1080でも余裕のある動作が見込める。PS4以上の解像度となる、2560×1440などでも十分ゲームを楽しめそうだ。一方「RM5A-B61/E」だが、こちらも健闘している。最高品質の1280×720、品質設定を下げた1920×1080も許容範囲に入っており、フルHD最高設定などでなければ十分遊べる範囲となる。この2つの解像度の中間となる1600×900などにおいても、画質調整を行えば快適なプレイが見込めるだろう。

ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編

続いてDQXベンチ、PSO2ベンチを試してみよう。DQXベンチはほかのソフトに比べ負荷が低く、最高設定でも十分な動作が見込める。「RM5A-B61/E」でも1920×1080で「快適」ラインに到達しており、「GA7J-E52/E」では数値が「快適」ラインを大きく超えている。3D負荷がDQX程度の3Dゲームなら、「RM5A-B61/E」でも余裕で遊べそうだ。PSO2ベンチは若干重めの動作となるが、同様の傾向が確認でき、「RM5A-B61/E」なら許容範囲、「GA7J-E52/E」では余裕がありすぎる、といった状態だ。

ゲーム中の消費電力はどれくらい?

「RM5A-B61/E」と「GA7J-E52/E」のグラフィックス性能は、ここまでのベンチマークを見てもわかる通り、大きく差がある。では、消費電力という視点で見るとどうなるのだろうか。Windows 7のアイドル時の消費電力は、省電力機構が働くためそれほど大きくないが、ゲーム動作時の違いはかなり大きい。「RM5A-B61/E」はAPUだけでCPUもGPUも処理しているため、3Dゲーム動作時でもそれほど電力を消費しないが、PCI-Express電源コネクタを2本使用するGeForce GTX 770を搭載した「GA7J-E52/E」の消費電力は、さすがに無視できない。オンラインRPGはゲームの性質上、プレイしていない時間も含めてPCの動作時間が長くなってしまう傾向にあるため、消費電力は少ないに越したことはない。

ちなみに、登場したばかりのPS4は、メーカー公称値で最大250Wの消費電力となっている。

ベンチマークにおいては「GA7J-E52/E」が非常に高いスコアを出し、その性能を見せつける結果となった。一方「RM5A-B61/E」はといえば、スコアこそ「GA7J-E52/E」に及ばないものの、実際にゲームを遊べるラインには達しており、また消費電力が低いという特徴も見えた。価格差を考えるとなかなか悩ましい選択になりそうだ。次ページではそれぞれの魅力をハード面から追ってみよう。