前回お伝えした通り、Windows XPのサポート切れが来年、すなわち2014年4月に迫っている。想像するのだが、ビジネスユースならともかく、コンシューマーユーザーでここまでWindows XPをベースにPCライフを楽しんでこられたのであれば、それは先見の明があった人なのだと思う。

PCを買うときに、価格を含めてとりあえず自分の用途に見合ったものを買うというやり方もあるが、予算を多めに見積もっておき、一定以上のグレードのパーツを組み合わせることで延命を図る考え方もある。前者は出費を最小限にして2、3年持てばいいといった感覚だろう。後者は最初に出資する金額こそ大きくなるが、最低でも4年、調子が良いのであれば5年以上は使いたいはずだ。

もちろん、資金に糸目をつけず、時代の先端を追い続けるやり方もあるが、それが許されるのはほんの一握りの人になる。多くの人が目指すべきPCは、「長く快適に使い続けられ、なおかつお安い」というところだろう。

ということで、PCの買い換えを考えるなら今まさに最適な時期がやってきている。これまでWindows XPマシンで過ごしてきた人は、みな買い物上手だと思われる。そのような方に向け、最近のパーツ事情も含めて、快適長持ちPCについて説明していきたいと思う。

乗り換え上手が選ぶべきBTOパソコン
マウスコンピューター G-Tune NEXTGEAR-MICRO im540SA3

CPU インテル Core i7-4770
チップセット インテル H87 Express
メモリ 8GB(8GB×1)
ストレージ 1TB HDD
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 760
OS Windows 8 64bit
価格 119,700円(税込)

ゲームの変遷から見るオススメPCとは?

PCスペックの変遷を図るのに最適なのは、ゲーム環境の移り変わりだろう。と、その前に現在人気タイトルのゲームの対応OSを見てみよう。

タイトル 対応OS
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア Windows Vista/7/8(32bit/64bit)(+DirectX 9.0c以上)
BattleField 3 Windows Vista(SP2以上)、Windows 7
BattleField 4 Windows Vista(SP2以上)、Windows 8 64bit
Wold of Tanks Windows XP/Vista/7
ファンタシースターオンライン2 Windows XP(SP3)32bit 日本語版/Windows Vista/7/8(32bit/64bit)日本語版
トゥームレイダー Windows XP(SP3)、Windows Vista/7/8(32bit/64bit)

6本のゲームの対応OS状況のみを抜粋したものだが、Windows XP非対応となっているのは、ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼアとBattleField 3および4。その他人気タイトルの3つはWindows XPにも対応している。「な~んだ、まだ大丈夫じゃん!」などという声が聞こえてきそうだが、ちょっと待っていただきたい。非対応組の3つはいずれも、つい最近出てきたあるいは近々に発売されるゲームなのだ。この流れから見れば、以降開発されるであろうビッグタイトルは、Windows XPでの動作検証から撤退する傾向がますます強まっていくことが想像できる。ワールドワイドで展開しているネットワークゲームは、それほど急速にWindows XPから撤退しないだろうが、先進国を市場としている革新的なゲームは、Windows 8に完全対応したほうが後々楽ができるため、XP外しはますます加速していく可能性があるのだ。

そんな状況を踏まえて、ゲーマー目線で乗り換えるべきPCのスペックを、グラフィックスカードベースで考察してみよう。最初に現役のWindows XPマシンの多くは、古くてもSP2になる頃のPCが現役である可能性が高いことを前提とする。まずはその当時、2006年頃人気だった高負荷PCゲームの代表として「BattleField 2」を例にしてみよう。メーカー推奨スペックは、OSにWindows XP、CPUがPentium 4 1.7GHz以上、メモリ1GB以上、グラフィックスカードは「DirectX 9.0cに対応し、VRAM 128MB以上(必須)/VRAM 256MB以上(推奨)」という発表だった。

このグラフィックス要件を満たす物として、NVIDIA Geforce 7800 GTX辺りが妥当とされていたが、実際にはNVIDIA GeForce 7950 GTでも十分に動いてくれた。NVIDIA GeForce 7800 GTXの発売当初価格(2005年秋)は6万円前後、ちなみにNVIDIA GeForce 7950 GTの発売当初価格(2006年秋)で4万円前後だった。

このデータだけでも分かるが、筆者的な感覚でいってもグラフィックカードで延命を図れるボリュームゾーンは、やはり3万円以上10万円以下だと思っている。もう10年以上もPCパーツを追ってきているが、自分のPCを実際にメジャーアップデートさせるときも、その価格帯のグラフィックスカードを採用している。そうしておくことで、3年は快適に遊べるし、5年後もソフトウェア側の設定を落とすことで対応することができる。2万円前後のエントリークラスのグラフィックスカードを2年ごとに買い換えるより、快適度や満足度を考慮すると、コスト的なメリットはかなり高いといえるだろう。

最新OSやゲームの魅力を引き出せるBTOパソコン

先の考察をベースに現況と照らし合わせてみれば、最新のミドルクラスのグラフィックスカードであるNVIDIA GeForce GTX 760の市場価格が3万円前後なので、その辺りから上位が選択肢になる。これをベースにPCを選んでいくことになるが、ここで便利なのが「BTOパソコン」だ。Windows XP世代ではあまり一般的ではなかった販売の仕方だが、簡単にいうとベースとなるマシンを選んで、取り換えたいパーツをメニューから選んで、自分好みに仕上げていくというものだ。完全な自作PCと違ってメーカーからの保証も受けられるうえ、組み込みの手間も不要なのは大きなメリットになる。まさに、延命派にはうってつけのシステムがBTOなのだ。

前置きが長くなってしまったが、ここで紹介したいのがマウスコンピューターのゲーミングモデル・G-Tuneブランドの中核となる「NEXTGEAR-MICRO im540シリーズ」だ。この製品は最新チップセットとCPUを軸に、コストパフォーマンス寄りの組み合わせから、ハイエンドグラフィックスを採用した最強ゲーミングモデルまで幅広くカスタマイズできるBTOパソコンとなる。

フロント。2基のケースファンが確認できる

アクセスしやすい位置にあるフロントインターフェイス

背面。水冷ユニット用のダクトも用意されている

中でもシルバーモデルは、CPUにインテル Core i7-4770と現状ではかなり上位のモデルが採用されている。グラフィックスカードはNVIDIA GeForce GTX 760が標準構成に含まれるので、今回の趣旨にマッチしたモデルといえる。これだけバランスの取れた仕様でありながら、119,700円というコストパフォーマンスの良さも大きな魅力だ。

ケース内部

ちなみにケースはこのクラスのPCにしては珍しくミニタワーとなっている。このサイズなら設置場所を工面しなくとも、今までのPCが収まっていたエリアに余裕で設置できるのではないだろうか。ミニタワーで高性能グラフィックスというと排熱を気にする人もいると思われるが、フロントに2基、上面に1基、リアにも1基のケースファンが取りつけられているので、エアフローは非常に良好だ。ケース内のアクセスもよく、3.5インチベイにすぐ手が届くので、将来のストレージ強化への備えも万全だといえる。

上面にもケースファンが配置されている

アクセスしやすいドライブベイ

電源ユニットは700W 80PLUSゴールドの高品質な製品が搭載される

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