処理能力の差と消費電力の傾向を確認

CPUのコア数や拡張命令、追加機能、そしてその他もろもろにかなりの違いがある2台だが、世代違いの同価格帯製品として「RM5J-C34/S」、「Core 2 Duo搭載機」両者の処理能力と消費電力を確認してみよう。

まずは、いまとなっては古さが見えるが、Windows 7、Windows XP両方で動作するfuturemarkの定番ベンチマークソフト「3DMark06」と、カプコンの人気ゲーム「モンスターハンター フロンティア オンライン」のベンチマークソフト「MHFベンチマーク 第2弾【絆】」を試す。

CPUの差はもちろんのこと、内蔵グラフィックスの3D処理能力が大きく向上しているため、結果は一目瞭然だ。MHFベンチマークの結果を見る限りは、「Core 2 Duo搭載機」でゲームをプレイするのはとても不可能だろう。それに対し「RM5J-C34/S」は、「モンスターハンター フロンティア オンライン」は厳しいにしても、カジュアルなゲームであれば、グラフィックスカードを別途追加せずとも十分遊べるスコアだ。3DMark06においても、9倍強のスコアが出ている。

続いて、Microsoftの「Expression Encoder 4」を利用して、動画と音声ファイルをエンコードし、その実時間を確認してみることにする。

動画エンコードで5倍強と「RM5J-C34/S」がその力を見せた。音声ファイルは動画ほどの差はなかったが、それでも3倍近い違いがある。今回はそれほどサイズの大きくないファイルを単体でエンコードしたのでよかったが、サイズが大きいファイルを複数エンコードすることは考えたくない印象だ。

最後に、市川ソフトラボラトリーの「SILKYPIX」でデジカメ写真5枚を現像する時間と、ここまでサンプルで使用した動画、音声、画像をCorelの「WINZIP 15」で圧縮する時間を調べてみよう。

デジカメのRAWデータ現像もまた、大きな差が生まれた。動画エンコード結果と同じような傾向だ。データ圧縮では、ほかほどの差はなかったが、それでも倍以上の違いが出た。各種計測結果を見る限り、やはり処理能力の差は歴然としている。

そして、それぞれのアイドル時消費電力と3DMark06実行時のピーク電力は、以下のようになった。

「RM5J-C34/S」はWindows上で作業をしていないアイドル時に、消費電力を大きく下げていることがわかる。ピーク時の消費電力では「Core 2 Duo搭載機」が若干下回っているが、そもそもCore 2 DuoはデュアルコアCPUで動作クロック1.86GHz、Core i7-2600KはクアッドコアCPUで基本動作クロックが3.4GHzと大きな違いがある。にもかかわらず、ピーク時の消費電力ですらほぼ同等なのは、驚きだ。また「RM5J-C34/S」はベンチマークソフト動作中も細かく消費電力量が変動したのが確認できた。ハードウェアの素性だけでなく、節電のための動作が進化していることが伺える。