まず最初に、「EW2420」と「VW2420H」の主な仕様をながめてみる。液晶の画面サイズからパネルの方式、バックライト方式、最大解像度、輝度、コントラスト比、応答速度、視野角などの基本仕様は、まったく同じだ。つまり液晶ディスプレイ部分のハードウェアは、ほとんど同じと考えてよいだろう。

これ1台用意しておけば、メイン用途の液晶ディスプレイとしてこと足りる「EW2420」。ステレオスピーカーと4ポートのUSBハブを搭載している

「EW2420」のような付加機能を持たないぶん、非常にスリムな「VW2420H」。金色の「BenQ」ロゴとスタンドのフレームが、ほどよい高級感を醸し出す

共通の仕様をまとめると、液晶パネルはVAパネルとLEDバックライト、画面サイズは24型ワイド、解像度は1,920×1,080ドットのフルHD対応だ。液晶パネルは高コントラストで広い視野角を持つVA(Vertical-Alignment)方式で、LEDバックライトの採用によって薄型かつ狭フレームの本体となっている。

輝度は250cd/平方メートル、コントラスト比は通常時が3,000:1だ。DCR(Dynamic Contrast Ratio)機能を有効にすることで、2,000万:1というハイコントラスト表示が可能になっている。黒白間の応答速度は25ms、中間階調(G to G)の応答速度は8msで、動画も滑らかに表示可能だ。視野角は上下と左右が178度と、ほぼどの角度からも視認できる。両モデルとも前後側のチルトが可能だが(「EW2420」が前5度/後20度、「VW2420H」は前5度/後15度)、スイーベルや画面の高さ調節、縦回転といった機能は持たない。

個人的な感想としては、HDMI×2など多系統の入力インタフェースを持つ「EW2420」は「これ1台用意しておけばとりあえずOK」、「VW2420H」は「メインで利用するにはスピーカーが別途必要、マルチディスプレイのサブディスプレイにも向く」といった印象を持った。とはいえ、付加的な機能をそれほど重視しなかったり、スリムデザインに魅力を感じるユーザーならば、メインの液晶ディスプレイとして「VW2420H」を選ぶのも正解の1つだ。

大きな違いはデザインとインタフェース

「EW2420」と「VW2420H」の異なる部分もチェックしよう。当然ながら本体デザインが大きく異なる。若干奥行があって背が低いのが「EW2420」だ。奥行がある理由は、本体に様々な機能を内蔵しているためだ。具体的には、1.5W + 1.5Wのステレオスピーカー、4ポートのUSBハブ、そして電源だ。こうした機能の内蔵によって、重量も約6kgと少々重くなっている。いっぽう、内蔵する機能がほとんどなく、電源が外付けのACアダプタ形式になっているVW2420Hは、スリムな薄型デザインで重量も約3.9kgと軽い。

「EW2420」は、「VW2420H」と比べて少し厚みがあるが、それでも薄型だ。左側面にはUSBハブ×2とヘッドホン出力がある

真横から見た「VW2420H」。とても薄型で上品な雰囲気がある

入力インタフェースの数も異なっている。「EW2420」は、HDMI×2、HDCP対応DVI-D×1、D-sub×1の4系統入力が可能。「VW2420H」は、HDMI×1、HDCP対応DVI-D×1、D-sub×1の3系統入力だ。PCとともに、ゲーム機やAV機器などを接続するマルチモニタを求めるなら、HDMI×2を持つ「EW2420」が適している。また、両モデルとも、HDMI経由で入力した音声をアナログ出力することが可能だ。「EW2420」はライン出力とヘッドホン出力(内蔵スピーカー出力も可能)、「VW2420H」はヘッドホン出力を備えている。

「EW2420」の背面に並ぶ入力インタフェース。USBハブ×2や、1系統のライン入力/ライン出力もある

「VW2420H」の背面と入力インタフェース。背面もシンプルなデザインで、各コネクタは真後ろから挿すタイプだ

以上のように、両モデルで異る部分はそれほど大きくはないのだが、「EW2420」と「VW2420H」の想定ユーザーを分ける理由になっているのも事実だ。価格面でも、機能が多い分EW2420が少しだけ高くなっている。