Core 2世代の集大成としてインテルが放ったチップセット「P45 Express」を搭載したPCが、早くもマウスコンピューターから登場した。PCI-Express2.0やメモリ最大16GBへの対応、ICH10の採用など、着実な進化を遂げている。

インテル最新チップセット「P45 Express」を採用した「MDV ADVANCE ST 4940X2」

45nmプロセス製造のCore 2 Duo/Quadに正式対応したインテルの最新のチップセット「P45 Express」が発表された。マウスコンピューターからは、さっそくこの「P45 Express」を採用した「MDV ADVANCE ST 4940X2」が登場。チップセットが変わり、どのような変化があったのかを見ていこう。

ミドルハイクラスに位置する「MDV ADVANCE ST」シリーズ。性能にも価格にも妥協したくないユーザーに支持されるバランスの良いPCだ。最新パーツが真っ先に採用されるのも特徴の一つ

PCI-Express2.0対応、最大メモリ16GBで将来性バツグン

FSB1333MHzのCore 2シリーズ推進を促し、現在のチップセットの主流となっている「P35 Express」からの大きな変更点は、PCI-Express2.0スロットの採用だ。PCI-Express2.0では、PCI Express 1.1では片方向2.5Gbps、双方向5.0Gbpsだった帯域を、倍の片方向5.0Gbps、双方向10Gbpsに拡張。今後のハイエンドグラフィックカードを動作させる際も、帯域不足が起こりにくくなっている。PCI-Express2.0に対応したグラフィックカードでは、ベンチマークの数字が向上することも多いため、3Dグラフィックにこだわる人ならば注目だろう。 また、64bit版OSの普及を見込み、マザーボード自体のメモリの最大実装容量は16GBに増加。本機でインストールされているOSはWindows Vista 32bit版なのでサポートは4096MBまでとなるが、一枚で4096MBの容量を備えるメモリモジュールが市場に現れ始めている今、将来的に64bit版OSに乗り換えることがあるとしたら、大容量をも見込める点は魅力だ。

AHCIに標準対応、HDD暗号化もサポートしたICH10

同時にサウスブリッジも、ICH9からICH10に変更されている。ICH9シリーズではICH9R/DH/DOでのみサポートされていたAHCIが標準でサポートされるようになり、よりシリアルATAのHDDの性能が引き出せるようになった。SATAも標準で6ポートに拡張されている。またオフィスユースにありがたい機能として「Danbury Technology」が採用されており、CPU負荷なくHDDの暗号化が行える。

シンプルなブラックのフェイスが美しい、マウスコンピューターオリジナルケース。前面パネルのサイドに吸気口を持たせることで、静粛性を高めている 背面はシンプルな構成。シリアルポートやパラレルポートが残されている点は、従来の周辺機器を所持しているユーザーにはありがたい。12cmファンも静かだ
サイドパネルには通気口が設けられている。CPU、チップセット、グラフィックカードを冷却するための空気を効率よく排吸気できる サイドパネルを外したところ。マザーボードは横幅が抑えられたやや小型のもの。基本的なレイアウトはP35 Expressから大きな変更はない
CPU周辺。正式対応している、45nmプロセス製造のFSB 1333MHzクアッドコアCPU「Core 2 Quad Q9450」が標準で搭載されている。メモリはDDR2-800MHzに対応している PCI-Express×16スロットは、PCI-Express2.0対応となった。上位のマザーボードではPCI-Express×16スロットが2つ以上実装されており、ATIのCrossFireに対応する。またSATAポートが標準で6ポート搭載されている
ヘアライン処理が映える前面ポートとアクセスランプ部分。試用機ではブラックだが、シルバー、レッド、ブルーも選択することができるので、ワンポイントのアクセントがほしい時はそちらを選ぼう