【特別企画】

移行して終わりじゃない。Windows 10運用の課題と、効率的な管理方法

[2019/12/03 13:16] ブックマーク ブックマーク

IT資産管理

2020年1月14日のWindows 7 延長サポート終了を受けて、多くの企業はWindows 10への移行を済ませていることだろう。だが、移行作業を急ぐばかりに移行後の運用計画がおろそかになっている事例も少なくない。Windows 10から導入された「Windows as a Service」という仕組みによって、企業にはこれまでと異なるIT基盤の運用・管理が求められている。

本稿では、企業の業務ITと長年向き合ってきた横河レンタ・リースの山神 寛之 氏に話を伺い、Windows 10環境の効率的な管理方法を紐解いていく。

Windows 10の抱える運用上の課題

Windows 10は従来のWindowsと異なる。次世代OSの登場を前提とした “固有のパッケージ製品” ではなく、”継続的に利用するOS” として設計され、ユーザーに提供されているのだ。このWindows 10というサービスをユーザーが常に最新の状態で利用するための仕組みが、「Windows as a Service (以下、WaaS)」である。

WaaSでは、年2回提供される機能更新「Feature Update (以下、FU)」と、月1回提供される品質更新「Quality Update (以下、QU)」がある。企業は最新の環境としてWindows 10を利用するために、各アップデータを業務PCに対して計画的に配布しなければならない。

Windows 10のアップデータ体系。QUは基本的に月に1回だが、緊急性の高いパッチ対応などでこれ以上の頻度となることも少なくない

Windows 10のアップデータ体系。QUは基本的に月に1回だが、緊急性の高いパッチ対応などでこれ以上の頻度となることも少なくない
資料提供:横河レンタ・リース

ここで留意せねばならないことが1つある。FUは大規模なアップデートとなるために、この配布にあたっては業務アプリケーションの互換性など従来のOS移行と同様の検証を経て行わねばならないことだ。これまでであれば数年に1度というOS更新の際に行っていた作業が、Windows 10の場合、年に2回行わねばならない。

横河レンタ・リース 営業統括本部 ソフトウェア&サービス営業本部 本部長 山神 寛之 氏

横河レンタ・リース
営業統括本部 ソフトウェア&サービス営業本部
本部長 山神 寛之 氏

「QUについても注意が必要です。基本的には月に1回の頻度なのですが、緊急更新の舞い込みや予定外の個別更新の発生により、実際には月に数度発生するということが頻発しているのです。FUの配布に要する工数負荷、QUの不定期さを理由に、クライアントPCの運用管理は、計画通りに行うことが難しくなっています。」(山神 氏)

運用管理にかかる負担の大きさから、Windows 10を導入した企業の多くが、現実的な運用としてFUを「年1回の更新」としているところが多いという。

ここまでを整理すると、企業から見た場合、Windows 10の運用管理には大きく3つの課題がある。

1つ目は、更新ファイルのサイズが大きいことだ。業務PCへ更新ファイルを配布する際には、ネットワークの帯域を大きく圧迫することとなる。業務PCやインターネット接続のパフォーマンス低下は、ビジネスの生産性をも低下させてしまう。

2つ目は、アップデートのサイクルが短いことだ。マイクロソフトが推奨する「半年に1回の更新」を踏襲するためには、相応の管理体制を構築しなければならない。

最後の3つ目は、共存アプリケーションのアップデートとの互換性検証である。Windows 10は進化するOSのため、常に仕様が変わっていく。FUの配布時だけでなく、共存アプリケーションをアップデートする際にも、OSとの互換性を確認せねばならない。システムのWeb化が進んでいるものの、日本企業では依然として多くのスクラッチシステムが稼働している。マイクロソフトは “99%のアプリはそのまま動作する” としているが、万が一システムの稼働に不具合が出た場合、ビジネスに大きな悪影響を及ぼす。IT部門としては例え1%であっても、クレーム発生を避けるために、検証によって “確実に稼働する” という安心がほしいはずだ。

Windows 10の運用管理を難しくする、3つの要因

Windows 10の運用管理を難しくする、3つの要因

WSUSでは対応が難しい場合も

効率的な運用管理を実現する。そのためにマイクロソフトは、更新プログラムを配信・適用するためのソフトウェアとしてWindows Server Update Services(WSUS)を提供している。だが、同ツールだけでは対応が困難なケースがあるという。

山神 氏は、「WSUSは一画面に表示されるログ情報が膨大でダッシュボード化されていません。情報の取捨選択が大変で、情シスの方々からも “運用に苦労している” という声をよくお聞きします。回線が細い企業が強引にWSUSで運用した結果、ネットワークがダウンした例もありました。また、WSUSの利用にあたってはActive Directory (以下、AD) 環境がほぼ必須となるのですが、中小企業の中にはAD環境自体がないというお客様もいらっしゃいます。」と述べ、Windows 10の運用管理を楽観的にとらえてしまうと、大型アップデート等でクレームが発生して結果的に大きな工数がかかってしまうと警笛を鳴らした。

>>次ページ:Windows 10環境の効率的な管理方法

[次ページ目次]

  • サードパーティツールを活用して、Windows 10環境を効率的に管理する
  • 更新ファイルをユーザー負荷無く配布する
  • 更新ファイルの適用状況を効率的に管理する
  • 「FUの更新期間を2年にする」という選択肢も
  • 2020年1月までに移行が間に合わなくても大丈夫?
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