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【特別企画】

移行して終わりじゃない。Windows 10運用の課題と、効率的な管理方法

[2019/12/03 13:16] ブックマーク ブックマーク

Windows 10の運用管理は、従来の在り方から脱却した新たな体制の下で臨まなければならない。しかし、マイクロソフトが提供するソフトウェアのみを利用する手段は、前述した課題が存在する。ここからは、サードパーティが提供する運用管理ツールを取り上げて、いかにしてWindows 10環境を効率的に管理するかを探っていきたい。

サードパーティツールを活用して、Windows 10環境を効率的に管理する

市場にはWindows 10の運用管理に対応した資産管理ツールが数多くある。ここではその中から、横河レンタ・リースの提供する「Flex Work Place Unifier Cast(以下、Unifier Cast)」を取り上げたい。

Unifier Castは、「Windows 10 運用支援ソリューション」と銘打った、Windows 10の運用管理に特化した管理ツールだ。山神 氏は同サービスについて、「管理者だけでなくユーザーである社員の負荷も軽減するサービス」だと述べ、これを利用することで、セルフサービス型のWindows 10運用管理が実現できると語る。

同サービスの持つ特徴は、大きく下記の6点だ。”配布” と “管理” の2つの視点から、細かくみていこう。

概要
1 配布ファイルの自動パッケージ化機能
2 配布ファイルの分割配信機能
3 配布ファイルのキャスト配信機能
4 配布ファイルのリジューム機能
5 ダッシュボード機能
6 トラブルシューティング機能
今挙げた6つの特徴の概念図。それぞれの優位性についてみていこう

今挙げた6つの特徴の概念図。それぞれの優位性についてみていこう

更新ファイルをユーザー負荷無く配布する

Unifier Castでまず注目したいのは、[1]から[4]に挙げられる豊富な配布機能だ。ネットワークを圧迫することなくファイルを配布することにより、ユーザーにストレスを与えることなく業務PCにファイル更新を適用することができる。

1. 配布ファイルの自動パッケージ化機能
自社環境に建てたマスターサーバーがWindows 10の更新ファイルを自動的にダウンロードし、自動で運用ポリシーにあわせたパッケージ化をしてくれる。Windows 10以外のファイル、アプリケーションについても簡単な操作でパッケージ化が可能なため、配布前における管理者の工数を大きく削減することができる。2019年11月時点で、Windows 10以外に「Office 365」「Office 2010~2016」「Adobe FLASH」「JAVA」「.NET Framework」などが対応している。これらのアプリケーション以外に関しても、パッケージ化のオペレーションは必要だが、配信が可能となっている。

ファイルの配布にあたって前準備が必要なパッケージ化が、Unifier Castを利用することで不要となる

ダッシュボードでは、業務PCの運用管理に必要な情報が一覧化されている。細かな情報を見たい場合も、グラフをクリックすることでドリルダウンしていくことが可能

2. 配布ファイルの分割配信機能
パッケージ化したファイルは、分割して各業務PCに配信される。FUなどの大きなアップデートは数GB単位の容量になることが多く、WAN回線など回線の細いネットワークでは帯域を圧迫することが少なくない。分割配信によってネットワーク負荷が抑えられることは、業務PCやネットワークのパフォーマンス維持、つまりは社員の生産性維持につながる。

3. 配布ファイルのキャスト配信機能
拠点やVLANなどで区切った同一ネットワーク内で、分割したファイルを伝搬させていくことが可能。マスターサーバーからすべての業務PCにファイルを配信せずとも、1次配信したクライアントから同一ネットワーク内の2次、3次クライアントにファイルを配信することで、ネットワーク帯域を健全化しながら配布が可能。また、異なるセグメントをグルーピングすることにより一つのグループとして扱うことも可能となっている。

4. 配布ファイルのリジューム機能
出張など物理的な移動が発生した場合にネットワークが途切れてファイル配布が中断されるケースは少なくない。Unifier Castでは、ネットワークが途切れた場合にでも “エラーの無い形” でファイル配付を一時停止し、移動先の拠点などで再びネットワークに接続した際に近くのPCからファイルの受け取りを再開することが可能だ。

更新ファイルの適用状況を効率的に管理する

Unifier Castが特に優れているのは、[5]の優れたダッシュボードによって管理者が業務PCの更新状況を一目で把握できることだ。また、[6]のセルフサービス化を支援する機能もあって、管理者とユーザーは、手間をかけることなくWindows 10環境を最新に保つことができる。

5. ダッシュボード機能
更新対象となる業務PCは何台あるのか、それぞれの現在のOSバージョンや、更新の進捗状況はどこまでいっているのかなど、業務PCに関わる情報が一目で確認できる。「バージョン1809、1903それぞれの割合はいくつか」「アップデータの準備ができているのか、配り終えているのか」「指定したバージョンを超えて先のバージョンを導入していないか」といった細かな状況であっても即時に把握が可能だ。

ダッシュボードでは、業務PCの運用管理に必要な情報が一覧化されている。細かな情報を見たい場合も、グラフをクリックすることでドリルダウンしていくことが可能

ダッシュボードでは、業務PCの運用管理に必要な情報が一覧化されている。細かな情報を見たい場合も、グラフをクリックすることでドリルダウンしていくことが可能

ドリルダウンしたリストに関しては、CSVにエクスポートすることもできる
ドリルダウンしたリストに関しては、CSVにエクスポートすることもできる

ドリルダウンしたリストに関しては、CSVにエクスポートすることもできる

6. トラブルシューティング機能
更新ファイルを格納するのに必要なディスク容量が足りないなど、ファイル配付後にアップデートができない、エラーが出るといったケースは少なくない。Unifier Castでは、そうした場合でもユーザーが自身で問題を解決できる機能を搭載している。同機能では、Windows 10のエラーメッセージとともに表示される16進数のエラーコードから自動でエラー内容を分析。ユーザーに対して具体的な対処方法を表示する。エラーが発生する度にIT部門に問い合わせを行う、更新時に多くの社員から問い合わせが殺到する、……こうした煩わしさから管理者・ユーザーの双方が解消されるわけだ。尚、管理者側も、どの業務PCがどのようなエラーが出ているのかを一覧で可視化することが可能。

更新時にエラーが発生しても、解決法がUnifier Castより細かく提示される

更新時にエラーが発生しても、解決法がUnifier Castより細かく提示される

エラー情報は、管理者側もダッシュボードから一覧で閲覧することが可能

エラー情報は、管理者側もダッシュボードから一覧で閲覧することが可能

「更新期間を2年にする」という選択肢も

Unifier Castを利用すれば、マイクロソフトが推奨している「年2回の更新」にも対応することも可能だろう。ただ、一般的な業務PCのライフサイクルは4年周期であり、年2回更新するとなると、ライフサイクルの中で約7回の更新が必要となる。企業としては、なるべく更新頻度を少なくしたいというのが本音だろう。

横河レンタ・リースはこうした本音に対するアンサーも用意している。山神 氏は、「実は、なるべく更新期間を延ばすという選択肢もあります」と言及し、次のように説明する。

「Windows 10 Enterpriseに限った話になりますが、Version 1809以降の秋バージョンは、サポート期間が30ヶ月となりました。秋バージョンのFU適用をルールにすることで、FUの更新頻度を2年に1回にすることが可能なのです。そうすれば、4年のライフサイクルの中で更新作業は1回しか発生しません。もちろん、Windows 10 Enterpriseのライセンス費はかかりますが、選択肢が増えるという意味ではいいことでしょう。工数とコストを比較して頂き、最適な運用管理について一考頂きたいですね。」(山神 氏)

Windows 10 Enterpriseを導入すれば、秋のFUについては30か月間サポートされる

Windows 10 Enterpriseを導入すれば、秋のFUについては30か月間サポートされる

また、業務PCの運用にあたっては、更新ファイルの配布だけでなく全体の最適化を考える必要がある。同社では、本稿で紹介したUnifier Castの他に、PCの初期セットアップから展開までを行う「Simplit プロビジョニング」、修理交換・リプレース交換時のデータ移行を必要としない “データレスPC” 「Flex Work Place Passage」「Flex Work Place Passage Drive」など、数多くのソリューションを提供している。Windows 10への移行を機に業務PC環境の見直しを行う際には、これらのソリューションも選択肢の1つに入れることをお勧めする。

横河レンタ・リースは、業務PCのライフサイクル全体を包括したソリューションを提供している

横河レンタ・リースは、業務PCのライフサイクル全体を包括したソリューションを提供している

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Windows 10の運用にあたって留意すべき事項と、サードパーティツールを用いた適切な管理手法について解説してきた。

多くの企業は既にWindows 10移行を済ませていることだろう。しかし、まだ移行中、または計画中で2020年1月までに間に合わない企業もあるかもしれない。取材の終わりに山神 氏は、「マイクロソフト社の施策にはなりますが、『拡張セキュリティ更新プログラム (ESU)』等を活用することによりWindows 7の延命も可能です。移行済みかそうでないかを問わず、Windows 10についてお悩みがあれば、ぜひ相談いただきたいですね。」と心強く語ってくれた。

[PR]提供:横河レンタ・リース

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